技術英検試験対策一問一答英訳問題集[プロフェッショナルレベル編]
これは技術英検プロフェッショナル試験に必要な表現や工業知識、工業単語を身につけるための英訳問題集になります。別記事に技術英検試験対策一問一答英訳問題集というのも出してますが、そのプロフェッショナルレベル版みたいなものです。
プロフェッショナル試験は、TOEIC900点を遥かに超える超難関試験です。この試験を攻略するためには、技術英語特有の表現方法(3Cなど)や工業知識、工業単語力が必要になってきます。特に設問2,3ではハイレベルな工業単語が出題されるので、非常に多くの単語を覚える必要があります。
以下はプロフェッショナル試験設問2の出題例になります。日本文を英訳する問題です。
[問題]
電磁石とは、電流により電磁場を発生させる磁石である。電磁石は、軟鉄や鋼鉄の心のまわりに、通常は銅線やエナメル線などのワイヤを巻いてできたコイルである。この鉄心は、電流がコイル内を流れるときに強く磁化し、電流が切れると完全に磁化が消える。電磁石には、材料を保持するだけのために設計された運搬用と、ある一定の距離まで力を及ぼして何かを動かすために設計された牽引用がある。吊り上げ磁石は、運搬用電磁石の一例である。牽引用の電磁石は、可動部分があるほとんどすべての電気機器に使われている。その適用範囲は、大型のモーターからとても小さい中継器に及ぶ。
[解答例]
An electromagnet is a magnet in which a magnetic field is produced by an electric current. It is a coil of wire, usually copper wire or enamel wire, wound around a core of soft iron or steel.The core is strongly magnetized when the current goes through the coil. Turning the electric current off makes the magnetic force completely disappear. Electromagnets may be portative (designed only for holding a material) or tractive (designed to exert force over some distance and move something). For instance, a lifting magnet is a portative electromagnet. Tractive electromagnets are used in practically every electrical device that has moving parts, ranging from huge motors to tiny relays.
(参考:日本工業英検サイト)
この問題を解くには、電磁石や電磁場、導線、磁化などの単語や知識を知っておく必要があり(辞書は引けますが、時間的に厳しい)、また技術英語特有のルール(3Cなど)に沿って書く必要もあります。この問題集では、英訳していくことでこれらの力を身につけられるような問題構成になっていますので、是非プロフェッショナル試験受験を予定している方は活用してみてください。また技術英訳のPointも下にまとめていますので、問題を解く際の参考にしてみてください
技術英検プロフェッショナル試験で正答率75%を超えるための戦略
<技術英検英訳のpoint>
1. 3Cの原則を守る(correct, clear, concise)
1.1 Correct(正確)な文を書くには
>文法、単語、用法などを正確に使う。
1.2 Clear(明確)でConcise(簡潔)な文を書くには
>SVOを活用する
→SVOが5文型の中で一番強い印象を与えることができるので、SVOで書くことで明確で簡潔な文になる
>強い動詞を使う
→動きを具体的に表せない弱い動詞だと、明確な文にならない
>能動態を積極的に使う(受動態を減らす)
→能動態の方が強い印象を与えられ、かつ語数も減らせる
>否定形ではなく、なるべく肯定形を使う
→語数を減らすことができ否定的な印象を与えずに内容を伝えられるから
>なるべく短い文にする。長くなりそうなら、2文に分けることも考える
→長い文だと読みづらくなるため
>関係代名詞の非制限用法を活用する
→長い文を、短い文に区切ることで読みやすくなる
→ソフトに因果関係を表すことができ、また英文の流れがよくなるので、 読みやすくなる。
>前置詞を正しく効果的に使う
→前置詞を正しく効果的に使うことで、様々な関係を読み手に具体的にイメージさせることができる
>分子構文を使う
→語数を減らすことができる
>*複合形容詞を使う
→語数を減らすことができる
*2語以上の語が他の語を修飾する場合、その2語以上の語を合わせて「複合修飾語( compound modifier )」と呼びます。特に、修飾される語が名詞の場合の複合修飾語を「複合形容詞( compound adjective )」と呼びます。2語以上例:an iron-free alloy (鉄を含まない合金)
2.「もの」を主語(無生物主語)にして文を作る
>「もの」を主語にすることで客観性を高められる
<一問一答英訳問題>
上記の技術英検英訳のpointを参考にしながら問題を解いてみてください。
(問)次の和文を英訳しなさい。(技術英検/旧工業英検過去問類似問題,オリジナル問題)
[]植物は光合成により太陽光エネルギーを利用して二酸化炭素と水を年間約2400億トンのデンプンや糖に変換する。
解)Plants convert carbon dioxide and water into about 240 billion tons of starch and sugar a year using the energy of sunlight through photosynthesis.
<point>
→convert A into Bで「AをBに変換する」という意味で、技術英検最重要表現になります。
<覚えるべき単語>
光合成/photosynthesis 10億/billion デンプン/starch
[]光合成は次の3つの化学反応から成り立つ。①葉緑素で捕らえた太陽光のエネルギーで水を分解し、電子をため込んだ物質を作る「光化学反応」②この電子で二酸化炭素から酸素を取り除き、残った炭素から有機化合物を作る「二酸化炭素固定」③得られた有機化合物を結合してデンプンにする「デンプン合成」
解)Photosynthesis consists of the following three chemical reactions: (1)photochemical reaction, which decomposes water using solar energy captured by chlorophyll to form a substance containing accumulated electrons; (2)carbon dioxide fixation, which uses the electrons to deoxidize carbon dioxide and forms organic compounds from the remaining carbon atoms; and (3)starch synthesis, which combines the resulting organic compounds into starch.
<point>
→セミコロンを使えるようになると、上記のような複雑な文も簡潔な文にすることができます。セミコロンには2つの役割があります。
①関係のある2つの文を繋ぐ
例:Playing the guitar once made me bored; now it makes me happy
②コンマを使うと分かりにくい状況でコンマの代用として使う
今回の問題は、この役割としてセミコロンは使われています。技術英検で主に使うのはこの役割としてです。
例: The book is made up of three parts: part1, an introduction; part2, a body; and part3, a conclusion.
→「得られた有機化合物」を、the resulting organic compoundsで表現しています。このresultingは技術英検試験で非常に役立つ表現なので是非使いこなせるようにしておきましょう。
<覚えるべき単語>
光合成/photosynthesis 光化学/photochemical 分解する/decompose 葉緑素(クロロフィル)/chlorophyll ため込む/accumulate 電子/electron 固定/fixation 脱酸(酸素を取り除く)/deoxidize デンプン/starch 合成/synthesis
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