「仕事モテ」の人々を増やしたい。
はじめに 〜「#仕事モテ」タグに至る経緯〜
Twitter上で、「#仕事モテ」のハッシュタグを使い始めた。
目的は、「人々を仕事でモテるようにするためのノウハウをつぶやきたい(集めたい)」からである。
筆者はこれまで、転職エージェントとして万人単位での方に対して、転職のお手伝いをしてきた。それこそ、転職が出来なかった方(転職を一度諦めた方)も含めて。また、同時に管理職として、転職エージェントを育てる(部下を育てる)ことをやり続けている。
その中で見えてきた。「転職出来る人の共通点」「仕事が出来るメンバーの共通点」。自分自身が仕事を出来るようになっていく過程にも、その共通点があった。「え、転職関連に限った話?」と思われるかもしれない。そうではない。筆者は転職という局面を通じて業界や職種、年齢問わず多くのビジネスパーソンに遭遇している。そして彼らの「成功体験」や「失敗体験」を多く聞かせて頂いている(よく考えたら、転職エージェントってすごい仕事で、それらが無料で聞けるんです)。業界も職種も年齢も問わない共通点がやはりある。
それらが体系化され、知識ではなく知恵として波及し、身につけられたら、きっと仕事の生産性が上がり、より多くの方が「仕事モテ」になるのではないか?と。
それこそ、自分がこれまで培ってきたことを、世の中に還元する「恩送り」になるんじゃないか?と。
それこそ、壮大なことを言えば、この体系化した知恵を波及することで、世の中の生産性を上げる=世の中をマネジメントする、ということになるんじゃないか?と(言い過ぎ)。
ということで、仕事モテ、という概念と共に、軽い気持ちで、でも真剣に、チャレンジしてみようというのがこの取組みである。
そもそも、「仕事モテ」とは?
仕事モテとは、読んで字のごとく「仕事でモテる」ことである。
これは、「仕事が出来て異性にモテる」という意味ではない(結果的にそうなるかもしれないが)。
平たく言うと、仕事モテとは、「社内で新しい仕事が振ってくる/お客様から頼まれる/社外で声を掛けられる/昇格する/望む異動が出来る」のようなことである。
小さな単位で言えば、「あの人に仕事を頼みたい」と思われる人は、「仕事モテの人」である。少し広げて、認められ昇格する人も「仕事モテの人」である。狭義のエンプロイアビリティ(雇用獲得力)のある人も、「仕事モテの人」である。
そういう人は、キャリアチャンスに恵まれるし、結果的にお金もついてくる。
仕事モテを構成する要素とは?
結論から言えば、「仕事獲得力」と「価値提供力」の二つだと考えている。
仕事獲得力とは読んで字のごとく「仕事をゲットする力」である。それは求職活動という意味だけではない。社内のキャリアチャンスという意味も含まれている。それだけでなく、「この人にこの仕事振りたい」と思わせる力まで含まれている。「なんだ、要するにアピール力のことか」と思われるかもしれない。そうである。アピール力とも言える。ただし、「仕事獲得のためのアピール」は、それ独特のものがあるように感じる。
価値提供力とは、「得られた仕事を通じて、『価値』を納品する力」のことである。価値とはその局面に応じて異なるが、何かを売る営業であればお客様の求める期待に応えることだし、社内であっても発注された仕事に対しての納期や品質を担保して応えることとも言える。
この仕事獲得力と価値提供力は、以下のような関係性にある。
※ここでいう「発注」の主体者は、社外(顧客)だけでなく、社内(上司でも先輩でも他のカウンターパートでも)も含まれる。
読んで図のごとくだが、少し解説する。まだ何の実績もない(つまり、「まだ価値を提供したことがない」)場合は、仕事獲得力が発注されるかどうかの決め手になる。発注された仕事を通じて、自分は価値を提供する。その価値がちゃんと提供出来れば、次また同じ仕事を頼みたいと思われるのである。更に、その価値提供が一定期間続き、発注者の期待が高まってきた際に、「更なる仕事」が振られてくる。そうやってその人は「仕事モテ」になっていく。付き合いが長くなればなるほど、「価値提供力」が仕事発注の決め手になっていく。それを端的に表したのが上記の図である。
ちなみに、これは更に時間軸を長く取れば、「キャリア形成」も同様であることが分かる。
採用されたり、部署異動される当初は「仕事獲得力」が重要な要素を占める(当然、それまでの「実績=価値提供力の積み重ね」はあるが、それをちゃんと雇用する側に伝えられている、という意味では仕事獲得力が高い)。それが継続的に雇用されていくにあたり、そのポジションに期待される価値を提供し続けること・その力が重要性が高まるのである。また、そのポジションで昇格をするにあたっては、一定の期間当該ポジションでの価値を提供し続けていることで、認められて昇格、という風になる。
どちらのパターンにおいても、「仕事獲得力」も「価値提供力」も、時間軸の流れの中で重要性の重みが変わっていくことは間違いない。しかし、どの時間軸の局面をとっても、どちらともゼロになるということはない。
では仕事獲得力と価値提供力、それぞれ具体的にはどんな力なのか、については別項でまとめたい。