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短編小説:門出のお守り

あ、同じペンだ。

彼が書類に署名しているのを見て気づいた。

今年から新入社員の彼。

きっとお祝いにもらったんだ。
分かる。私もそうだった。

きっと今手に持っている部分にはローマ字で名入れしてある。

気恥ずかしい様な今時流行らない様な、でも持っているとどこか誇らしく安心する様な

きっと彼もそんな気持ちだろう。

深い群青色はとても彼に似合っている様に見えた。
彼のことをよく知る誰かが選んだのだろう。
彼の門出のお祝いに。

きっとそのペンはこれからのあなたの人生のお守りになるよ。

旅立ち、おめでとう。

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