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【株式会社400F CDO 山下あか理】CDOに聞くデザイン論「お金のサービスを作ることは、ひとりひとりの人生に向き合うこと」

株式会社400FのCxO紹介インタビュー。
今回紹介するのは、400FのCDO(最高デザイン責任者)としてデザイン部を統括する山下あか理さんです。山下さんは400Fの立ち上げに関わった後、フリーランスを経て2022年に再入社しました。再入社の経緯からデザイン部の業務内容、求めている人物像まで聞いていきます。

■山下あか理さんプロフィール
2008年4月:慶應義塾大学卒業後、株式会社サイブリッジ入社
2011年1月:株式会社サイバーエージェントアメリカ(CyberAgent America, Inc.)入社
2013年9月:フリーランスとして様々なサービスの開発運営に携わる
2017年6月:株式会社お金のデザイン入社。当時子会社だった株式会社400F(以下、400F)の立ち上げに参画
2019年:デザイナーズギルドBasecampに参画、400F社の仕事を請負いつつ、デザイン組織立ち上げ支援、ワークショップ支援等を行う
2022年6月:400Fに再入社
2024年7月:CDOに就任し、以降現職

フリーランスと出産を経て、400Fに再入社した理由

ー山下さんは400Fの立ち上げに関わった後、フリーランスを経て400Fに再入社されたそうですね。
そうです。ただ、私自身は再入社という感覚がないんです。
他にもやりたい仕事があり一度退社してフリーランスになりましたが、その期間も400Fの仕事は業務委託という形で継続していました。

ー退社しても良い関係が続いていたのですね。では、フリーランスから社員として再入社したきっかけは?
子どもを2人出産したことで、子育てしながら複数社の仕事をこなすフリーランスの働き方は難しいなと思ったんです。改めて仕事を1本に絞ろうと思い、創業期からずっと関わっている400Fに戻ってきました。

元々不満があって退職したわけではありませんし、オカネコ(当初は「お金の健康診断」)は立ち上げから関わっている我が子のような存在です。子育てと同じで、オカネコが多くの人の役に立つサービスに成長するまでしっかり見届けたいという思いがありました。

ー400Fは再入社のメンバーが他にもいるそうですね。戻りやすい環境があるのでしょうか
そうですね。当社には私を含め再入社のメンバーが複数いますし、他にもさまざまなバックグラウンドを持つ人が在籍しています。人の異動について詮索する人はいないし、再入社しても「久しぶり!」とか「また一緒に仕事できてうれしいね」と話すくらいです。

ー創業時は数名だった組織が今では100名程度の組織に成長しました。再入社して、どのような変化を感じましたか
お金のデザインからスピンアウトした当時のメンバーは4名程度で、ほとんどがIT業界出身でした。今では金融業界出身者も増え、多様な専門性を持つ人が在籍する組織になっています。金融サービス仲介業の登録も完了し、組織として幅広い金融サービスを作るための基盤ができたように思います。
一方で、様々な人が混ざり合いながらも、当社のバリューに対して「組織をどのように作り上げていくか」を全員が真剣に考えていると感じます。ただ組織が拡大しただけではなく、メンバーやバリューに対する意識も含めて良い組織になっていると思います。

デザイン部の役割は、各部署のデザイン行為を最大化すること

ー会社における、デザイン部全体の役割を教えてください
デザイン部門は、時として「LPやバナー、ロゴを制作する部署」のような、社内受託的な立ち位置になってしまうケースがあります。でも本当はデザイン行為はあらゆる部署で行われていることだと考えています。
金融オンライン・アドバイザーがユーザーに返信する内容を考えることも、このインタビュー記事を作ることも、プロダクトの改善に繋がるものはすべて「デザイン行為」であるといえるのではないでしょうか。
こうした「各部署で発生するデザイン行為を、“実際のアプリケーションを作る”という専門性を持ってエンハンスすること。」私はデザイン部の役割をこう定義しています。

ーとなると、業務範囲はかなり広くなりますね
そうですね。広報からプレスリリースの内容について相談されることもあれば、マーケティング部から集客時のバナーデザインについて相談されることもあります。各部署がやりたいことをどう最大化していくかを考える部署とも言えます。

ーCDOとしてはどのような業務があるのでしょう
毎日のように各部署で「あれがやりたい」「この施策を試してみたい」という意見が出てきます。そういったものを統合し、一貫性のある体験につなげていくことがCDOの役割であると考えています。種々の相談に適切に答えるためには会社全体のプロダクトや各部署の業務を把握する必要があり、日々勉強だなと感じます。

ーメンバーとの関わりやマネジメントはどうしているのでしょう?
デザイン部のメンバーは皆さん優秀で、立場に関係無く純粋に尊敬できる人ばかりです。
だから、メンバーを管理するような業務はほとんど必要ありません。
どちらかといえば、メンバーの能力やモチベーションを最大効率化する方法を考え、良い環境を用意することが私の役割です。

メンバーひとりひとりの人生やデザイナーとしての目標が、必ずしも会社の業務目標とシンクロするとは限らないですよね。それでも、同一線上で何か絡めるところはないか、少しでも個々の目標に寄与できることはないか。ひとりひとりの業務に取り組む意味をどう見出していくかということをを常に考えています。

ーいろんな相談があり、タスクがある中で、意思決定の優先順位は?
私個人の優先順位と会社の優先順位がありますが、共通しているのは「プロダクトの成長に寄与しているかどうか」です。

ただ、成長に寄与するかどうかを見極めることが一番難しい。短期的な目線と長期的な目線を合わせながら、日々プロダクトマネージャーと話し合っています。逆にいえば、それくらい裁量を持たせていただいているので、やりがいはあります。

金融業界はデザイナーから敬遠されがち。でも、この仕事で向き合うのはお金ではなく個々の人生

ー現在、デザイン部の課題はありますか?
金融業界は一般の業界より法規制が厳しく、デザイン上の制約が多い方だと思います。
加えて、当社は金融サービス仲介業で証券・保険など幅広い商品を扱っています。そのため、入社後は業界動向への理解や商品に対する興味・関心がある程度必要になってきます。

こうした側面があるので、金融サービスはデザイナーから「面倒くさそう」「難しそう」と敬遠されがちという採用課題があります。

たしかに法規制は厳しいし、覚えることは多いと思います。でも、だからこそ面白いし、やりがいがあるんですよ。IT化については発展途上の業界だし、デザイン面でできることはまだまだある。前向きな気持ちで仕事に取り組める環境があるので、この仕事の魅力をもっと伝えていきたいですね。

ー実際に金融業界に苦手意識を持つメンバーがいたら、どう声をかけますか?
「オカネコでお金の相談をしてみてほしい」と言います。
カードローンの借金を早く返済したいとか、子どもの教育費を考えたいとか。何でもいいので、お金に関する自分の悩みや希望を起点にサービスを使ってもらいます。自分事化することで、少しずつ興味・関心の輪を広げてもらえればいいと思っています。

ーただ勉強するより、自分の悩みを起点にする方法は取り組みやすそうですね
私はデザイナーやユーザーに金融知識を得たり、お金を稼ぐ方法を知ってほしいわけではありません。専門的な知識を持つことはアドバイザーの役割ですから。そもそも、お金って個々の生き方を実現するための手段でしかないし、人生の目的にはなりえない。

だから、デザイナーにもユーザーにも「自分の人生をより楽しくするためにお金をどう使うべきか」を考えることに時間を使ってほしいんです。自分の人生について考える中で、オカネコがお金に関する重要な決断を後押しできるサービスになればいい。
そういう思いでやっているので、当社に来るクリエイターさんにも「まず自分の人生を基準に考えて」と伝えたいですね。

ー山下さんは今、1歳と3歳のお子さんがいらっしゃるそうですね。仕事と子育てをどう両立しているのでしょう?
両立できていると言えるのか……。毎日ギリギリでやっている状況です(笑)
それでもなんとか働けているのは、400Fが育児中の社員に対する理解が深い会社だから。代表の中村も2人の子どもがいて積極的に育児に関わっていますし、周囲のメンバーも理解してくれています。いろんな人に支えられて、どうにかやっている状況ですね。

また、デザイン部は原則フルリモートかつ裁量労働制なので、柔軟な働き方がしやすくなっています。たとえば平日の日中に数時間だけ中抜けして、子どもの行事に行ってくる。行事が終わったら仕事を再開、という働き方が可能です。

ーメンバー全員がフルリモートで、どのようにコミュニケーションを取っていますか?
社内Slackでやり取りするオンラインコミュニケーションが基本なので、デザイン部の行動指針やコミュニケーションルールは明確に定義しています。また、週初に部会をして、その後各メンバーと私が1on1を行うルーティンがあるので、フルリモートでもコミュニケーションは取りやすいかなと思います。

コミュニケーションルールにおいて、特に大切にしているのは「オープンなやり取り」と「ナレッジを蓄積して組織で共有する」ことです。他にも行動指針はありますが、基本的にはこの2つを守ってもらいつつ、各自が働きやすいような環境を作っていきたいと思っています。

ー求める人物像はありますか?
仕事でもプライベートでもいいので、何かしら情熱を注げる対象を持っている人でしょうか。情熱って因数分解していくと、人生のどこかで自己発見に繋がったり、デザインに活かせたり、色々な可能性があると思います。
情熱や愛がある人は強いし、楽しく仕事できるんじゃないかなと思っています。

ー最後に、この記事を読む「将来の400Fメンバー」に向けて、メッセージをお願いします
お金の使い方には、その人の価値観や生き方が強く表れます。

だからお金のサービスを作る仕事って、究極的にはひとりひとりの人生に向き合う仕事でもあります。面白いし、やりがいもある。金融業は難しいと思われがちですが、実際はひとりひとりの人生に向き合える面白さがあるので、興味がある人はぜひ面談に来てみてください。

現状はメンバーが足りず、常に「助けてください」状態です。
私1人では何もできないので、ぜひ力を貸してください!


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