規律を守ることは命を守ること
静岡県で起きた園バスの事故が、悲しすぎます。
亡くなった3歳のお子さん、暑かったでしょう。苦しかったでしょう。
もう二度と起こさないために、大人たちはこの胸が張り裂けそうな出来事から目を背けず、向き合います。
あなたの命を決して無駄にしません。
何が起こったのか、目を見開いて、関連記事を隅々まで全部読んでいます。
安全は最優先事項
規律を守るのは、社会人として”当たり前”のことです。
この当たり前を、勝手なマイルールで変更してしまう保育者がいる。
私は前職は製造業でしたが、安全は業務の最優先事項でした。
場所によってはロボットかというぐらい型どおりの手順を全員がやることが当たり前でした。
一人でもやっていない人がいたら、お互いに指摘し合うのは、当然でした。
それこそ、制服のボタンが1つ外れているだけで指摘があります。
制服をきちんと着用するということも、現場では大切なことだと全員の認識があります。
規律を守ることが安全につながり、命を守ることにつながることを知っています。
製造業に関わらず、どの業種・職種も安全管理は最優先です。
社会人基礎力「規律性」
社会人基礎力研修では、必ず「規律性」を扱います。
勝手にルールを変える人がいた時の対応について、事例で学びます。
「規律性」の定義は、「社会のルールや人との約束を守る力」です。
これは、保育所保育指針の「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」の「道徳性・規範意識の芽生え」につながります。
子ども達に規律を守ることをいつも伝えている保育者自身が、組織のルールをないがしろにしてよいはずはありません。
このような事故が起こるたびに、必ず「人手不足」の問題が浮上します。
人手が足りないということと、手順を守れないということは、別物です。
分けて考えないと、この種の事故はなくならない。
なぜ、マイルールを押し通す人がいるのか。
それが、まかり通ってしまうのか。
そして、誰も指摘できない構造になってしまうのか。
ここに、保育の構造的な問題があると思います。
ブラック園でもつぶれない護送船団方式
中小企業が閉鎖的になるのはよくあることですが、企業は自由競争の原理が働きます。
閉鎖的になり良い人材がいなくなると業績が悪化し、衰退します。
一方保育の世界は、公的資金が投入されている半公営。
かつて金融業界が大蔵省(現財務省)の護送船団方式で経営されていたように、なくなると困る社会インフラなので、簡単にはつぶれません。
組織にどんなに問題があっても、閉鎖を命じることはできません。
駅から近い、利便性が良いなどのメリットがあると子どもは入ってくるので、基本つぶれることはないのです。
人手不足と規律を守ることは別
仕事としてやるべきことが、いくつもないがしろにされることと「忙しい」「人手が足りない」は、別物。
忙しくても、人手が足りなくても、やらなくてはならないことはやるのが仕事です。
ただ人間はどうしても楽なほうへと流れてしまう生き物です。
対策は、できるだけ多くの外の人が、組織に関わることだと思います。
保護者や地域が、園に関わることが一つの解です。
保護者も保育園に積極的に関わろう
保育園には監査が毎年あります。この監査も、どうしても管理文書のチェックが中心で、この視点を変えることも必要だと思いますが、やはり、一番身近な保護者、利用者が、園の様子を日頃からよく見て積極的に関わることが一番の事故の抑止力です。
保育園は、保護者にとって「子育てのパートナー」です。
保育園という組織に、保護者も積極的に関わっていかなくてはなりません。
保育園を選ぶときは必ず見学に行く
見学の時は「規律」が守られている園かをチェック。
「規律」とは、挨拶、言葉遣い、服装、清掃、整理整頓に現れます。人手が足りなくてバタバタと落ち着かない様子だと、ミスや事故も多くなります。
入園後も保育園をたくさん頼ることは良いが、丸投げはしない!
子どものことで疑問に思ったことを伝え合える信頼関係を築く。
多少うるさい親だと思われても、「信頼」があれば、何より子どものためという共通目標があれば、お互いに指摘も受け入れ合えます。
親も保育者も、一緒に子どもを守り、育てる。
そして、私は、社会人基礎力を保育業界のスタンダードにするべく、今日も仕事です。
亡くなったお子様のご冥福を心からお祈り申し上げます。