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メンタル不調のメカニズム=花粉症のメカニズム
以前、こちらの記事で「メランコリー親和型」という、鬱になりやすい気質について書いた。
この話は、以前介護を担当していたALS患者のかたからお聞きしたことを、ベースにしている。
このほかにも、色々と教えていただいたので、そのことを書いていこうと思う。
メンタル不調と花粉症は同じ原理
メンタル不調と花粉症とは基本的には同じ原理なのだという。
すなわち、
①体質
②量
③防衛方法
だという。
①体質
花粉に敏感な体質かどうか。
アレルギー体質だと花粉をはじめ、ハウスダストや動物や果物などへのアレルギーが出やすい。
②量
花粉を体に取り入れる量。
どんなに花粉に強い体質の人でも、一定量の花粉を体内に取り入れると花粉症になるという。
空間的な花粉の量はもちろん、時間的な量もある。
長い時間花粉に触れ続ければ、いつか許容量を超えてしまう。
③防衛方法
外出しないことや、マスクなどの対応策だ。
これら「花粉」を「ストレス」に置き換えると、メンタル不調にそのまま当てはまる。
すなわち
①ストレスに敏感な体質
②ストレスの量
③ストレスへの防衛方法
である。
①ストレスに敏感な体質
①の体質については、上記のコラムで「メランコリー親和型」として詳しく書いたのでここでは割愛する。
是非以前のコラムを読んでほしいのだが、「メランコリー親和型」というストレスに弱い気質、ストレスを溜めやすい性格だあるということだ。
②ストレスの量
②のストレスの空間的・時間的量についても、花粉と同様だ。
許容量を超えれば、誰でもメンタル不調になりうる。
どんなにストレスに強い体質の人でも、多くのストレスを溜め込めば、誰にでも起こりうるのがメンタル不調である。
ちなみに私はこれまで、自分がストレスに強いと思っていた。
ところが、建てたばかりの家が洪水に見舞われ、親との関係が難しくなり、コロナで外出もままならなくなり、仕事にも土日夜間関係なく追われるというストレスが重なり、適応障害になってしまった。
洪水では、家の片付けや修繕で、約半年はまともに仕事ができなかった。
この状態で精神が病まないのだから、自分は本当にメンタルが強いのだと思っていた…。
しかし、家の修繕が終わったら旅行にでも行って、家族でストレス発散をしようと思っていたところにコロナ禍である。
今でこそ、コロナへの恐怖は大きく緩和されたが、あのときの未知なる病気への恐怖たるや、相当に大きなものだった。
もともと洪水のストレスのダメージがあったところなので、本当に堪えた。
そのころから記憶力や判断力が危うくなっていった。
仕事では責任のある立場だったので、ほとんど判断力・決断力だけで仕事をしているようなものなのに、判断をミスることが増えてきた。
スケジュールを飛ばしたことなどなかったのに、すっぽり抜けてしまうことも何回かあった。
洪水から一年で上記のような症状が出始めるようになった。
そこからさらに症状がひどくなり、適応障害だと気づいて退職するまでさらに一年、ずいぶんと長い期間ストレスにさらされてしまった。
自分はとにかく楽観的な性格で、メンタル不調とは無縁だと思っていたのに、それでも長期間のストレスでメンタル不調に陥ってしまった。
メンタル不調は本当に誰にでも起こりうると言われていることが、骨身に染みた。
③ストレスへの防衛方法
ストレス原因を取り除くことや、防衛することが対策としてはもっとも重要だ。
休日や趣味などに没頭する時間は、防衛方法としては非常に重要である。
過剰労働で、そうしたリフレッシュの時間がなくなると危険信号だ。
日本では仕事一筋が美徳とされているので、なおさら危険でもある。
自分の場合の防衛方法は
①良い人をやめる
②仕事を変える、とにかく休む
③怒りを表出する、出かける、趣味に没頭する
などだった。
これらについては、過去のコラムにも書いてきたので割愛するが、やり方は人それぞれで良いと思う。
自分にあったやり方を試しながら見つけるとよい。
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