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用語集: 「逸失利益」 <- 交通事故や病気など、様々なケースで発生する可能性
今回は「逸失利益」について見ていきましょう。
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逸失利益とは?
「逸失利益(いっしつりえき)」: ある事象(事故、病気など)によって、本来得られたはずの利益が得られなかったために生じる損害のことを指します。簡単に言うと、「得られたはずのお金が得られなかった」という損害です。
例:
交通事故: 事故により働けなくなり、その間に得られたはずの給料が逸失利益となります。
病気: 病気により仕事を休まなければならず、その間得られなかった収入が逸失利益となります。
事業の失敗: 事業の失敗により、将来得られたはずの利益が逸失利益となります。
逸失利益が発生するケース
逸失利益が発生するケースは様々ですが、代表的なものとして以下のものが挙げられます。
人的損害: 交通事故、労働災害、病気などによって、労働能力が喪失したり、低下したりした場合に発生します。
物的損害: 火災、水害などによって、財産が損壊したり、滅失したりした場合に発生します。
事業の損害: 事業の失敗、契約の解除などによって、将来得られたはずの利益が失われた場合に発生します。
逸失利益の計算方法
逸失利益の計算方法は、ケースによって異なりますが、一般的には以下の要素を考慮して算出されます。
基礎収入: 事故前や病気前の収入
労働能力喪失率: 事故や病気によってどの程度労働能力が低下したか
労働能力喪失期間: 労働能力が喪失した期間
ライプニッツ係数: 将来の収入を現在価値に換算するための係数
逸失利益の計算式の一例:
逸失利益 = 基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間 × ライプニッツ係数
逸失利益と慰謝料の違い
逸失利益は、具体的な経済的な損害を指すのに対し、慰謝料は精神的な苦痛に対する賠償金です。交通事故の場合、怪我による痛みや苦しみ、将来への不安などに対する慰謝料と、働けなくなったことによる逸失利益の両方を請求することができます。
逸失利益に関する注意点
証明の難しさ: 逸失利益は、将来得られたはずの利益であるため、具体的な金額を証明することが難しい場合があります。
専門家の相談: 逸失利益の請求は複雑な手続きを伴うため、弁護士などの専門家に相談することがおすすめです。
まとめ
逸失利益は、ある事象によって本来得られたはずの利益が得られなかったために生じる損害です。交通事故や病気など、様々なケースで発生する可能性があります。逸失利益の請求は専門的な知識が必要となるため、弁護士などの専門家に相談することが重要です。