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今だからこそ考える越境学習・ラーニングワーケーション

釜石市は岩手県南部の沿岸に位置する町です。
東日本大震災により大きな被害を受けましたが、復旧・復興が進む中で様々なプレーヤ ーが協働して新たな取り組みが生まれています。
しなやかさや過去に囚われず柔軟なマインドやスタンスで困難を切り開いてきました。この街が培ってきた経験をもとに、「自己を変革し、未来を創造する次世代リーダー」を育成するラーニングツーリズムを実施しています。

ここでは、2020年12月16日-18日にかけて、釜石市で実施したラーニングワーケーションプログラム(※)を振り返りながら、釜石ならではの体験・学びを考えます。
(※本プログラムは(株)日本能率協会マネジメントセンターによる学びのプログラム here there の釜石プログラムとして実施されました。)

Day1『組織の自主性を引き出す「釜石式」防災教育研修』SDGs 11

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児童・生徒の99.8%が震災時に生き抜くことができた「釜石の出来事」。その背景には、生徒一人一人の的確な状況判断がありました。防災に対する「生徒の自主性」はどのような防災教育によって育まれたのか。
震災発生直後の状況を再現したケースワークと当時中学生であったスタッフによる避難道ツアーで震災をリアルに体感した後、 震災のときにあった実際の出来事を追体験し、非常時の行動指針や意思決定とは何かを学ぶ防災マネジメントプログラムです。

Day2『エネルギーの自給自足による持続可能な暮らし』SDGs 7

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エネルギーを自給自足、と聞くと、昔ながらの(原始的な)生活をイメージする方もいらっしゃると思います。
一度もガソリンスタンドに寄らずバイオディーゼル燃料を作りながら車で地球を一周した山田周生さん。彼の実践するエネルギーを自ら作り出す暮らしは、驚くほど現代的であり快適です。
エネルギーを考え、未来の生き方や暮らし方を描くとともに、目の前にあるリソースに縛られず、思い描いたことを現実に変えイノベーションを起こす考え方を学びます。

Day2『焚火を囲んでリフレクションラウンド』

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2日間のインプットを自身の中でゆっくり咀嚼し、参加者同士で感じたことを語り合うリフレクションラウンド。焚火を囲んで、波の音を聞きながら静かな時間を過ごします。
(ただ、この日は本当に本当に寒かったです…火のありがたさを身に染みて感じた夜でした。)

Day3『森を活かし、再生する 持続可能な自然環境づくり』SDGs15

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森林環境づくりは海の環境づくりにもつながる―特に三陸の地形ではそれが顕著です。
林野火災の被災木の活用、木質バイオマスエネルギーづくりなど、釜石地方森林組合の取り組みから、森を守り、森を活かし持続可能な自然環境を作っていく現場をご覧いただきます。自社に限らず地域内外の多様なステイクホルダーを巻き込む構想力や共創力を学びます。

まとめ

「レジリエンス」とは、人が困難な場面に面した時に、自ら乗り越えていくさまを意味します。まさに、釜石では震災後に多くの人々が自己を変容し続けながら、まちの変革に取り組み復興へと進み続けています。
そんな彼らとの交流や活動体験を通じて、釜石にとって、困難があっても乗り越えられる「拠り所」を考えます。そして、それらを通して自分にとって大切なこと、自分の中の「拠り所」について見つめ直すことで、あなた自身の次なるトライを見つけることができるのではないでしょうか。

ローカルキャリア白書2020ではローカルキャリアで得られる9つの力について記載があります。
①多様性を肌感覚で理解する力
②地域や組織のルールを理解する力
③足元を耕す力
④信頼し合える関係をつくる力
⑤価値を発見する力
⑥はじめてを怖がらない力
⑦プロジェクトを組み立てる力
⑧リソースを活用する力
⑨最後までやりきる力

ラーニングワーケーションのプログラムでは釜石で活動し、ローカルキャリア力を身に着けていった人との出会いや、取り組みから自身の価値観が揺さぶられ、生きること、レジリエンス&トライの精神を学び、人生を切り開く一歩を踏み出す、そんなローカルキャリア力の端緒を感じることができるのではないでしょうか。
2020年にはコロナ禍による働き方、生き方の変化によりワーケーションという言葉が大きく浸透しました。ワーク・バケーションに+αの価値を持つ釜石でのラーニングワーケーションによって、新しい時代を生きる力を育むことができるよう引き続きプログラムの実行や効果についての研究を続けていきたいと思います。

図2


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