エージェントが抱えている3つの闇問題
不良エージェントが増えている理由とは!?
現在、人材派遣、人材紹介会社は全国に2万2千社あるというのが事実です。
またデータベースを解禁する転職サイトが増えているため、誰でも簡単にできるビジネスとして注目を集めています。
在庫リスクゼロ、粗利は派遣では30%〜35%が相場ですが、人材紹介であれば粗利100%という高収益なビジネスモデルであるということがポイントです。
つまりは審査を通過して免許を取得でき、6ヶ月程度の運転資金があればできてしまうというのが現状です。
人材ビジネスを始めたいと思ったら、ざっくりいうと資本金500万円と申請費用の14万円があればスタートできること。
その他に家賃や設備投資などが必要になるけれど…規模ややり方によっては削れる部分は削れるから参入障壁が低すぎることも問題である。
年収500万円の候補者を月1人入社させることができれば、見込み年収☓紹介手数料35%☓12ヶ月で1500万円〜1800万円の年商が立つ計算になります。
これが5人の営業がいれば1億〜2億円の年商になる計算。
歩合制の契約社員や業務委託にすることで、人件費を削減する会社も多く、事務所はあるけど、ほとんどが携帯とメールとSNSでやり取りをしているのが現状。
運転資金がないのであれば、無理をせず1人でスモールビジネスとして始めることができれば、月1人でも経費などを引いても十分な利益を繰り出すことができる。
裏を返すと月1人に入社が決まらないと大赤字になってしまうというハイリスク・ハイリターンのビジネスモデルでもある。
不良エージェントを見極めることは本当に難しいことではあるけれど、ちょっとした対応に違和感を感じたら、そのエージェントから離れていくことをオススメします。
私も昔同じ業界にいたとは言え、20年前と何も変わっていない業界の体質や考え方に疑問があるのは事実です。
無理矢理転職を決めたとしても、その人がすぐに辞めてしまうと悪循環になります。
企業側とも、候補者側との信頼関係を失うと同時に取引停止になるのは間違いない。
最近では特に多くなっているのが会っておらず、電話面談が主流になっているため、スクリーニング効果は薄くなってしまっているのが現状。
忙しいのはわかりますが、skype、FaceTime、line、ZOOMなどのWEB面談もできるわけです。
電話で話をしてみて推薦されても限られた時間で深掘りをした質問をしていないため、人事からパーソナリティについて質問が飛ぶと「本人に確認をしてみないとわかりません」と言われてしまい、数日後連絡がくる。
先行スピードが遅くなる原因の1つでもある。
質問をするのにフォーマットで聞いて、フォーマットにない質問は全くしないエージェントが増えています。
深掘りをすることは炎上をする可能性もあり、炎上しないためにはフォーマットの質問をするしかありません。
そのため、増えているのが1次面接ではエージェントの情報が間違って伝わっていないかどうかを確認しながら話を進めていくことになるため、面接回数が1回増えてしまっているのが現状です。
そもそも、未経験者を採用する傾向があり、人と関わることが好きという人や人事経験者が入りやすい業界であることも問題である。
最近では成功報酬型の広告が多くなっているため、広告の固定費がかからないことも人材ビジネス会社が増え続けている理由の1つです。
サービス業については在籍期間が短く、入れ替わりが早いというのも特徴です。
1社3年ということをエージェント業界の方々はいいますが、目標数値に達しない営業やキャリアアドバイザーはすぐに辞めて違う業界で仕事をされているケースをよく見かけます。
フリーランスエージェントが増えている!?
参入障壁が低いこともありますが、歩合制でやっている業務委託のフリーランスでエージェントの看板だけを借りてやっている人も多くなっている。
特に中小企業のエージェントではよくあることです。
固定給が新卒なみの給料で、1人決まると紹介手数料−固定給÷2が自分の収入としてプラスされるエージェントも多くいるため、必死になって無理やりクロージングをかけてきたりするケースが多くなっています。
固定給25万円として、1人紹介すると500万円☓35%=175万円が会社に入ります。
175万円(手数料)−25万円(固定給)÷2=75万円がインセンティブとして、入ってくるとなれば、ブラック企業であったとしても3ヶ月間〜6ヶ月間のペナルティー枠がなかったらと思うと、えげつないクロージングをするのもわかります。
これが1月に2人、3人となると青天井でインセンティブが入ってくるわけですから、年収も1000万円を超えていくフリーランスエージェントもいるのが現状です。
年収1000万円を超えるようなフリーランスエージェントは、えげつないクロージングをすることはありませんし、弱いつながりを大切にする人が多くいます。
信用第一という信用社会になりつつあるにもかかわらず、ゴリゴリの営業スタイルやえげつないクロージングをしていたら、死活問題になってしまうからです。
あくまでも決定権、主導権を持っているのは候補者であり、エージェントではありません。
オファーレターが出たあとに年収が低いということで交渉をすることは日本のエージェントではタブーとされています。
欧米のエージェントの場合については、この金額であればお断りされる確率が高く、これだけのスキルを持っているので、もう少しアップしてほしいということは可能です。
給与体系が日本とは全く違う実力主義であるから。
その後、欧米のエージェントは次のクライアントを探して面接を組むことを爆速で行っていますが、日本のエージェントはそこで終わってしまうことが多い。
売れない営業ほど目の前の1本に必死になってしまうため、オール・オア・ナッシングの状態になり、えげつないクロージングを仕掛けてくることによって、内定受諾まで至らないケースが増えているのも事実です。
入社させたらゴール!?アフターフォロー問題
人材紹介営業の9割がやっていることは入社させて、ペナルティー期間に問題を起こさず、辞めなかったら、売上として成立する正解です。
その後のアフターフォローをしている人というのは、ほぼ皆無に近いと言えるでしょう。
数%のエージェントがやっているのがアフターフォローをしっかりとしていること。
転職の周期に新しく信頼関係を構築するところから始めるには時間がかかってしまいますし、同じ説明を何度もしなければならないため、時間と労力の無駄になることが多くあります。
また、年齢を重ねていったり、転職回数が多くなっていくと、新規エージェントの開拓がやりにくくなっているのを考えると、転職後も定期的に連絡を取ったりすることも必要な時代です。
最近増えているのがメールでの署名にご転職をお考えのお友達、知人がいらっしゃいましたらご紹介くださいという文言が多くなってきていますが、その前に行動をして、相手の期待値を超えないと意味がない。
いい仕事をするとその後ちゃんと人が人を呼んでくれるということを理解していないと、そう簡単には紹介をしてもらえない。
なぜなら自分の期待値を超えることができない人が、友人、知人に対して期待値を超えることはないだろう。
そういう人に自分の大事な友人、知人を紹介したいと思うだろうか。