【ケアまち座談会Vol.2】「暮らしを面白くする「道具」づくり」開催レポート
2020年6月16日、21:00〜22:30 「ケアまち座談会 vol.2 暮らしを面白くする「道具」づくり」を開催しました!今回は29名の方がご参加くださいました。
※初回開催、「ケアまち座談会 vol.0 なぜ「ケアとまちづくり」は必要なのか」は下記からアーカイブ動画をご覧頂けます。
当日のプログラム
21:00 イントロダクション:守本
21:10 チェックイン(登壇者紹介)
21:15 登壇者ピッチ:古津三紗子・ team TENT.
21:30 ダイアローグセッション:古津三紗子・ team TENT. ・守本陽一
22:00 ブレイクアウトルーム
22:10 質疑応答
22:20 雑談会
登壇者
古津三紗子(株Community Care(看護師/コミュニティナース)、日本笑い学会島根支部 広報部長)
日本笑い学会という「笑い」を追求する学会の島根支部広報部長!
team TENT.(小堀祥仁・吉田遼太・宇田川孝浩)
「ものづくりを通して、クリエイティブな人と場所を育てる」というテーマで活動している建築家ユニット。
フィシリテーター
守本陽一(総合診療専攻医、YATAI CAFE店長、ケアまち会議)
「ケアとまちづくり、ときどきアート」という本を出します!
登壇者ピッチ
「コロナ川柳のお話」古津三紗子
島根県でコミュニティナースとして、「人とつながり、まちを元気にする」活動をおこなっています。訪問看護は病気や障害になっている人の対するケアですが、コミュニティナースの活動は、地域に暮らしている健康な人が対象です。
取り組み事例紹介
地域おせっかい会議
住民さんの声やアイデアを拾い、一人一人の強みを活かして、チームの力で街を元気にする活動です。地域住民さんの困りごとをみんなで共有して、アクションまで起こしています。
大喜利イベント
「楽しい」を軸に、人と人との繋がりを生む活動です。「笑い」を軸に、興味を引くような内容から関わり、健康の優先度が低くなりがちな地域の住民の方々に対して、健康情報を届けています。
落語披露
笑うことも、笑ってもらうことも健康に良いんだな、と実感します。この取り組みを通して、地域の住民のかた一人一人も笑いの要素を持っていることに気づきました。住民さんの笑いの要素を発揮することで、より地域が明るく前向きになるのでは、と考えています。
コロナ川柳について
上記活動をする中で、もっと、その人の笑いを引出したいと考えました。
シルバー川柳にヒントを得て、まちの保健室などで、「自虐川柳」の企画を始めたところ、予想以上に多くの川柳が集まり、活動を続けていました。
コロナ禍において、感染を避けるだけでは前向きに乗り切れないのでは、と考え、Facebookでコロナ川柳グループを作ってみました。現在は1200人以上が参加するグループとなっています。
生活様式が変わり制限がかかっていますが、そんな状況の中でも、暮らしを前向きに生きるためには、笑いが必要だと感じており、コロナ川柳の活動を続けていきたいと思っています。
「#私の2メートル・#私の新しい生活様式」teamTENT.
teamTENT.はものづくりから、人と場所を育てる建築家ユニットです。
#私の2メートル
飛沫感染を防ぐために2メートルを開けるよう決まっているが、実際に2メートルってどれくらいでしょうか?
「#私の2メートル」は、身の回りのあるものを使って、2メートルを表現することで、新たな気づきや、楽しみを発見できることを目的とし、始めました。
Facebookを利用したオンラインイベントとし、テーマに合わせて写真とタイトルを参加者に投稿していただき、意見交換をしました。
畳、傘、娘2人分などなど、様々な「私の2メートル」が集まりました。
参加者の反応は、「コロナ禍で楽しさを発見する機会になった」「思考が切り替わるきっかけになった」「家族と写真をとるきっかけになった」などがありました。
制約のある生活の中で生まれる、小さな変化や工夫(暮らしの知恵)をシェアする「#私の新しい生活様式」。今後もしばらく続きそうな、制限のある生活の中でも、変化を楽しみながら豊かな時間を過ごせるのではないか、と思い企画しました。
参加者からは、「#新し生活様式」に参加することで、「コロナで影響がある人ない人など、それぞれの今の生活様式を共有できた」「知らない人の趣味を偶然に見る機会になった」などの反響がありました。
2つのイベントを通して、「身のまわりにあるもの」の再発見や、制約による変化を活かして、ポジティブかつクリエイティブなライフスタイルを送ることなど、コロナ禍における皆の取り組みが、可視化され、共有されたことで、参加者の気づきとなりました。
ダイアローグセッション
「これからコロナ禍での暮らしを再構築するためのキーワードは?」をテーマに対話しました。まずは登壇者も川柳を詠んでみました。
「場も人も 違いを許す ゆとりかな」(teamTENT.)
「マスクして 出演すれば 皆女優」(古津)
「コロナ禍で 距離を取るべく 浮き輪つけ」(守本)
また、イベント内で募集したコロナ川柳の中で、特に印象的だった川柳を、登壇者ごとにピックアップ頂きましたので、ご紹介します
登壇者の選ぶベスト川柳
古津賞
「オンライン 部屋の背景 見栄を張る」
「制限で アイデアユーモア 増える知恵」
「文字ならば 実は語るぞ 島根人」
teamTENT.宇田川賞
「コロナ禍で 地域の力量 5倍増し!」
teamTENT.小堀賞
「制限で アイディア ユーモア 増える知恵」
teamTENT.吉田賞
「吉田さん ニューヨークから 中継か」
ダイアローグセッション中の各登壇者のコメント
制限がかかるからこそ、なんとか工夫して面白くしようと知恵が働く。(古津)
ルールがあるからこそクリエイティブが生まれると考えている。(teamTENT.吉田)
「#私のなりたい専門家」について。前回の試みで、Facebookグループに投稿したものに対して、アクションに繋がるコメントが増える傾向があったり、分野的にも様々だったので、「私はこういう風になりたい!」ということを開示したら、アドバイスが集まるのではないか、という仮説をたて、企画している(teamTENT.小堀)
ケア領域における面白い企画の考え方はありますか?(守本)
コミュニティーナース研修で、自分の持っている強みを出し、地域を盛り上げることを学んだ。それがきっかけとなり、アイデアを思いついたらすぐ行動に移すよう変わってきた。失敗したらネタにするくらいの勢いでやってます!(古津)
今回の企画も含めて、3つの要素の組み合わせを考えている。1つ目は社会背景。2つ目は自分たちの専門性。3つ目は組み合わせ。1つの要素だけでなく、いろんな要素を組み合わせることで面白くする。なるべくシンプルにすることを大切にしています。(teamTENT.小堀)
制限があるからこそ自己表現が生まれる場面があると感じた。制限があるからこそ表現できる、という自由を手に入れることができるような気がします。(teamTENT.宇田川)
制限があるからこそ、自分たちで楽しまなければ、という工夫が生まれてくるのではないか(古津)
自分の好きなことをやることが一番。相手にも自分の好き度が伝わるし、自分もやっていて楽しいから(古津)
小さく初めて、長く続けることを大事にしている。打ち上げ花火的にやるより、数珠つなぎ的にやることでより、自分たちにフィードバックがあると考えている。(teamTENT.小堀)
学校とか会社など、止まるはずのない社会が止まって、「手触りのある日常」の解像度が上がった気がしました。(teamTENT.宇田川)
江戸時代260年以上あり、その期間に文化が熟成された。川柳以外にも、浮世絵、茶湯など、伝統芸能が発展した時代。次のヒントは江戸時代にあると考えている(古津)
ブレイクアウトルーム
「あなたの考えるコロナ禍での“暮らしを面白くする道具”は?」をテーマに、少人数グループで話し合いました!
・定時帰宅でレシピが増えた
・畑を借りて農業を始めた。子供がいても、ストレスはなかった
・オンラインで何かに参加することが増えたり、昔の友達と話すことができた
・Zoomが普及したことで、今までWEBに馴染みのなかった層も利用する機会が増えた
・公園を利用する機会が増えた
などなど、多数の意見が出てきました。
質疑応答
Q:どうやったら笑いが取れるか?
A:教科書など本にはあまり載っていないので難しい。
Q:笑い学会と笑い療養士は違う?
A:笑い療法士は受講して取る資格。笑い学会は、誰でも参加できる笑いを追求する学会です。
テレビを付けるとコロナの話題、制限されることばかりでうんざりする事も多い中、逆境を楽しく捉える方法を伝授していただきました。
この後の雑談会もたくさんの方が参加してくださいました。ありがとうございました!
今後のお知らせ
今後も様々な方と登壇者としてお招きし、座談会を行いう予定です。
開催告知、開催レポートは、下記snsで配信致します。よろしければ、フォロー頂ければと思います。
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(執筆:いしいえり、編集:小林弘典)