「前職に戻らず転職」駐在帯同があったから 自分の世界を広げる決意ができた
イギリス・エディンバラに駐在帯同しながら、CAREER MARKの4期インターンとして活動されていた由佳さん。休職しての帯同でしたが、23年の本帰国時には転職を決意。2人のお子さんを抱えながら見事転職を叶え、今は新しい職場で奮闘されています。
近年、休職制度や再雇用制度を活用して駐在帯同される方も増えてきましたが、海外生活中に価値観が変わり、「このまま元いた会社に戻るだけで良いのだろうか?」と考えている方も少なくないと感じます。
由佳さんがどのような思いで転職に踏み切ったのか、またどんな準備をされたのか、伺ってみました。
離れたからこそ明確になった「外に出たい」という自分の意思
ーまずは、前の会社に戻ることもできたけど「転職しよう」と思ったきっかけを教えていただけますか?
私は帯同中、CAREER MARKのインターンをする前にママボノに参加したんです。それが一番最初のきっかけでした。
渡航前は前職に戻る気満々だったんですよね。転職なんて考えてなくて。そもそも駐在帯同が無ければ、このような活動に参加することも無かったと思います。
でもママボノの活動で、様々なバックグラウンドを持った方と関わって、「自分はこのままで良いのだろうか」「とても狭い世界だけで生きてるのではないか」と、ふと思ったんです。
ママボノの活動は2ヶ月だけだったので、もう少し長期的に色々な人と関わりながら仕事っぽい活動をしたいなと考えて、CAREER MARKのインターンにも応募しました。そこでも自分とは違う経験をしてきた人たちに会うことができて、ますます「自分の世界を広げたい」という気持ちが湧いてきました。
それ以外にも、エディンバラで出会った方たちからも影響を受け、固定観念が取り払われるような感覚があり、一層その気持ちが強くなりました。
ーなるほど。これまでとは違う場所で違う人たちと関わることで、自分の世界を広げたいと考え始める方は多そうです。
でも実際に転職となると、帰れる場所があるのに一歩踏み出すというのは勇気がいると思うのですが、そこはどう乗り越えましたか?
まずはとても小さいことから、少しずつやり始めましたね。例えばWantedlyのプロフィールを作ってみようとか、転職サイトに登録してみようとか、帯同中にできることからスモールステップを踏みました。それをやったからといって、本当に転職するかはまだわからないくらいの行動です。
実際、今働いている会社がWantedlyで求人を出していたので、それをきっかけに登録を進めました。プロフィールを作りながら職務経歴書も書いて、完成後に公開してみると、他の企業からも「カジュアル面談をしませんか?」とメッセージをもらうなど、反応してもらえることがわかりました。数は多くないですが、実際に面談をした企業もありますね。
あとはCAREER MARKにも相談しました。1on1キャリアサポートをお願いして、私が希望する職種などをお話したところ、あるエージェントを紹介してもらいました。その後、その会社のコンサルタントの方に話を聞いてもらって、何社か紹介もしていただきました。
時系列的には、帯同中に書類やサイト登録の準備をして、一部のカジュアル面談は帯同中にも受けました。でもほとんどは本帰国がわかったころにスケジュール調整をして、本帰国後にエージェントと面談をしたり、企業の選考を受けたりしましたね。
ーどんなところで働きたいという希望は明確でしたか?
自分が会社を選ぶ上で大事にしたいことについては、CAREER MARKとの1on1やエージェントとの面談の中で、より具体的にしていきました。
最終的に挙げたのは、会社の事業内容に対し自分が興味を持てる、自分がやりたいことに近いこと。もう1つは、家庭との両立ができそうな働き方が選べる、つまりリモートワークやフレックスタイムなど柔軟な制度を取り入れていることです。
逆に給与条件は少し譲った点かもしれません。それでも前職に戻った場合と同程度の給与はキープする、という基準は満たしていて、働き方の柔軟性があるので、時短勤務にする必要がないという点は満足しています。
ー前職に戻るか転職するか、迷いは無かったですか?
それはあまり迷わなかったです。いわゆる”コンフォートゾーン”の外に出ることを優先したいと思っていました。
実は、以前にも転職活動をしたことがあるんです。その際は色々と検討した結果、結局辞めないことにしました。
その後、しばらくはその会社にお世話になるつもりで頑張ってきたのですが、同じ会社にい続けることで自分自身が甘えてしまっていたというか…。長く勤めるうちに、だんだんと自分のことをよく知ってくれている人ばかりと働いていることや、新しいこと・難しいことへのチャレンジをしなくなっている状況に、「このままでいいのかな?」という感覚はありました。とはいえ、当時育休から復帰してまだ1年ぐらいだったので、子育てとの両立もあり、それで十分とも思っていました。
駐在帯同で会社から離れたことにより、以前から感じていた懸念みたいなものが、また客観的に見えてしまったんですね。なので、急に世界を広げたい・外に出たい、と思ったわけではなかったと思います。
家族の協力を得て、帯同中からコツコツ準備を進めた
ー前々から感じていたことが、休職したことによってより明確になったんですね。
2人のお子さんがいて、さらに下のお子さんは0歳での本帰国と転職活動でしたよね。考えるだけで大変そうですが、どんな工夫をされましたか?
転職活動のスケジュール管理は結構大変でしたね。
ただ、我が家の場合は夫が本帰国してから少し働いて、その後すぐに育休を取ってくれました。少し長めに実家に帰っていた期間もあったので、他に子どもを見てくれる大人がいて、比較的自由にスケジュールを組めたと思います。
それでも、面接前に準備すべきことは沢山あったので、家族が子どもを見てくれる時間や夜に作業するなど調整は必要でした。
ー旦那さんが育休を取ってくれたのは素晴らしいですね。育休取得は結構前から決めていたことなのでしょうか?
そうですね。夫が育休を取れなかったら、私の場合は転職活動自体が難しかったかもしれません。転職活動をしていたころ娘はまだ生後3~4ヶ月だったので、夫も働いている状態で転職活動をしたり、新しい仕事を立ち上げたりするのは難しいだろうなと思って。夫のキャリアにも関わることなので、よくよく話し合った上で、まずは育休を取れるよう、夫には本帰国が見えてきた段階で調整をお願いしました。育休取得がほぼ大丈夫そうだとなってから、本格的に転職活動を始めた感じです。
ー保育園などはスムーズに決まったのでしょうか?
それも結構難しかったんです。帰国時は上の子もまだ年長さんだったのですが、私が下の子の育休中の扱いだったので、自治体によっては上の子の認可園への入園ができない状況でした。
海外からの帰国という状況もあったので、エディンバラから引越し先候補の自治体に直接問い合わせをしましたが色々と難しく、認可外の保育園を探しました。本帰国前にオンラインで園の説明会に参加するなど、現地でできることはしましたね。事情を説明すると、親切に対応してくださるところが多かった印象です。
転職活動だけでなく、その周囲のセットアップも同時にやっていくのが大変だったなと思います。
ー確かに、保育園や学校の手配を同時に進めることは、再就職を目指す皆さんがハードルを感じる点だと思います。
特にやっておいて良かったと思うことはなんでしょうか?
現地でも調べられることは、早めにやっておいて良かったです。先のことは分からないことも多いけど、ありとあらゆる可能性を考えて調べておくというか。帰国すると生活の立ち上げが大変で、途端に時間がなくなるので、時間があるうちにできる情報収集をしておくのは大事なことだと思います。
充実した日々の中に帯同中の経験が活きている
ー帯同中に事前にできることをしっかり進められたんですね。
では、実際に転職活動をして、今の会社を選んだ理由を教えてください。
転職活動を始めるより前に、弊社の代表が書いた記事をいくつか読んだことがあり、そこで語られている会社の理念と、自分の理想が合致したような感覚が最初の入口だったと思います。
あとは自分ができることとの掛け合わせで、人材系の法人営業という点も合っていました。
実際に入社してみて、割と思った通りだなと感じています。前職と同じ人材系と言っても、もちろん異なる部分はあるのですが、応用を利かせる感じで前職の経験も活きていると思います。
皆さんほぼフルリモートで仕事をしていて、私はそういう働き方は初めてだったんです。でも駐在帯同中に、それこそCAREER MARKのインターンなどで、チャットコミュニケーションや、オンラインミーティングの経験を積めていたので、その点でも抵抗なく入ることができました。
仕事に段々慣れてきて、自分が担当するお客様の数も増えて忙しくなってきましたが、充実しているなと感じます!
ーそのお話が聞けてとても嬉しいです!
ご自身の前職での経験を踏まえて転職活動をされたとのことですが、やはり前職を意識した職種を選ぶ方が良いのでしょうか?
それは人による部分もあると思います。「何を優先するか」ということかもしれませんね。私は前の会社から外に出ることを優先したので、現実的なラインを考えたところはあります。子どももまだ小さいため、あまり経験のない分野より前職の経験を活かせた方が、転職も決まりやすいだろうし、仕事の立ち上がりも早いだろうと思いました。
でもそれぞれの状況によっては、もっと挑戦できるのではないかと思います。
ー由佳さんには挑戦したいことはありますか?
あるとしたら英語ですね。せっかくエディンバラにいる間に学習を続けてきたので、ビジネスでどのくらい通用するのか挑戦してみたい気持ちはあります。
具体的にはいつかわからない、もう少し先のことになりますが、今後チャンスがあれば仕事で関われたら良いなと思います。
ー本帰国後に転職してみようと考えている方に、アドバイスがあれば教えてください。
そうですね。いきなり企業に応募しようと思うより、まずはサイトに登録だけしてみようとか、職務経歴書を少し書いてみようとか、少しずつ自分ができることを進めることをおすすめします。
ステップを踏むという意味では、転職先もまずは前職と関連のある職種など、自分ができそうな範囲から始めてみても良いと思います。一発で自分が本当に行きたいところに行くのは結構難しいかもしれないので、あまり最初から無理せずに。あとからでもなんとかできると思います!
それと、家族の協力を得ることでしょうか。夫は、私が仕事を休んでいることでキャリアについて悩んでいたのを知っていたので、転職活動にも協力が得やすかったと思います。事前の根回しというか、お互いのキャリアについて話し合っておくことは大事かもしれませんね。
ーありがとうございます。
では最後に、帯同中の経験は今に活きていると感じますか?帯同中の方にメッセージがあれば教えてください。
今までと全然違う環境で生活をしたということ、出会う人もみんな新しい人ばかりだったし、 そういう場所で生き延びられたというのが、すごく自信になったなと思います。
日本で働いているときは会社の知っている人としか喋らないような環境だったので、全く知らない人と初めましてのコミュニケーションを取らなければならないのも久しぶりで。どれくらい踏み込んで良いのかとか、そもそも言語が違う場合も含めて、非常に鍛えられました。
また、休職して時間があったからこそ、夫とよく話し合うことも含め、自分の今後のことをしっかり考えられました。もし仕事を続けていたら、時間が無くて深く考えられず、転職という選択をしなかったかもしれませんね。
実際に本帰国をして、毎日が飛ぶように過ぎていく中で、帯同中の時間は本当に贅沢なものだったなと感じています。なので、今帯同中の方はその贅沢な時間を堪能してほしいですね。
インタビュー・文:
CAREER MARK インターン 鳥羽夕紀美
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