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【株式会社400F CFO鵜月健太郎】20人規模のスタートアップが3回の資金調達を経て100人規模に。CFOが語る、組織作りの要諦とは

株式会社400FのCxO紹介インタビュー。
今回紹介するのは、コーポレート本部で財務企画部から経理部、法務・コンプライアンス部、人事・総務部まで統括するCFOの鵜月さん。複数の投資銀行を経て株式会社400Fに参画した経緯から入社後の感想、現在の事業内容や今後の展望まで聞いてきました。

鵜月健太郎さんプロフィール
株式会社400F CFO
College of William & Mary、慶應義塾大学大学院卒業
2014年:大和証券に入社。一貫してIPO業務を担当し、複数社の東証一部、東証マザーズへの上場を実現
複数の米系投資銀行にてクロスボーダーM&Aやキャピタルマーケッツ関連業務に従事
2021年11月:株式会社400Fのリード投資家より紹介を受け入社。以降現職

入社時は20人規模のスタートアップ。
それでも「この会社はうまくいくだろう」という自信があった

ーIPO業務の経験に加えて、個人でスタートアップのファイナンス支援をすることもあったそうですね。元々、スタートアップに関心があったのでしょうか?
実は、当初はそこまで関心がありませんでした。ただ、IPO業務の経験があるとスタートアップと関わる機会が多く、次第に関心を持つようになりました。投資銀行出身者がスタートアップに行く例が続出していた、という当時の環境も後押しになりました。

ーとはいえ、投資銀行からスタートアップへの入社には不安もあるのでは。400Fに参画した1番の決め手は何でしょう?
スタートアップへの関心や期待、キャリア形成におけるチャレンジなど、複合的な理由があるので決め手というと難しいですが、なぜか「この会社はうまくいくだろう」という根拠のない自信があり、不安はありませんでした。元来楽観的な性格なのもありますし、スタートアップである以上、自分で選んだ道を正解にする必要があると考えたためです。

ー不安よりも、むしろご自身の判断に自信があったと 
はい。代表・中村の存在も大きかったかもしれません。
中村は野村證券の営業出身。営業出身の人間はモノを売ることができます。また、中村は社長業が初めてではなく、前職のお金のデザインでも社長業を経験しています。資本政策に関する理解もあるだろうし、過去に組織で苦労した経験も聞いていたので、今後の企業成長においてプラスになると思いました。

ー仕事における失敗や挫折経験の有無は、採用でも重視していますか
真面目に仕事に取り組んでいる人であれば、失敗や挫折は付きものだと思います。挫折や失敗のスケールが大きい人は、それだけ大きな仕事を任されてきたということですし、チャレンジ精神を持っているともいえます。なので、失敗や挫折、そこまで至らなくてもちょっとしたしくじりを無理に隠し立てする必要はないし、面接でも素直に話してほしいと思っています。

ーその後、実際にスタートアップに入社した感想は?
想定以上に自分の成長余地があることに気づきました。

正直に言うと、入社時点は20人程度の組織だったので「今の実力でいけるだろう」という気持ちがどこかにありました。ところが、実際に入社すると資本政策も含めてハードな交渉が続き、思うようにいかない局面も多々ありました。それを一つ一つ乗り越えてきたことで、想定以上に成長できたのは良い意味でのギャップです。

ここ数年で一気に組織が拡大し、今や100人規模。ある程度大きな組織の事業計画を作ることで、視座も上がったように思います。

金融業でありながら個人に厳しいノルマがない理由

ーCFOとしての業務内容を教えてください
CFOの使命は、一にも二にも企業価値の向上です。主な担務は資金調達を含む財務計画や事業計画の策定、それにIPO準備ですが、企業価値を上げるためにできることは事業以外すべて行っています。そのため、コーポレート本部の業務(財務・経理、法務・コンプライアンス、人事・総務)すべてを管掌しています。

ー入社以降、400Fでは3回の資金調達を実行されています。資金調達を成功に導くための要領はありますか?
資金調達は試行錯誤の連続です。その中で、投資家にどう成長性を見せるのか、何を訴求材料にするのかといった、テクニカルな要素を挙げれば切りがありません。ただ、結局は「諦めない」というマインドに尽きると思います。

特に3回目の資金調達はかなり苦しく、期間だけでいっても半年以上かかりました。終盤は残りの資金があとどれだけ持つだろうという極限状態でしたが、CFOが不安を表に出すわけにはいきません。表面的にはいつもどおり振る舞いつつ、絶対に踏みとどまるんだという覚悟を持って過ごしていたので、最後は精神力だなと実感しました。

ー事業計画の策定についても聞かせてください。400Fは金融業ながら、個人の数値目標に厳しいノルマがないそうですね。その理由は?
個人は行動KPIに対するノルマを持つべきで、結果に対するノルマを持つべきではないからです。

当社の事業計画では、目標を分解し、達成に必要な行動KPIに落とし込んだうえで実現可能な数値目標を設定しています。たとえば金融商品の成約数という数値目標が達成できないときは、未達という結果を責めるのではなく、行動KPIである面談数などの達成状況を確認します。

行動KPIを達成したうえで数値目標が未達だった場合は、事業に構造的な問題があるか、そもそもの目標設定が悪いのかのどちらかです。構造的な問題は事業責任者の、目標設定は策定した私の責任ですから、営業員個人を責めることはありません。

ー行動KPIをすべて分解して事業計画に落とし込むのは大変そうですね
資金調達の際、投資家から「今まで見た中で1番複雑なスタートアップの事業計画」と言われたことがあります。当社はtoCでもtoBでも事業を展開しているし、当然ながら広告宣伝費や人件費などのコストも連動する形で作っているので、複合的だとは思います。

ー400Fはマス層をターゲットにしているため、富裕層や高い手数料の商品に頼ることは難しいかと。今後、どのように収益向上を目指していくのでしょう?
たしかに、マス層は富裕層と比較すると成約単価が低い傾向にあります。ただ、成約単価が低くても、その分成約件数(量)があればエコノミクスは成り立つもの。チャットやAIなどテクノロジーを活用して業務を自動化していけば、コストをかけずに成約数を増やせます。

また、顧客の課題解決になり得るソリューションであれば、金融商品に限らず取り扱いますし、高単価商材を扱うことを避けているわけでもありません。コストの共通化も含め、できることはすべて行い、収益性向上を目指していきます。

「自分より優秀な人に来てもらう」ため、安心して働ける環境を用意することもCFOの役割

ー個人的に感じている課題はありますか?
個人的な課題は山積しています。

当社はIPOを目指していますが、上場はあくまで通過点。今後は海外市場進出も見据えて、海外投資家からの評価・資金調達も必要と考えていますし、経営経験のない私が急成長する組織をCFOとして舵取りするために何をすべきかは常に自問しています。

ー課題解決のためにしていることがあれば教えてください
基本的に私1人でできることには限界があります。そのため、優秀な人材を集めて良いチームを作ること、チームがうまく機能するよう、適切なコミュニケーションを取ることは必須要件です。

実際、今いるメンバーは優秀です。キャリアもスキルも申し分ない人材を集めたことは、当社に入社して1番自慢できることかもしれません。

ー良いチームを作るため、心がけていることはありますか?
相手をプロとして扱い、プライドを持つ領域に関しては信じて任せることだと思っています。また、自分より優秀な人を採用しようとするマインドセットも不可欠ですね。

採用側の人間には、相手を自分の意のままに扱いたい、上に立ちたいという潜在的な欲求が出てしまうもの。でも、仕事をスムーズに進めるためには、自分が大して優秀ではないという認識を持ったうえで、「自分より優秀な人に助けてもらう」姿勢が必要だと考えています。

一方で、彼らが安心して働ける環境を組織として整備し、企業成長を支援することは私の役割です。そういう役割分担は明確にしていますね。

ーリモートも多い中、コミュニケーションをどう工夫しているのでしょう
コーポレート本部のメンバーは出社する機会が多いので、出社時にはできる限り顔を合わせ、雑談する機会を設けています。よくウザ絡みをしていますが、本当にウザいと思われているかもしれません(笑)。

一方で、無駄な会議は行いません。チーム全体に余分なコミュニケーションを強いずとも報告・連絡・相談を行いやすい環境があれば十分だと思っています。

ー最後に、400Fへの入社を検討している方にメッセージをお願いします
当社は現在、いわゆるミドルステージに該当するのだと思いますが、今後はIPOを目指し、またそこを通過点として200人、500人、1,000人規模の組織になることを視野に入れています。そのためには持続的な成長だけではなく、非連続な成長も求められます。今後は、次々に新規事業も出てくるでしょう。

そうした刺激的な環境を楽しみながら、ご自身のスキルを企業成長に活かしたい方、プロとして専門性を発揮したい方がいれば、ぜひ当社にお越しください。

当社には、大企業や業界特有の慣習に辟易し、キャリアの展望を描き直したいと考えた方も多く入社しています。意欲はあるのに組織的な要因で行き詰まっている人ほど、活躍の機会が得られるはずです。特にIR、M&A、経営企画の採用は強化していきたい部分です。興味のある方は、ぜひ気軽にお話しにきてください。


一緒に働いてみたい!と思ってくださった方は
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