【キャリア図解2】「科学的な適職」ー当たる適職診断なんてないー
こんにちは。キャリアデザインラボ代表のミツモトヒトシ(国家資格キャリアコンサルタント)です。
良い人生を送るためのヒントを図解する「キャリア図解」2冊目は鈴木祐さんの「科学的な適職」から気になった部分を図解し、考察していきます。
(記事 約3,500文字 すべて無料で閲覧可能です。)
この記事によって得られるメリット
・転職先を選ぶ上での明確なチェックの基準を知ることが出来る。
・変化の激しい時代における人生の過ごし方を知ることが出来る。
・キャリア理論について知ることが出来る。
動画解説
コチラ ⇩
はじめに
書店でもずっと目立つ場所においてある鈴木祐さんのこの本。何よりも「科学的な適職」というタイトル。自分の迷いに終止符を打ってくれそうでとても魅力のあるタイトルだと思います。多くの論文やデータ等、科学的な根拠に基づいた「適職の探し方」について、本書では7つの大罪・7つの徳目・8つの悪について触れながら体系的に説明してくれています。
いわゆる個人の主観が入った成功哲学であったり、有効なデータに基づかない適職診断が当たるわけはない、というスタンスがまた新鮮です。
鈴木祐さんの本はコチラ ⇩
【図解①】自分だけの「適職の選び方」を編み出す必要がある
鈴木祐さんは本の中で、「すきなことを仕事にしよう」「安定した業種を選ぼう」「フリーランスこそ至高の働き方だ」・・などこれらのアドバイスが問題なのは、その大半が個人の経験や嗜好にしか基づいていない点と指摘しています。
1990年代から組織心理学やポジティブ心理学などの分野で「キャリア選択」に関する研究が進み、精度の高い答えが提示されており、このような知見を活かさない手はないと述べています。
これらのデータを活かしつつ、不確かな人生=VUCA時代※において自分だけの適職の選び方を編み出していく必要があるということです。
※ VUCA時代(出典:グロービスキャリアノート)
【図解②】大きな方向性を決めておく
鈴木祐さんは本の締めくくりにおいて、人生は予想できない節目の連続であり、その節目が来たら「AWAKE」のステップを使い、意思決定を行う。
それ以外のタイミングではただ流れに身を任せ、日々のタスクに集中すべきと述べています。
この「AWAKE」は鈴木祐さんが提示する、前回紹介※したシュロスバーグさんの人生の転機を乗り越える「4S」の一つ「Strategies(戦略)」に該当するものですね。
※シュロスバーグの転機 ⇩
また本の中でも鈴木祐さんが触れられていますが、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ※は「キャリアの80%は思いがけない出来事で決まる」と推定しています。
※クランボルツ「計画的偶発性」⇩
また多くの人たちが目の前の仕事をこなしていく中で、楽しさを見出し天職を見つけだしたと述べています。
世の名において、すべてが自分の思い通りにいくわけではありません。自分でコントロールできることとそうではないことを認識すること、節目節目に自分なりの方向性に結論を出し、節目の都度その方向性を見直しながら進んでいくことが重要です。
【図解③】意思決定力が高まる「AWAKE」
鈴木祐さんの提唱する「AWAKE」がこちらとなります。詳細は鈴木祐さんの本をお読みいただければと思いますが、簡単に触れさせていただきます。
「適職」というのはあなたの幸福が最大化される仕事であり、転職活動においては「視野狭窄」によって職種選びに失敗することが学生の時の就職活動と比較しても多いようです。
この「AWAKE」を用いて適職を選ぶ精度を上げることが出来るのです。
1 Access the truth 幻想から目覚める
後程の図解で紹介する仕事選びにおける「7つの大罪」これらがキャリアを選択するうえで幻想として付きまとうため、まずは払しょくして考えていく必要があります。
特に印象に残った点は「好きな仕事をする」ことが × という内容です。この部分は前回の本田健さんの図解内容と全く異なる主張ですので興味深いところですね。
好きな仕事にこだわりすぎると現実の仕事に対するギャップを抱きやすくなり、モチベーションに影響してしまうため、長期的に見ると仕事の中から好きな要素を見つける人(「適合派」「成長派」のうちの「成長派」)の方が幸福度・年収等のレベルが高いとのこと。
仕事への情熱は注いだリソースの量に比例する。つまり、多忙であればそれだけ情熱も産まれてくる可能性が高い=どんな仕事でも適職になり得るという点も非常に示唆がある内容です。
2 Widen your future 未来を広げる
転職活動を進めると、一つの候補企業が見つかると、その企業に都合のいい解釈を自らが行い、様々な分析を行わずに転職先を決定してしまうことが往々にしてあります。
「視野狭窄」を防ぐため、「7つの徳目」をポイントとして転職先や現職、その他の可能性についてチェックすることが有効となります。
3 Avoid evil 悪を取り除く
いくら自由が効く仕事や達成感のある仕事に就いたとし、働く環境に一つでもマイナスの要素があれば「7つの徳目」がもたらすメリットが無になりかねません。
極力取り除くべき「8つの悪」については後程図解で示します。極力これらは避けた方が無難です。
4Keep human bias out 歪みに気付く
周囲の人間関係や、得た情報など自分の思い込みに合致する情報に偏って誤った判断を下すような「視野狭窄」を避けるため、敢えて彼は○○したと自分のことを記録する「イリイスト転職ノート」や素直に友人の意見を聞くなどいくつかの方法が挙げられています。
「基本的に自分は偏った考え方になってしまっているので、何事も客観視して判断する癖をつけていく必要がある。」と認識することはとても重要です。これはキャリア選択に関わらず人生すべてにおいて当てはまることで、常に念頭に置いておくべき内容です。
5 Engage in your work やりがいを再構築する
ここでは主に「ジョブクラフティング※」について述べられています。仕事を通じてどのような価値観を実現していきたいのか、何を具現化していきたいのか、またそのためにどのように組織や職務に対して働きかけていくのか。
※ジョブクラフティング
仕事の意味合いを再構築してやることで現職へのモチベーションが改めて湧いてくることもあります。変化の激しいVUCA時代においてはこのように変幻自在にモチベーションを再定義してやることが有効となります。(プロティアンキャリア等についても改めて触れていきたいと思います。)
【図解④】7つの大罪・7つの徳目・8つの悪
前述のように、今回の鈴木祐さんの本はこれらの項目とAWAKEを実現する各ワークを中心として文章が構成されています。各項目の詳細については書籍をご覧ください。具体例により、深く理解することができるはずです。
「7つの大罪」に陥らないように、「7つの徳目」に当てはまる要素があるか、転職先や現職、あらゆる可能性について確認しつつ、「8つの悪」が一つでもはびこっていないかをチェックしていく。
こういった作業によって「視野狭窄」を避け、科学的データに基づいたある程度リスクの少ない「適職」にありつけるのかもしれません。
変化の激しいVUCA時代において、自分の納得いく人生を謳歌するために、このような具体的キャリア戦略を持っておくことは非常に重要です。
鈴木祐さん良い気づきをありがとうございました。
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キャリアデザインラボ代表 ミツモトヒトシ(国家資格キャリアコンサルタント)記