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葬式サバイバル③葬式当日のこと

家族が死んだら葬式をする。
病院で亡くなってからうちに帰るまで、はこちら。

葬儀屋さんとの打ち合わせについて、はこちら。

さて今回はようやく葬式当日のお話しです。

と言いながら、前日のお話しをちょっとだけ。
葬儀場に泊っていると、夜に弔問に訪れてくださる方がいます。
葬式や通夜には参列できないけどせめて最後にひとめ、と駆け付けてくださる方が。
夜は葬儀屋さんは会場にいません。でも葬儀場のどこかに「芳名帳」なるものがあります。これを書いてもらうのが大事です。
ありがたくも駆け付けてくださる方もお香典を持ってきてくださる場合が多いのですが、内袋の情報が不足していることが多いです。
だからこその芳名帳、です。
皆さんも芳名帳をしっかり書きましょう!空いたスペースに関係性とか旧姓とか書いてもらえるとこんなに助かることはありません。
あと持参するお香典の内袋に「正式住所(郵便番号必須!)、フルネーム、電話番号」を必ず書きましょう。自分で体験すると分かりますが、情報不足はホントに困ります。

そしてもう一つ。葬儀前にお寺さんに「目録」なるものを書いてお布施と共に持っていく必要があります。
目録は定型文が書いてありますが、日付、名前、金額を筆(筆ペン)で書きます。
お布施の金額で法名が決まるとかなんとか言われます。
分からない場合は金額の相場は葬儀屋さんが教えてくれます。
うちに仏壇、位牌がある場合は、打ち合わせの際に葬儀屋さんが位牌の中から1枚札を預かって持っていきます。それをお寺さんに渡してくれ、お寺さんが法名(宗派によって戒名)を書いてくれます。

さて。
葬式の日の朝は早いです。だいたい1人くらい早めに来てくださる方がいます。
うちやお寺ではなく、葬儀場で葬式をするメリットは、休憩スペースやお茶などがあって早めに来た人が好きにできることです。喪主側は正直なんたらかんたら忙しいです。一人一人にお茶を出したり案内したりする暇はない場合もあります。
葬式が始まるぎりぎりまで「〇〇さんからお花が」やら「〇〇様から電報が」やら、式の進行やらで葬儀屋さんから話しかけられ、その合間に親戚や故人の仕事関係者や友人の方がお悔やみに話しかけてくださり、もうワチャワチャです。

葬式の喪主の大役は「挨拶」です。何が悲しくて悲嘆にくれている時に人に気を遣わなきゃならないんだと思わなくもないですが、葬式のどこかで喪主は弔問に来てくださった方にご挨拶する時間があります。
だいたい葬儀屋さんが持ってきてくれた書類一式の中にご挨拶サンプルなるものが入っています。
使ってはならない言葉などがあります。
宗教によって挨拶の内容や回数は違うかもしれませんが、挨拶は通夜、葬式、出棺、の時にあります。
出棺の時はお礼だけでいい場合もあります。
でも葬式の喪主挨拶だけはたぶん逃れられません。
喪主か代理か、近しい身内の誰かが行う必要があります。
葬式ではみんなお焼香をします。
普段の法事のお焼香と少し勝手が違うやり方です。
後の方はいいのです。みんな前の方を真似てやれば大丈夫です。

でも喪主は真似る人がいません。
ということは喪主は、
①いつもとは勝手の違うお焼香のやり方
②喪主挨拶
の両方を覚えておく必要があります。
葬式当日いろんな方から話しかけられながらも頭の中はそのあたりがウロウロしてて神経張った状態です。

ほんの数日前に家族が亡くなったというのに悲嘆にくれてばかりいられないのです。

そういえば、お葬式の日は朝から水分控え目、人様が来出すより前に御手洗いに行っておくことをおススメします。
弔問の方がいらしたらもう行くことは難しいです。途中休憩があっても、お声かけくださる方やご挨拶しなければならない方がいて、その時間で御手洗い行くことはできないと思っていた方が良いかもしれません。

故人の大事な関係者の方は葬式が始まる前か、休憩かで弔問のお礼を言わなければ、葬式後ご挨拶をする時間はありません。
葬式後はだいたいすぐ出棺です。喪主は位牌(たぶんこの時点では仮)と遺影を持って故人と一緒に霊柩車に乗り火葬場へ向かいます。(葬儀場によっては火葬場が隣接しているところもあります)。

今は葬式の後、初七日の法要まで済ませる形が多いそうです。
その場合、葬式と初七日の法要の間に休憩があります。
葬儀屋さんから流れている曲は故人が好きだった的な説明をしてくれます。
事前に渡した遺影以外の写真も飾られていて、参列者の方は故人を偲ぶことができます。

初七日の法要の後(葬式のみの場合はその後)、棺に花を入れます。
祭壇の花を入れやすいように葬儀屋さんが整えてくれて、参列者の方みんなで棺を花でいっぱいにしていきます。
祭壇の花+供花を使います。
このお花は余れば後で参列者の方に持って帰ってもらったり、葬式後、仏壇に飾ります。
なのであまり少なすぎてもちょっとさみしいことになります。
花でいっぱいにしたら棺に蓋をして出棺します。
参列者の方には出棺のご挨拶をしてここで別れます。
火葬場は親族のみ、という形が多いかと思います。

霊柩車は火葬場へ向かう行きのみで帰りは別の車です。
葬儀場から火葬場の距離がある場合、人数によって葬儀屋さんに車をお願いするか、誰かが車を出すか、など必要になります。
霊柩車に乗るのは2名。1名が写真を、もう1名が位牌(という名の仮位牌。本物の位牌は使わない場合多)

火葬場では遺体と最後のお別れをします。
小さめのエレベーターの扉みたいな焼却炉の入り口から棺を入れ、焼却スイッチを押します。
その後は「お斎(オトキ)」と言われる食事会、という流れが多い様です。
最近は減りましたが、通夜の際の振る舞いや、法事の際の食事も「お斎」と言います。
お坊さんも一緒に膳を囲みます。
お斎を行わない場合にはお坊さんに「御膳料」を渡します。
お斎がある場合にはここでも喪主の挨拶があります。

ちなみに火葬料は自治体によって異なる上、故人がその自治体に住民票があるか否かで金額が変わります。

さああと一息です。
火葬が済むと次はお骨拾いです。
箸の受け渡し方やら詰め方やら独特のルールがあります。
骨は全部は骨つぼに入らないので全身を万遍なく入れ、最後に喉仏を入れます。
分骨する場合にはここで分骨壺に喉仏の骨を入れます。
お骨拾いが終わると葬儀屋さんが骨つぼの蓋を閉めます(結構強引に)。で、棺桶と同じ柄の骨つぼ箱に入れ、これを抱えて帰ります。ぶっちゃけ抱えるとホカホカです。
ここで火葬まで付き合ってくださった方とはお別れし、葬儀屋さんの車で葬儀場まで帰ります。
この時には骨つぼ、写真、仮位牌、参列者からいただいたお香典、と大荷物です。
葬儀場で自分達の荷物や着替えを受け取りお花をいただき引き上げます。
ここからお骨を持ってお寺さんに伺い、お骨にお経をあげてもらい、正式な位牌をもらって帰ります。(この部分は地域によって宗派によって異なるかもれません)

うちに帰る頃を見計らって葬儀屋さんがうちに来て今度はお骨の為の祭壇を作ってくれます。
もうたぶんかなりクタクタです。
でも残念ながらまだ続くのです。

次回は「葬儀後の重大任務」です。

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