STEM Womanを増やしたい
STEMって、なに?と聞かれることがあるのですが、
- Science
- Technology
- Engineering
- Math
この頭文字をとってSTEMといい、科学/技術/工学/数学の教育分野を意味します。
Woman Empowermentの文脈で“woman in stem”はなぜ少ないのか?はよく議論されています。
そもそも、世界的にSTEMを専攻している女子はどれくらいいるのでしょうか?
” According to UNESCO, 29 percent of those in science research and development are women, with a low of 19 percent in South and West Asia and a high of 48 percent in Central Asia. Europe and North America are at 32 percent. In the U.S., 80 percent of STEM jobs are in engineering and computer science but women comprise only 12 percent of the engineering workforce and 26 percent of the computing workforce. In the U.K., women are underrepresented in STEM at every stage of the STEM pipeline. In 2016-17, women students accounted for less than 10 percent of A Level exam entries in computing, 21 percent in physics, and 39 percent in math. Across the 34 member countries of the Organization for Economic Cooperation and Development (OECD), women represent 58 percent of university graduates, but only 20 percent of computer sciences graduates. ”
Source:Global Policy Article
UNESCOのリサーチによると、世界平均は29%。地域別では、東南アジア19%、中央アジア48%、欧米で32%がSTEM領域の女性割合です。アメリカでは、工学専攻(男女)の80%がSTEM領域に関連する仕事につきます。女性となると、12%が工学関連の仕事、26%がコンピューティング関連の仕事につきます。英国となると、大学試験でコンピューターサイエンス学専攻を希望する女性は全体の1割にも満たず、物理学は21%、数学は39%という結果となります。また、34の加盟国からなるOECD統計では、58%の大卒女学生のうち、20%がコンピューターサイエンス学士となるようです。
また、日本の理工系専攻女学生にフォーカスしてみましょう。
国際比較でも圧倒的に低い数値となります。22カ国比較になると一目瞭然の結果です。女性のSTEM領域選択は1割も満たしません。
Source: 教育社会学者舞田氏制作より
次に下記図は、日本の大学専攻学部別男女割合です。理工学はやはりワースト1,2となります。
source: 内閣府男女共同参画局調査資料より
日本の”リケジョ(理系女子)”を増やすには、つまるところ「教育」が必要です。*世界的に増やすためにも同じことが言えます。
ー 幼少期から女子に対する意識啓蒙
ー 娘を持つ親、特に母親への意識改革or意識啓蒙
上記2点がキーになると個人的に考えています。
”Young women need access to information about all types of STEM possibilities and the women who have succeeded in those careers. The media often does not cover these women and as a result women’s career trajectories are less visible.” Source:Global Policy Article
STEM分野の学びが将来どのような可能性を秘めているのか、またその世界で活躍するSTEM女性をどんどん発信することでSTEMに対する興味を引き出すことが少なからず可能となります。未だ、その部分を可視化できていない(モデル数が少ないことも影響)ことも課題としてあげられます。
”An OECD study found that while 15 year-old boys and girls are fairly even in terms of science aptitude, girls have less confidence in their abilities.”
OECDのケースによると、15才の男女ともに科学に対する資質や能力にギャップはないですが、女子は自らの能力に対して「自信がない」と感じている傾向にあるようです。その自信のなさから(能力は男子と比較しても同等にも関わらず)科学分野から離脱する女子がいることも事実です。
上述した「親への教育」にも通づることですが、STEM分野に興味を持つ娘さんに対する激励やサポートがあると「Stay and keep challenging in STEM」し続ける女子が増えると確信しています。
- STEMに興味を持つ娘さんに対して、自信を高めてあげること
*女性で活躍している社会人、起業家などを教えてあげる。男子と能力資質は何も劣ることはないと勇気付けてあげる。また、勉強でつまづいているならば一つひとつ解決できるよう話を聞くなど。
- STEMを選んだ先にどのような未来があるか親御さん自らが知ること
*研究者以外の道もあることなど親御さんが最新の就職事情や起業家事情を知ることが大切。理工系に進むと就職先が狭まる!なんてとんでもない。今は就職先が広がる一方です。
また、理工系を極めれば極めるほど結婚できない、という母親も未だ存在するようです。びっくり!でもほんとにいます。(理工系の可能性について書かれた記事を読めば納得感があるかもしれません)
さて、まとめに入りますが、
STEM分野に女性が増えるメリットはいくつもありますが、
- 35億人の女性マーケットをターゲットした時、最新技術などを駆使した新産業や新製品開発のニーズを想像し開発着手するには「STEM Woman」が適任
- 理工系の能力、素養、知見はあらゆる分野で必要とされていることからジェンダー関係なしに必要とされている(数が必要)
- 理工分野の知識や能力などは定量的判断がしやすいため、ジェンダー関係なしに評価される(フェアに評価することができるため真の実力で勝負ができる)
などなどです。
どの産業や分野にも人材に関するジェンダーバランスが存在することが、良い影響を及ぼすことが少なからずあると考えています。
最後に、過去マイクロソフト社がWoman in STEMのキャンペーンを行なったときに製作した動画です。ぜひご覧ください。
今より一人でも多くの女子(女性)がSTEM分野って”面白そう!”と思ってくれることを願います。
Rie Ohno from Career Fly 大野理恵