相続: 「土地相続国庫帰属制度 その3」 <- 経過...
今回は「土地相続国庫帰属制度その3」について見ていきましょう。
「土地相続国庫帰属制度」は、相変わらず使えなそうな法律です。
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「相続土地国庫帰属制度」: 相続や遺贈によって取得した土地を、一定の条件を満たす場合に国に引き渡すことができる制度です。この制度は、2023年4月27日から施行されています。
目的
所有者不明土地の減少:適切に管理されない土地が増えるのを防ぐため。
管理負担の軽減:遠方に住んでいるなどの理由で土地の管理が難しい場合に、所有者の負担を軽減するため。
主な要件
建物がない土地:建物がある土地は対象外です。
担保権や使用収益権が設定されていない土地。
土壌汚染がない土地。
境界が明確な土地。
手続き
申請:土地の所有者が法務大臣に対して申請を行います。
審査:法務大臣が土地の状態を審査し、承認を行います。
費用の納付:承認後、一定の費用を納付することで土地が国庫に帰属します。
この制度により、管理が難しい土地を手放すことができ、地域の安全や美観の維持にも寄与します。
とはいえ、問題点が山積み。
相続土地国庫帰属制度にはいくつかの問題点が指摘されています。以下に主な問題点を挙げます。
問題点
厳しい条件:
土地が建物付きでないこと、担保権が設定されていないこと、土壌汚染がないことなど、条件が厳しく、多くの土地が対象外となります。
例えば、勾配が30度以上の崖がある土地や、管理に過分の費用がかかる土地は対象外です。
手続きの煩雑さ:
申請には多くの書類が必要で、手続きが煩雑です。これにより、申請を躊躇する人も多いです。
費用負担:
申請には審査手数料がかかり、さらに国庫帰属が承認された場合でも、管理費用の一部を負担する必要があります。
実施状況
実際の運用状況を見ると、2024年8月末時点での申請件数は2,588件、そのうち帰属が承認されたのは782件です。多くの申請が却下または不承認となっていることがわかります。
つまり、ほどんど機能しない法律。
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