離婚#2: 「離婚の際の年金分割」 <ー 離婚後にまず問題になるのは?
今回は「離婚の際の年金分割」についてコメントをさせて頂きます。
基本、女性側で離婚後に一番困難が予想されるのは生活費です。 特に、年を取ってくると年金なども重要な要素になります。
「(離婚の際の)年金分割」: 離婚した夫婦の婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を、当事者間で分割する制度です。
具体的には、離婚時に年金分割の請求を行うと、婚姻期間中の標準報酬月額・標準賞与額の合計額を按分割合で分割し、その分割された額を各々の年金記録に加算します。これにより、年金額が分割後の按分割合に応じて増額されます。
年金分割の対象となるのは、以下の条件を満たす夫婦です。
平成19年4月1日以後に離婚等をした夫婦
婚姻期間中に厚生年金の保険料を納付していた夫婦
年金分割の割合は、夫婦の合意によって自由に決めることができます。ただし、割合は100分の1以上、100分の99以下とする必要があります。また、割合は100分の1単位で決定します。
年金分割の請求は、離婚の日から2年以内に行う必要があります。請求は、年金事務所または街角の年金相談センターに「標準報酬改定請求書(離婚時の年金分割の請求書)」を提出することで行います。
年金分割のメリットは、離婚によって夫婦の収入が減少した場合でも、年金額を増額することで、老後の生活を安定させることができる点です。また、年金分割は夫婦の合意によって行うことができるため、離婚後の財産分与の際に、年金分割を調整材料として活用することもできます。
ただし、年金分割にはデメリットもあります。年金分割を行うと、分割された側の年金額は減少します。また、年金分割の割合は、夫婦の合意によって決められるため、不公平感を感じることもあるでしょう。
離婚を検討している場合は、年金分割のメリットとデメリットを十分に理解した上で、判断することが大切です。