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【株式会社400F CGO林和樹】前職は代表取締役のCGOが400Fで実現したい「青臭いこと」とは

株式会社400FのCxO紹介インタビュー。
今回紹介するのは、CGOであり、オカネコ本部の本部長として、マーケティング戦略や金融オンライン・アドバイザー事業の管理を担う林さんです。
株式会社400Fに入社した経緯から入社後の感想、現在の事業内容や今後の展望まで聞いてきました。

林和樹さんプロフィール
株式会社400F オカネコ本部 CGO
・2007年:京都大学経済学部を卒業後、トヨタファイナンシャルサービス証券(現・東海東京証券)に入社。主に、投資信託や変額個人年金保険に関する業務に従事する。
・2012年:株式会社エイチームに入社。翌年に金融メディア事業を立ち上げ。最盛期には売上高72億円の事業に育てる。
・2019年:株式会社エイチームフィナジーを設立し、代表取締役社長に就任。
・2022年5月:株式会社400Fに入社。以降現職。


代表取締役はキャリアの通過点
40歳以降を見据え、可能性を感じた400Fに転職

ー上場企業の子会社で代表取締役を務めていた方が、なぜ株式会社400F(以下、400F)に転職を?
代表取締役といっても、所詮はグループ子会社の代表です。自分でゼロから起業したわけではないので、代表取締役はキャリアの到達点ではなく通過点という認識でした。だから35歳で代表取締役になった後も、40歳以降のキャリアについてはずっと考えていました。

そんなとき、400Fの代表・中村を紹介されました。IPOを目指す金融スタートアップという点が「これまでの経験を活かして次のステップに進みたい」という私の意向に合致し、転職を決めました。

ーとはいえ、林さんなら引く手数多だと思います。最終的に400Fを選んだ決め手はありますか?
決め手というと難しいのですが、400Fに魅力を感じた点はいくつかあります。

1つめは、自社プロダクトがあること。前職は自社で運用するメディアに企業のアフィリエイト広告を掲載して収益を得るビジネスモデルでしたが、400Fには「オカネコ」というプラットフォームがある。集客の先に自社プロダクトがあるのは魅力的だなと思いました。

2つめは、既存の金融業界とは異なる集客・相談の仕組みを目指していること。これだけDXが進んでいるのに、金融業界ではいまだに訪問やテレアポによる集客・営業がメインです。こうした労働集約型ビジネスは非効率だし、営業側にも負担がかかるので、個人的には減らしたほうがいいと思っています。

その点、400Fは集客と営業を完全オンラインにしていて、相談の一部はチャットやAIを活用して効率化しています。デジタルの力で金融業界を変えられる可能性を感じました。

3つめは、当社の中村が「金融サービス仲介業」にいち早く注目し、400Fが第一号業者になっていた点です。

ー「金融サービス仲介業」とは?
わかりやすく言うと、銀行・証券・保険の各金融サービスを1つのライセンスで提供できるようにする業態です。

従来の金融商品仲介業では、保険は保険業法、証券は金融商品取引法、銀行は銀行法に則り、業態ごとのライセンスを取って販売する必要があります。だから、所属業界の法律規制に従った商品しか案内できず、ユーザーにワンストップでさまざまな金融商品を提案することができません。こうした金融業界の縦割り社会を変えるための法律が、金融サービス仲介業創設を目的とした金融サービス提供法です。

現時点で同法はまだ普及しているとはいえず課題はありますが、縦割り社会をなくすべきだという思いには、当時も今も共感しています。

スピーディに仕事ができる環境を作るのは、
意思決定者の年齢とデジタル経験

ーその後、入社されて2年ほどたちます。入社後に感じたギャップも含めて、仕事環境についての率直な感想を教えてください
入社前にいろいろ話を聞いていたので、ギャップや驚きは特にありませんでした。

現在はフルリモートで仕事をしていますが、月に数回は出社しています。また、全国各地にいるフルリモート勤務のメンバーとは、年に2回行われる合宿で顔を合わせています。オンラインでの打ち合わせは事前に作成したドキュメントを元に話を進めているので、打ち合わせに不都合が生じることはありません。

リモート対策が徹底していることや代表の意思決定が早いこともあり、快適に仕事ができています。

ー金融業界は旧態依然とした組織が多いと聞きます。一方で、400Fのような金融スタートアップはまた雰囲気が違いますか?
会社の規模や業界というより、意思決定者のデジタル経験と年齢が違うからではないでしょうか。

たとえば、当社の代表である中村は40代前半。20代の頃からデジタルを活用して仕事をしてきた世代です。一方で、大企業だと会社における意思決定者の年齢は60歳前後が多く、この人たちは直にデジタルを活用して仕事をしてきた経験が少ない。この違いが意思決定のスピードを含め、組織の雰囲気に大きな影響を与えていると思います。

ーなるほど。では、フルリモートでかつスピード感もある環境で、デメリットや不都合を感じたことはないですか?
それはありませんね。何事によらず、意思決定は早いほうがいいと思っているので。
だから、スピード感を持って仕事を進めたい人や、リモート慣れしている人にとっては良い環境ではないでしょうか。

「手数料が高い商品には頼らない」変額保険を扱わない理由

ー現在のオカネコ本部でのCGOの業務内容を教えてください
主に2つあります。
1つは、オンライン家計診断・相談サービス「オカネコ」の利用ユーザーをデジタルマーケティングで増やすこと。
2つめは、オカネコ経由の相談に対応する、社内の金融オンライン・アドバイザー事業の統括です。

ー事業における、現在の課題は?
現時点では、集客にかかるコストと金融商品の販売・仲介等で得る手数料収入のバランスが取れていないことでしょうか。

オカネコは誰もが興味を持つ無料の家計診断サービスなので、診断ユーザーの集客は比較的容易です。一方で、診断ユーザーが保険や投資など具体的な相談をするまでの心理的ハードルはまだまだ高く、集客コストに見合った相談件数を獲得できていないのが現状です。

ーユーザーの心理的ハードルを、どう解消しようと考えていますか?
他部門と連携し、家計診断の経験をリッチにして次のアクションにつなげるためのプロダクトを開発中です。オカネコのユーザーは、なんとなく家計診断をしてみたかったという潜在層が大半です。そういう潜在層に対し、人生をハッピーにするためには何をすべきなのかを具体的に訴求して相談率を上げていきます。

ー「オフラインの対面営業で成約率を高くする」「手数料の高い商品を案内する」といった解決策は考えていないのですか?
提携先である保険ショップにユーザーを紹介することはありますが、自社でオフラインチャネルを持つことは現状考えていません。また、手数料が高い商品を優先的に案内することもありません。実は、当社直轄の金融オンライン・アドバイザー部門では、手数料の高い変額保険を扱っていないんですよ。

ーそれは意外ですね。手数料収入を増やすためには、手数料の高い商品の取り扱いは必須では?
当社が考える資産形成の理想形は、「保険は公的保障を補完できるものを割安で持ち、余った資金は資産運用に回す」というもの。だから、保険については割安な掛け捨て型商品を推奨しています。

ーとはいえ、ネット完結型というわけではなく、アドバイザー等のコストがかかっています。手数料の高い商品に頼らないと厳しいのでは?
たしかに、金融業界で収益を得るためには以下3つの路線を取るのが通常です。
①富裕層をターゲットにした販売
②手数料が高い商品を優先的に販売
③ネット証券のように人件費を削減したネット完結型販売

しかし、400Fが目指しているのはオカネコを国民的なサービスにすること。かつ、推奨しているのは割安な保険に資産運用を組み合わせる方法です。だから、当社直轄の金融オンライン・アドバイザー部では、①や②の方法は考えていません。

とはいえ、すべての金融サービスをネット完結にすると、商品選びで迷う人が出てきてしまう。オカネコの理念は「お金の問題を出会いで解決すること」ですから、信頼できる専門家に相談できる環境は必要です。だから、我々は人を介在しつつも、①や②といった既存の販売方法には頼らない仕組み作りを目指しています。

金融業界で成功例がない挑戦。
だから、おもしろい

ー金融業界において、人が介在する営業で、かつ富裕層や手数料が高い商品に頼らず利益を上げる仕組みは成功例がないのでは……?
そのとおりで、我々は金融業界でまだ誰も成功していないことをやろうとしています。ただ、当社だからこそできる取り組みだとも思っています。

たとえば保険業界では、テレアポや対面営業などで見込み客の情報獲得に数万円のコストをかけるのが通常です。だから顧客の要望にかかわらず、保険募集人は手数料の高い商品を販売しないと割に合わない状況が生まれています。

当社では、集客を完全デジタルで行うことで、自動的に見込み客の情報が入る仕組みを作っています。さらに、金融オンライン・アドバイザーをニーズ喚起の部隊と商品提案をする部隊に分け、分業制にして案内することで生産性を高めています。

また、顧客ニーズを解決する方法は金融商品だけではありません。転職(※2024年1月からサービス提供開始)や債務整理など、金融商品に限らずお金の悩みを解決できるソリューションを増やすことも検討しています。こうした種々の取り組みによって見込み客の情報獲得にかかるコストを抑えていけば、富裕層や手数料の高い商品にこだわる必要はないと考えています。

ーまさに、金融業界を変える取り組みになりそうですね。では、今後の展望を教えてください
先述したように、診断経験をリッチにするプロダクトの開発を他部署と連携して進めています。

また、現在すでに着手しているプロダクト「オカネコ保険比較」もあります。
この保険比較サイトでは、自分で保険を比較・検討して商品を選ぶという従来の比較サイト機能に加えて、比較したうえで専門家に相談したい人はプロのアドバイザーに相談できるというマッチング機能も追加し、ユーザーのさまざまなニーズに応えられる仕組みを作っています。

ー最後に、この記事を読む「将来の400Fメンバー」に向けて、メッセージをお願いします

私たちは金融業界においてどの会社でも成功していない、青臭いことを実現しようとしています。こういう挑戦をおもしろいと感じる人、是が非でもやってみたいと思える人は、一緒に働きましょう。


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