#23内定に繋がらない自己PRとは①
「理想の出来事」からエピソードを探そうとする
「自己PRを書きましょう」となった時、皆さんはどんなことから考えますか?自分の良いところを探そうとする一方で、「何か、面接官の印象に残るようなエピソードはないかな?」という事を探す方が多いのではないでしょうか?
確かにエピソードは大切ですが、「カッコイイ」「映える」「強い」エピソードを見つけようとして、迷走した結果力尽きて「私には自己に書けるようなエピソードがない」と落ち込んでしまう方もいらっしゃいます。
一方で「私は部活で部長をやっていたので、自己に書けるエピソードがあります」とか「アルバイトで凄い経験をしているからそれを自己PRに書きます」と自信満々な学生もいますが、彼らの自己PRは「エピソード先行型」という、ただエピソードを自慢したいだけの内容になりがちです。
例えば、有名な外資系のカフェチェーンで2年間アルバイトをしている学生の自己PRです。学生の中でも人気のアルバイト先であるカフェでの経験も、この学生にとってはアピールポイントだと感じており、そのアルバイト先で起こったトラブルに対処したという事を自己PRで伝えたい、というものでした。
「私の強みは、どんな状況でも臨機応変に判断し、相手の気持ちに寄り添った対応を出来る事です。私はSというカフェチェーンでアルバイトをしています。バリスタとして、任される仕事も多く、新人アルバイトの指導も担当をしています。ある悪天候の日、私がアルバイトをいている際に、落雷によって店内が停電してしまう事がありました。停電がしばらくの時間続いたので、暗い店内でお客様が不安な様子でした。また、電気が使えないので、新しい商品を作る事が出来ません。そこで私は、既に作ってあったコーヒーを試供品としてお客様に配りながら、お客様に声を掛けました。私が話しかけた事でお客様も安心していただけました。」
確かに、落雷で店内が暗い中、お客様の不安を和らげたという、一見すると良いエピソードに見えます。但し、彼女は「どんな状況でも臨機応変に対応し、相手に気持ちに寄り添う」事が強みだと言っているので、落雷に匹敵するようなトラブルを他にも経験したか確認したところ「経験はありません」ということでした。落雷まではいかなくても、トラブルに対しての対応をした経験は?と聞いてみても「トラブルがあっても、他の人が対応をしてくれる」という返答。。。
今回のエピソードを更に詳しく聞いてみると・・・
たまたま、落雷というトラブルに遭遇し、実は社員の方の指示に従って対応してコーヒーを配ったというのが真相でした。但し、お客様に声を掛けたのは「自分の判断」だったそうです。
彼女にとって、アルバイト中の落雷のトラブルに遭遇し、対応をしたことが強く印象に残っていた事から、「アルバイトでのエピソードを伝えよう」という気持ちになったのでしょう。しかし、話を深く聴いてみると、彼女の良さが見えないどころか「珍しいシチュエーションの体験談を話したいだけ」という内容となってしまいます。
残念ながら、これでは内定に繋がりません。エピソードを「自慢話」や「体験談」だけで終わらせない事が大切です。その為には、エピソードを考えるとき「自分の強みを証明するエビデンス」と考えてみる事をお勧めしています。この「エビデンスとして考える」という事は、また後日お伝えできればと思います。
自己PRのエピソードは、自分の強みを証明するためのエビデンスです。相手があなたの強みをイメージしてくれる経験を思い出して表現しましょう。