元CAが語るキャビンアテンダントに向いている人の特徴3選
「航空会社って、華やかなイメージすぎて自分にはちょっと・・・」
「やっぱり英語が必要なのかしら・・・」
航空業界に興味があり、CAはその中でもいわゆる「花形職業」、というイメージを持たれる就活生の方も多いと思います。
海外を飛び回り、機内では笑顔で接客し、ステイ先では異文化体験を楽しんだりスキルアップにいそしむ。(これは、外側から見たイメージですね)
そんな反面、「私には海外留学経験もないし・・・」「接客のアルバイト経験もないからコミュニケーション能力のアピールが出来ない」と、不安になって、悩まれる方も多いようです。
でも、大丈夫です!!
CAはイメージほどの「キラキラ感」や「華やかさ」はそんなに重要ではありません。(ここは強めに断言します!)
そこで、今回は国内大手航空会社に約13年勤務し、外国人乗務員のインストラクター業務の仕事もしていた筆者の経験、そして現在も航空会社で働いている友人たちに共通する特徴をもとに、キャビンアテンダントに向いている人の特徴を3つお伝えします。
■特徴1 切り替えが早い
1つ目の特徴は、切り替えが早いことです。航空業界や他の仕事でも当てはまるかもしれませんが、CAの場合はダイレクトに必要とされます。
例えば・・
あなたはCAとして、お客様に飲み物を提供しています。
ある男性のお客様は不機嫌そうに「コーヒー」とオーダーし、舌打ちをしながら受け取ると「フン!」とそっぽを向きました。あなたは「何だろう・・ずいぶん不機嫌なお客様だな、何かあったのかな」と思いました。
それでも、他のお客様に呼ばれた際は気持ちを切り替えて笑顔で対応します。
男性のお客様の不機嫌さは、別のお客様には全く関係ないことです。
いろいろなお客様がご搭乗されます。気持ちを切り替えて1人1人のお客様に最高のおもてなしを提供する使命があります。落ち込みを引きずらずに最善を尽くしていく力は本当に大切です。
みなさんは、気持ちの切り替え方法を持っていますか?
リフレッシュする手段や趣味など、自分なりの「気持ちの切り替えスイッチ」は履歴書の趣味欄、自己紹介に盛り込んでみることでも伝えられそうですね。
ちなみに私の同期は大学で歴史を専攻していたこともあり、博物館めぐりや遺跡での発掘のボランティアに参加したりしながら元気にフライトを続けています。
■特徴2 安全に対する強い意識がある
お客様に対して最高の笑顔でおもてなしをする一方、クレームをものともせずに毅然とした対応を求められる状況もあります。
シートベルトサインが点灯しているのに、他の席に移動したくて歩き回っているお客様や、離着陸時に荷物収納に応じないお客様など、他にもありますが、安全に関することは譲れないのです。
上記を見逃してしまうと、他のお客様も追従してしまい、更に安全を脅かすことにつながります。
そして、機内は離陸すると着陸まで密室となり、物理的に他とやりとりができません。
何が起きても機内で臨機応変に対処するしかないのです。
また、安全のために機内では厳密な命令指示系統が存在します。
機長(PIC=pilot in command)を頂点に、客室すべての責任者であるチーフ、その下にCAのなかから選ばれた責任者(インチャージ)が各クラス(ファースト・ビジネス・エコノミー)ごとに任命され、その下で多くのCAが業務にあたります。
CAは緊急時やトラブルが発生した際はインチャージに報告し、インチャージはチーフに報告し、チーフは機長に報告します。
インチャージではないCAでも、〇〇クラスのここまでの客席のお客様を担当する、といったように役割が割り振られています。
上司からは、天候による揺れやフライトプランに沿った指示があるため、時間内に確実に指示を遂行することが求められます。
CAは状況をインチャージに報告しつつ指示を仰ぎ、機内の状況に振り回されず、着実に業務を進めていきます。
どんな状況でも、安全第一なのです!
■特徴3 体力に自信がある
3つ目は体力です。
ロングフライトでは30時間近く制服を着たまま過ごします。途中、CREW BUNK(乗務員が休憩をとる場所。長時間のフライトを行う機体にあります)で交代で横になることもできますが、気は抜けません。
その間に笑顔でお食事やサービスを提供しつつ、機内業務につとめます。
例えば到着する国ごとにSHIP(飛行機)の税関入国書類が変わり、免税品や機内提供するお酒の残り本数を1本ずつカウントし、書類を作成したりすることもあります。
提出書類と差異があったら過料を科せられるので気が抜けません。
ほぼ徹夜状態で集中して行います。そしてコールボタンがなったら笑顔で対応します。
時には、具合が悪いお客様が倒れ、応急処置やドクターコールが必要になったりします。
機内で起きている状況からは逃げられません。状況を冷静に受け入れつつ対処していくのにも体力は本当に重要です。
時差があるため、食事や睡眠の時間は不規則になります。
フライト中は「食べたくなくても今食べておかないと、あと何時間食べられない・・・」なんて状況もよくあり、全く食欲がなくても、日本時間の真夜中でも、食事することがあります。
イレギュラー時に、CAが腹ペコで力がでなかった、は無しなのです。食べられる時にしっかり食べて、休むときはしっかり休む。保安要員なのです。
(いつ揺れるか、お客様に呼ばれるかわからないので早食いのクルーは多いです)
テニスやスキー、ゴルフなどのスポーツに、滞在先で時差解消と体力づくりの為励むこともあります。
どんな時も健康なコンディションで臨み業務に取り組む。限られた空間の中で知恵を出し合いチームワークで笑顔で乗り切っていく。
意外と体育会系な現場かもしれません。
■まとめ
この記事では元CAが語るキャビンアテンダントに向いている人の特徴3選をお話しました。
3つの特徴を改めてお伝えすると、以下の通りです。
特徴1 切り替えが早い
特徴2 安全に対する強い意識がある
特徴3 体力に自信がある
特徴をまとめると、「強い安全意識を持ちつつ、にこやかにてきぱき対応していく笑顔の人」がキャビンアテンダントに向いている、といえるでしょう。
ただし、上記の特徴にあてはまらないと感じても採用される可能性は十分にあります。
私が勤務していた航空会社でも本当に様々な個性の方がいらっしゃいました。今回のご紹介はぜひ参考程度にとどめておいて下さいね。
ここからは余談ですが・・・
筆者は、何かご事情がありそうなお客様には、機内販売や飲み物を下げる時などに積極的に笑顔でお声がけしていました。
すると、「実はさあ・・」と、ご搭乗までに何らかの行き違いやトラブルがあった、などPAX INFO(地上から引き継がれるお客様情報)に載っていない出来事をお話下さる方もいらっしゃいました。
すぐお客様の事情を報告すると、上司が機内全体で情報共有して対応して下さったこともあり、会社への大きなクレームにはなりませんでした。
一方で、機内でのさまざまな出来事も、グランドスタッフをはじめとした地上の仲間がフォローしてくれていることもあります。
地上も空も力を合わせてお客様ひとりひとりに真摯に向き合うことの大切さを感じました。
(ちなみに、上記のようなケースのお客様方は皆様、弊社の大ファンになってくださいました。有難い事です。)
航空業界をはじめ、就活で「難関」とよばれている業界で働きたいと考えている就活生の方は「キャリアアカデミー」にぜひお越しください。