知らないとヤバイ!?人材紹介会社の使い方
人材紹介ビジネスの仕組みとは!?
最初に人材紹介会社のビジネスの仕組みを知らないといけません。
応募者は無料で転職の相談をすることができるのですが、企業としては採用が決定した場合、年収の35%を手数料として払うことになります。
1人採用するだけで100万円以上かかることになるので、書類選考通過率が10%前後といわれています。
例えば、年収300万円の人を採用したら105万円、年収500万円の人を採用したら175万円、年収1000万円の人採用したら350万円の紹介手数料を企業は人材紹介会社に支払わなければならないからです。
転職サイトに広告を出すと、複数人を採用することができれば、広告費用÷採用人数ということで、採用費用としては抑えることができる。
例えば、100万円の広告を出稿したとして、3名の採用ができれば、採用に関しては33.3万円になるわけです。
人材紹介会社からの紹介の場合には、1人で100万円以上ですから、ここで大きな差になってしまうわけです。
企業の9割は採用に関して費用として考えており、費用対効果を見ながら採用をするため、選考通過率が低いといわれている。
投資というとハイリスクハイリターンのイメージがあり、リスクを背負いたくないというのが本音である。
根本的なところが変わってこないと人材ビジネスが二極化していく可能性が高くなっている。
人材紹介会社の闇の部分
人材紹介会社の求人広告を見ていると未経験者歓迎という文字が常についている。
書類選考を通過して、面接を通過して、内定受諾をして、無事入社をするまで気が抜けないというのが実情である。
1人が無事に入社をしてくれたら、手数料が入るシステムですし、契約の内容によっては3か月から6か月の試用期間内で退職をされてしまうと、手数料の返還もあるため、自分の営業成績にもかかわってくる。
案件を持っていても難易度が高ければ決まならない。
案件を持っていても難易度が優しければ、すぐに決まる。
離職している人を中心に集客して面談して選考のルートに載せることができれば、2~3週間の短期決着が見込める。
その次に転職を考えている人で若手を中心に集客をして、数カ月先の入社に向けて仕込んでいく。
最後にターゲット層とは違うけど、スキルマッチで推薦をする場合がある。
内定受諾をしたところで、売掛金として計上ができる。
そこで1本でも上がればヒーローになるし、ぼうずだと売上を上げるために、研修を売り込んだり、1日で取れる資格を売り込んだりする。
1か月で売り上げが上がらないということは、すごくプレッシャーですし、上司から詰められることになり、心身共に疲れてしまう。
それによって人の入れ替わりが多い業界でもある。
無味乾燥の内容のスカウトメールを打ちまくり、そこから応募があったらすぐに面談を設定していくということになる。
集客をしないと推薦することができないので、必死になっているのは事実です。
転職サイトのCMでまず話を聞いてみよう!というのもうなづける。
話を聞いてみるという接点から、あなたの市場価値を上げるためには、転職をすることになるということで、今すぐ転職をすることを勧めていくことになる。
入社をしてもらうためにはどうしたらいいのかということからの逆算で成立しているのが人材ビジネスのシステムであり、その背景をしっかり理解することができれば、うまく活用すればいいという気持ちになれるでしょう。
ジャンク品扱いをする人材紹介会社
この現象が現れ始めたのは、私が人材ビジネスにいる20年以上前から言われていたことで、ここ数年で顕著になり始めているのは事実です。
人材紹介会社は企業が求める人材を選定して推薦をしないと面接にたどり着くことはできませんし、入社をしてもらうというゴールまで行くことができません。
そのため、企業人事は現場から言われたことをそのまま言語化して、人材紹介会社に伝えることになります。
疑問や違和感があったとしても、現場がいうことだからということで具体的なことがわからず、優先順位もわからないというのが現状です。
人事は何の権限もなく、ただ現場や経営陣とのやり取りをするだけであり、伝令の役割しかしていないのが現状です。
そのため、人材紹介会社は検索キーワードや転職回数で膨大なデータベースから検索軸にかかった人の中から、更新日が直近であったり、ログイン日が直近であったりする人の片っ端からスカウトメールを送ることになります。
この段階では詳細を見ておらず、本当に推薦できるかどうかはわからないままにスカウトメールを送っていることになります。
面談で詳細を聞き出して企業のターゲットになっているかどうかを見たうえで、推薦できる人は推薦をして、推薦できない人をジャンク品として扱うことになります。
面談の時にあるのが、紹介案件がゼロ。
「ご推薦可能な案件がありましたら、ご紹介します」ということはジャンク品扱いをされている可能性があるので注意が必要です。
また、紹介案件の推薦が終わり、お祈りメールになっても、次の案件の紹介メールが届かないということも同じようにジャンク品扱いされている可能性が高い。
行動指針として、売上目標があり、面接数、推薦数、面談数などが落とし込まれてくることになり、その数字をクリアするためには現場は必死になっている。
スカウトメールを出して応募があったら、面談をするけど紹介できない人という判断をされてしまうと、ジャンク品扱いをされてしまうので注意が必要です。
「情報交換でもいいので」は要注意!
スカウトメールにこの言葉が入っていることが9割ありますが、注意をしておく必要があります。
先程もちょっと触れましたが、行動指針によって面談数をクリアするために、アドバイザーやコンサルタントが呼び込んでいることがよくあります。
「情報交換でもいい」とか、「転職する、しないは問わず市場価値を確かめてみませんか?」ことをいってハードルを下げて集客をするケースが増えています。
また、大手の人材紹介会社であるのが、社内選考という見えないシステムです。
案件はデータベースにあるため、複数のアドバイザーやコンサルタントが同時に複数人の紹介をしているため、営業担当のところに書類が集まってきます。
営業担当は企業担当から詳細について聞いていることが多くあるため、上がってきた書類を見ながら社内選考をしたうえで、企業に推薦することになっています。
中小企業やベンチャー企業も同じことが行われていることがあるので、本当に企業に推薦をしているかどうか不明なことがよくあります。
推薦状を書いて、メールの文面をつくり、パスワードをかけて企業人事に送ることを考えると数時間で回答が出ることはまずありません。
企業の人事は採用する部門長へその書類を回すことから、判断をするのに数時間ではなく、2~3日かかることになるのが通常ルートです。
現場長や役員がすぐに人事に答えを持ってきてくれればいいのですが、数日から数週間かかるケースもあるが現状です。
応募して数時間、即日、翌日の返信があった場合については、社内選考で負けている可能性も高いので、他の人材紹介会社から応募をしてみると、書類が通ったりするのが不思議です。
SNSのDMやスカウトメールは要注意!
転職サイトでのスカウトメールについては、昔から言われていたことですが、最近ではSNSのDMを活用してコンタクトを取ってくるケースも多くあります。
転職サイトの価格が高騰しており、転職サイトで集まりにくい人たちに対してコンタクトを容易にとることができることから、使われるようになりました。
しかし、やっていることは転職サイトでやっていることと同じです。
検索をして、案件を見せて、応募があったらDMを送る。
SNSなので発信をしている人であれば、その内容を見たりすることはもちろんですが、どんな考え方、どんなことに興味を持っているのか、なんの専門家なのかなどを判断する材料が多くあるわけですが、そのことについては一切触れておらず、テンプレートスカウトメールをDMで送ってくるのが現状です。
SNSの特徴を理解している人材紹介会社の人については、信頼関係を築くために、何度もメッセージのやり取りをした後に案件の紹介や面談をしてくることが増えています。
面談数や紹介数を稼ぐために行われていることが多く、信頼関係をつくりながらやっていく人とそうでなく、手あたり次第何でもやるという人に分かれていくことになります。
見分け方としてはコミュニケーションの取り方、発信している内容などを加味したうえで、連絡を取ってみるのも1つの方法です。
スカウトメールを待つのではなく、SNSから逆アプローチを仕掛けることも必要な時代になってきている。
待つだけでは何も起きませんから、自ら自分に合うと思う人材紹介会社の担当にアプローチをすることで、自らの状況を打開することもできるようになるので、やってみるのも1つの方法です。