用語集: 「(法律の)ネガティブリスト(NL)」
今回は「(法律の)ネガティブリスト(NL)」について見ていきましょう。
_*_*_
「(法律の)ネガティブリスト(NL)」: 特定のこと以外は自由にしてよいという考え方。
ある行為や事柄について、「禁止されているもの」を明確にリスト化し、リストに載っていないものは原則として許可されるという制度です。
つまり、「禁止されていないものは、基本的にOK」という考え方で、規制の対象を明確にすることで、規制の透明性と柔軟性を高めることを目的としています。
ポジティブリストとの違い
よく比較される「ポジティブリスト」との違いは、以下の通りです。
ポジティブリスト: 許可されているものをリスト化し、リストに載っていないものは原則として禁止
ネガティブリスト: 禁止されているものをリスト化し、リストに載っていないものは原則として許可
ネガティブリストのメリット
規制の透明性: 禁止事項が明確なので、事業者や国民が規制内容を把握しやすく、公平な競争が促されます。
規制の柔軟性: 新しい製品やサービスの開発を阻害しにくく、経済活動を活性化させる効果が期待できます。
行政負担の軽減: すべての行為を規制するのではなく、禁止事項に集中することで、行政の負担を軽減できます。
ネガティブリストのデメリット
規制の抜け穴: リストに網羅されていない行為が、規制の対象外となる可能性があります。
社会的な合意形成: 禁止事項のリスト化には、様々なステークホルダーとの意見調整が必要となり、時間がかかる場合があります。
ネガティブリストが採用される事例
食品分野: 残留農薬など、食品に含まれていてはならない物質をリスト化し、それ以外の物質は原則として許可される。
医療分野: 医療行為のうち、禁止されている行為をリスト化し、それ以外の行為は原則として許可される。
貿易分野: 輸出入が禁止されている品目をリスト化し、それ以外の品目は原則として輸出入が許可される。
まとめ
ネガティブリストは、規制の透明性と柔軟性を高める有効な手段ですが、一方で、規制の抜け穴や社会的な合意形成の難しさといった課題も存在します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?