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駐在妻インターンってどんな人?【第7期vol.4 さほこさん(インドネシア在住)】

2023年3月、第7期インターンではメキシコ、ブータン、ベトナム、インドネシアから参加の駐在妻が加わりました。7期駐在妻インターンメンバーへのインタビュー最終回は、2021年3月からインドネシアに駐在帯同中のさほこさんのご紹介です。

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【さほこさん/お仕事プロフィール】
大学卒業後、地方自治体へ入職。生活保護課にて4年間ケースワーカーとして勤務。その後、児童相談所にて虐待対応に特化したチームで4年間勤務後、所内異動にて継続支援部門の児童福祉司として勤務。産育休と配偶者帯同休暇制度を利用し、2021年3月よりインドネシアに帯同中。


ずっと夢だった「社会福祉」の仕事

ー生活保護課と聞くとすごく忙しそうなイメージですが、具体的にどんなお仕事をされていましたか?

何十世帯かを担当して、生活保護費の給付だけでなく、就職支援や医療が必要になった際の病院探しなど、一人一人の自立に向けて多方面で支援をしていく仕事です。基本的には生活保護法に則って実施しますが、法律をどう解釈し運用するか、どこまでその世帯に寄り添えるかは、私たちケースワーカーの力量によります。高齢者や母子家庭、障がい者など、老若男女様々な方の支援に携わりましたが、当時は新人だったので担当した方から勉強させてもらう日々でした。無我夢中でその時出来ることを頑張っていたつもりですが、今思うと申し訳ないこともたくさん。20代の小娘に「支援」される側はどんな気持ちだっただろう、と今でも時々当時担当した方の顔を思い出します。

ー想像以上に大変そうな現場ですね・・・

はい、大変だと感じることも時にはありました。でも希望して入職しましたし、「それぞれが抱えている想いがきっとあるはず。それを理解したい」という一心で働いていました。

ー生活保護課は希望されて配属になったのですね!もともと興味があったのですか?

小さい頃から母が障がい者に関わる仕事をしていて、子育てをしながら国家資格を取ったんです。家にある社会福祉の本をぺらぺら見ているうちに、漠然と「社会福祉ってなんだろう」と思うようになりました。大学では社会福祉学科を専攻し、やりたい仕事が生活保護と児童福祉分野だったので、その仕事が出来る地方公務員を選びました。

働く中でのジレンマと、チームワークの楽しさ

ーなるほど、それで生活保護課の次は児童相談所への異動を希望したのですね!着実に夢を叶えていますね!

「やりたかった仕事がやっとできた!」と思ったし、大学時代の自分が見たら頑張ってるねと思える仕事をしたと思いますが、とにかく余裕がない毎日でした。
最初は児童相談所の虐待対応に特化したチームで勤務していたのですが、通報が入ると48時間以内に子どもの安否を確認する必要があります。場合によっては親の同意なく保護することもあり、そうなったら親は怒り心頭ですよね。その先の支援内容も、支援する側から見て最善と考えるものを提案するけれど、それが必ずしも子どもや親の意向に沿っているわけではない、というジレンマも抱えながら働いていました。

ーやりたかった仕事だからこそ、ジレンマに苦しんだのですね。

そうですね。でももちろん苦しいことばかりではなかったです。1世帯に対して我々児童福祉司や心理司、医師などの多職種のチームで仕事をするのですが、その時々で自分が何を求められているか考えて察し合って動きます。阿吽の呼吸でサポートしあう感じがすごくよくて、今考えるとCAREER MARKのインターンと似てる部分があります。もともとチームワークが得意ではないタイプだと思っていましたが、児童相談所での経験を通して、チームで働く楽しさに気がつきました!
そしてやっぱり、役に立てたかな、と思えたときは嬉しかったです。子どもながらに「ありがとう」と感謝を伝えてくれる子もいるんです。「児童相談所に関わってもらってよかった」と言ってくれる親御さんもいました。そういう時、改めてこの仕事をして良かったんだって思えました。

ロンボク島にて!保護された馬が気持ちよく海で遊んでます

出産を経てインドネシア帯同へ
「実は、アイデンティティクライシスにはなりませんでした」

ー駐在帯同が決まった時は、どうでした?

すごく嬉しかったです!小さい頃からいつかは海外で暮らしてみたい、海外で働いてみたいと漠然と思っていたので、夫の転勤という他力本願ですが(笑)、夢が叶って嬉しい気持ちが大きかったです。

ーすごく前向きですね!仕事を辞めることへの抵抗や、環境の変化に戸惑ったりすることはなかったですか?

いわゆるアイデンティティクライシスというものは実はなかったんです。というのも、駐在が決まった当初は、当時日本で住んでいた賃貸の自宅を手放し夫はインドネシアに赴任、私は里帰り出産後しばらく実家で過ごしてから帯同を開始する予定でいたんです。それが新型コロナのパンデミックにより予定変更を余儀なくされ、結果的に1年近く夫と離れ離れで暮らすことになってしまいました。
なので、帯同当初は「ようやく家族3人の家が出来た!」という気持ちでいっぱいで、クライシスに陥る隙がなかったのかもしれません。
また、仕事を退職したわけではないというのも大きいかもしれないですね。海外で子育てを経験できるのは、自分にとっても、仕事に戻ってからも活かされる経験になるなと前向きに捉えていました。

インドネシアの夕日はいつも大きくて赤くて見とれてしまいます

自分の世界と一番遠い世界に飛び込んでみたかった!

ー戸惑う暇もなく、目の前の幸せを噛みしめられるさほこさん、素敵ですね。CAREER MARKとの出会いを教えてください。

インドネシアに帯同して1年半が経った頃、ジャカルタで駐在妻のキャリアサポートをしている方が「CAREER MARKのセミナーを受けました」と投稿しているのをインスタグラムで見つけました。面白そうだなと思ってCAREER MARKのページに飛ぶと、たまたまインターンの募集をしていたんです。ちょうど本帰国が頭をよぎっていたタイミングで、「帯同中これをやった!」と思えるものが欲しいな思っていたので、もしかしたらこれがなにかに挑戦するラストチャンスかもしれないと思って応募しました。

ーCAREER MARKのどういう点に魅力を感じたのですか?

これまでやってきた仕事と全く違う、PRや広報、イベントの企画などのスキルを学べる良い機会だと思いました。自分の世界と一番遠い世界を見てみたいと思っていたので、やるなら今しかないと思い、飛びつきました!

市場にて。他の東南アジア料理同様、インドネシア料理にも唐辛子は欠かせません。「サンバル」と呼ばれる、各地域ごとに材料の異なる香辛料を料理にかけて食べるのが美味しい!

インターン活動を通して見えてきたこと

ー実際にインターン活動をしてみて、どうでしたか?

パソコンスキルも低いし専門知識もないしで、最初の1ヶ月はバリバリ活動する先輩インターンの姿を見て「ついていけないかも…」と不安になりました。
でも振り返ってみると仕事っていつもこんなもんじゃん!と気が付きました。最初はどんな職場でも戸惑うけど、気が付けばできるようになっているなって。
インターン同期と話す機会が増えて、お互いのことがわかるようになると安心して活動ができるようになってきて、そこからどんどん楽しくなってきました。インターンや運営の方々は皆さん人としてもとても魅力的で。いつもオンラインでしか会えていないので、いつかみんなでリアルで会って乾杯するのがひそかな夢です。

ーインターン活動をしてみて、自分の中での変化はありましたか?

毎日自分自身にタスクを課して役割をきちんと果たす、という生活がまず久しぶりでした。なので、職場復帰の予行演習ができている気がします。
それに、今までと全く違う仕事をしてみることで、以前の職場環境や仕事の内容を客観的に見ることができました。完全リモートで世界中から働ける!ということがインターンの経験を通してわかったので、帰国後職場に戻ってからも業務改善などで経験を活かせるといいなとも思っています。
また、インターン活動を通じて様々なセミナーや講座を受講する機会にも恵まれました。そこからやりたいことが見つかったりもして、インターン活動をしたからこその気づきも大きなものとなっています。

ー素晴らしいですね!さほこさんなら職場に新しい風を吹かせることができそう! 最後に、さほこさんの今後の夢を教えてください。

夫の仕事の関係で、今後も数年おきに日本と海外を行き来することになるので、きっとまた数年後には海外生活が待っていると思います。今回の駐在帯同で、インドネシアの人達は私たちをとても温かく優しく迎え入れてくれたんですね。なので、何かの形で彼らに恩返しがしたいです。
あとは、日本でも海外でも、人の生活に関わることができていたら嬉しいです。大きな夢としては、いつか海外で社会福祉関係の事業にどんな形ででも携われたら幸せですね。

あとがき

常に相手の気持ちに寄り添い、誰一人として気持ちや想いを取りこぼさないようにと、いつも配慮してくれるさほこさんが紡ぎ出す言葉は、優しく、心地よく、私たちの心に刺さります。叶えた夢であり、今後の夢でもある「社会福祉」というお仕事は、そんなさほこさんにとって天職ともいえるのではないでしょうか。
自身の性格を「楽観的」と表し、「どうにかなる!」「楽しんだもん勝ち!」と笑顔で話すさほこさん。インターン活動においても常に明るく、メンバーの雰囲気を盛り上げてくれます。海外生活を送るうえで、さほこさんの楽観的マインドは、人生を好転させるとても大切なことのように感じました。

旧正月の飾りつけ。シーズンイベント毎に各モール内に巨大なデコレーションが登場します。「飾る」というより「建てる」規模!

インタビュー・文:
CAREER MARK 第7期インターン 山口 友妃慧

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