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【コンサル転職の準備③】 元アクセンチュア社員による戦略(ストラテジー)チームのケース面接対策を公開

こんにちは。コンサル業界の転職に役立つプラットフォームcareersuiteを運営しています。株式会社Liquet転職エージェントのオオスミです。

弊社では転職希望者と転職支援に関心がある企業のOBOG現役社員との模擬面接を実施し、業界の理解を深めながらミスマッチが少なく内定率の高い転職活動をサポートしております!

今日は元アクセンチュア ストラテジー社員によるケース模擬面接の様子をご紹介いたします。

内容を録画、文字起こしした物となっており、多少の誤字、表記違いはご了承いただけますと幸いです。

しかし、やりとりは実践に近い物となります。ご自身でも考えながらぜひご覧ください!


ケース面接は昨今行わない企業も増えておりますが、戦略コンサルやストラテジーチームでの採用ではかなりの高確率で行われます。
実際、戦略コンサルの中途面接では複数回の面接で毎回ケース面接が行われます。
コンサルタントとして最も求められる「思考力」を試す上で欠かせない物と言えます。
また思考を表現する「ディスカッション力」が大きな評価点となります。

なので、極力実際に近い模擬面接を体験しスキルを向上させていただくことが内定への近道です。

実践さながらの様子がお役に立てば幸いです。


それでは、どうぞご覧ください


今回のお題

①MicrosoftのSurfaceの国内の市場規模を算定する
②Surfaceの今後の成長戦略を描く。例えば売り上げを1.5倍に上げる施策。


模擬面接スタート


メンター
ちょうど私がノートPCを新調したので、PC系の問題にしましょう。今ノートPCとか何使ってますか。

求職者
Microsoft のSurfaceです。

メンター
なるほど。フェルミ推定とその後成長戦略という、定量的なものと定性的なものをやろうと思います。まず、小問1としてMicrosoftのSurfaceの国内の市場規模を算定する問題をやっていただければと思います。

メンター
もし前提確認が必要なことがあれば聞いてください。時間は一旦5分で切ろうと思います。

求職者
わかりました。

メンター
途中で終わったらもう一度切ってもらってもいいですし、時間を追加したければ追加で伸ばすこともできるので、一旦5分で切ろうと思います。

求職者
特に質問はございませんので、始めてもよろしいでしょうか?

メンター
はい、お願いいたします。今から5分計りますね。

求職者
今からですね、スタートいたします。お願いします。



試算時間

皆様も5分で考えてみてください






(5分後)



メンター
はい、5分になったのでお願いいたします。

求職者
Surfaceの国内の1年間の市場規模について、1200億円と推定しております。

メンター
はい。

求職者
算式は、SurfaceのPCの国内にある数×平均単価×買い替え年数で計算しています。ノートPCの数は大体500万台、単価は平均12万円、買い替え年数は5年と計算し、1200億円としています。ノートPCの数についてはPCを使う人口とSurfaceを選ぶ割合に分けています。PCを使う人口は社会人とそれ以外、またPCを買う人は汎用的なPCを買う人と専門的な用途で使う人に分けています。

メンター
うん。

求職者
社会人が大体6000万人日本にいて、その中でホワイトカラーが約半分と仮定すると3000万人です。その中で汎用的なPCを買う人と特化的なPCを買う人に分け、2対1として汎用的な方が2000万人としました。社会人以外では6000万人のうちPCを買う方を1000万人として、その半分が汎用的なPCを買うと仮定し、汎用的なPCを買う人口が日本で2500万人と推定しました。

メンター
はいはい。

求職者
次に、Surfaceを選ぶ割合を1/5と仮定しました。これを2500万人に掛けると500万人になります。

メンター
うん。

求職者
計算では1人1台と仮定し、500万人×平均単価12万円×買い替え年数5年としています。12万円についてはSurfaceのグレードを10万円程度のものと20万円程度のものに分け、8対2の割合で加重平均して12万円としました。

メンター
うん。

求職者
まとめると、ノートPCを使う人口×Surfaceを選ぶ割合×平均単価×買い替え年数で、2500万人×1/5×12万円×5年で1200億円と計算しました。

メンター
うん。

求職者
以上です。

メンター
ありがとうございます。実際この1200億円という数字が大きいか小さいかという評価はできますか。

求職者
まだ評価はしておりませんが、日本の人口が1億2000万人で、Surfaceを使う人が500万人と考えると、社会人の中で10人に1人という感じで、妥当な数字かと思いました。

メンター
1200億円という数字から全体の市場を5倍ぐらいとすると6000億円ということで、規模感としては近しい数字になっていると思います。

メンター
PCって私も2台持っていて、個人用と会社から貸与されてるものです。今回の前提はどうなっていますか?

求職者
前提として1人1台で計算しており、社会人であれば私用のものはカウントしていません。貸与されているものという前提です。社会人以外の人は私用のPCという前提ですので、社会人かつ私用のものは計算から漏れています。

メンター
なるほど。個人と法人で分けて計算できているのですね。PCの所有率やSurfaceが基本的にノートPCであることも考慮されていますか?

求職者
はい、すべてノートPCとして計算しています。

メンター
数理式自体は問題ないので、このまま進めてよいと思います。他に算出方法はありますか?

求職者
会社に属しているかどうかをキーにして、会社数×社員数で算出する方法もありますが、会社数のデータがないため、難しいと思います。

メンター
用途以外で分ける方法はありますか?

求職者
社会人とそれ以外で分ける方法がありますが、学生はSurfaceよりもかっこいいPCを買う傾向があります。社会人は使いやすさや持ち運びやすさを重視するため、利便性を軸に考えられると思います。

メンター
用途ではなく世代で分けるということですね。学生、社会人、高齢者というセグメントも考えられるかもしれません。ありがとうございます。

メンター
ここまでをアップとして、このSurfaceの今後の成長戦略を描いて欲しいです。例えば売り上げを1.5倍に上げる施策を考えたときにどういった施策を考えるか、ここについて考えて提案してください。

メンター
数値の評価までできなかったらそこまではなくてもいいですが、少なくともこういう対象に対してこういう戦略を打ち出すという施策の中身までは時間内に考えてください。

メンター
はい。それでは、7分くらいお渡ししようと思いますが、さっき早かったので一旦5分でいきましょう。5分で切って、まだ終わっていなければ延長という形にしましょう。

メンター
何か確認した方がいいことはありますか?

求職者
時間軸については、中長期的な課題として3年、5年という感じでよろしいですか?

メンター
はい、3年、5年で切っていただいてもよろしいです。わかりました。
では、始めます。



試算時間

皆様も5分で考えてみてください






(5分後)






メンター
今ちょうど5分ですが、延長しましょうか?

求職者
大丈夫です。発表させていただいてよろしいですか?

メンター
はい、ありがとうございます。

求職者
発表させていただきます。大きく二つの施策を考えました。まず、Surfaceの市場規模の計算式として、PCを使う割合×Surfaceを選ぶ割合×単価×買い替え年数という形にしましたが、今回はPCを使う割合とSurfaceを選ぶ割合を上げることを考えました。単価を上げるのは現実的ではないので、この二つに絞りました。

求職者
PCを使う割合を上げる施策としては、専門的な用途に特化したデザインのPCを開発し、その層を攻略することが有効と考えます。具体的には、デスクトップ型のPCや高単価なデザイン特化のPCをラインナップに加えることです。これにより、平均単価の上昇も期待できます。

メンター
うん。

求職者
二つ目の施策は、Surfaceを選ぶ割合を増やすことです。現在の5分の1の割合を4分の1に引き上げることを目標とします。例えば、キーボードの打鍵感や赤色のトラックポイントなどの特徴を強調し、コアなファン層にアピールします。また、コンサル業界の経営層に対して営業をかけることで、企業向けのシェアを拡大することも考えられます。

求職者
具体的な数値としては、デザイン特化PCの導入により1000万人の市場から300万人を取り込み、PCの利用者数を2500万人から2800万人に増加させることを目指します。また、平均単価も12万円から13万円に引き上げます。

求職者
次に、Surfaceを選ぶ割合を5分の1から4分の1に上げると、2800万人のうち4分の1がSurfaceを選ぶことになり、計算すると市場規模は1800億円となります。これにより、売り上げは現在の1200億円から1.5倍の1800億円に達することが期待できます。説明は以上です。

メンター
ありがとうございます。いくつか質問させてください。今回の二つの施策ですが、狙っているポイントとしてはシェアを上げることですよね。一つ目もデザイン系の層を取り込みつつSurfaceのシェアを上げるということだと思いますが、例えばAppleのMacBookと競合するのかなと思いました。デザイン系ではそのあたりが浮かびます。そういった競合と対峙した場合に、Microsoftの強みは何でしょうか?あるいは強みでなくても売り方でもいいですが、どのような点を訴求すれば勝てそうでしょうか?

求職者
MacBookを競合として考えた場合、MacBookは性能面では強いですが、キーボードの使いやすさには癖があります。Surfaceの強みはキーボードの打鍵感です。デザイン特化という観点で考えると、操作性の物理的な良さが強みになります。MacBookにはない部分です。例えば、Adobeのソフトを使う際にテンキーのような外付けの操作しやすい部分を付属として提供するなどが考えられます。

メンター
なるほど。確かにスペック性能の中でも、CPUなどの中身ではなく、操作性の部分を強調するということですね。

求職者
おっしゃる通りです。

メンター
そうなると、若い世代にもっとアプローチするというのもあるかもしれません。学生時代にMacBookを使っている人は社会人になってもMacBookを使う傾向がありますから、そのタイミングで訴求するのも一つの方法です。

求職者
そうですね。現実性は低いかもしれませんが、MacBookを使い続ける理由はOSに慣れているからだと思います。ですので、MacのOSをMicrosoftのSurfaceに搭載するというのも一つの手かもしれません。

メンター
なるほど。それで社会人からでもSurfaceにコンバージョンしてもらうというのもありかもしれません。ありがとうございます。もう一つの施策として、コンサル出身の経営者がいる会社に営業をかけるという話がありましたが、これはユニークだと思いました。この場合、会社全体で使ってもらうことを想定していますか?それとも経営企画にいるような人たちに絞って狙っていきますか?

求職者
ディスカッションする中で思いついたことですが、セグメントを絞った方が良いかと思います。例えば、赤いトラックポイントやキーボードの打鍵感にこだわる層は、エンジニアや事務職の方々よりもコンサルに近い職種の方が多いと思います。事務職の方はかっこよさを感じないかもしれませんし、エンジニアは他にこだわりのPCがあるかもしれません。ですので、最初は経営企画のようなところから始めてみるのが良いかと思います。

メンター
なるほど。経営者にPCの営業をかけるのは珍しいかもしれませんが、経営企画向けのPCとして購入を促す際に、赤いトラックポイントやキーボードの打鍵感だけでは決定打にならないかもしれません。商品がコモディティ化している中で、他の差別化要素として何か工夫できる点はありますか?例えば、OA機器とのパートナーシップを組んで、PCを導入してくれたらOA機器も安く提供するなど、何か売り方に工夫を加えることはできませんか?

求職者
売り方としてパートナーシップを組むのも一つの方法です。Surfaceは2、3年に一度買い替えが必要な場合があり、打鍵感が強い方だと早くダメになることもあります。無料で買い替えるサービスを付加するのも良いかと思います。

メンター
なるほど。アフターサービスの充実をうたっていくということですね。
求職者
そうですね。売り方としてはサービスの付加です。

メンター
商品以外のサービスをつけて売るというのは一つの手ですね。

求職者
そうですね。学生向けの廉価版Surfaceを提供し、最初の1台に選ばせるというのもあります。学生に売る場合、Officeアプリケーションを含めたものを提供することで、レポート作成や実験データまとめなどに役立てることができます。

メンター
学生向けにはOfficeアプリを入れて提供するのも良いですね。また、Wi-Fiの契約も一緒に提供するなど、学生のニーズに応える方法も考えられます。

メンター
経営企画向けに考えると、他に何か刺さりそうなものはありますか?

求職者
経営企画向けですか?

メンター
はい。

求職者
Surfaceの強みとして社内独自のアドインツールがあります。パワーポイントやエクセルの便利機能が付いています。経営企画の方はパワーポイントでの資料作成やエクセルでのデータ分析が多いので、こういったツールを無料で提供するのも一つの手かと思います。

メンター
それは確かに良いかもしれませんね。ありがとうございます。では、一旦ここまでにしましょうか?

求職者
はい。


振り返りとFB


メンター
では、振り返りとフィードバックをしていきたいと思いますが、まず振り返ってみていかがでしたか?

求職者
私の弱みとして、いつも計算を焦ってしまい、考え方はうまく出てくるものの、数値をしっかり出し切れずにテンパって終わることが多いです。今回はメンターさんの人間性もあり、落ち着いてケースに取り組めたので、スムーズに進められたと思います。
一方で、フェルミ推定の戦略を考える際、急に感覚的になってしまい、勉強ではどうにもならない部分で不安を感じることが多いです。今回もそのような感じでしたが、全体として落ち着いて話すことができ、メンターさんのフォローもありディスカッションもできたと思います。

メンター
全体として非常にロジカルに考えられていて、コミュニケーションもトップダウンでわかりやすかったです。結論から入って、その後の流れもわかりやすく、聞いている側として非常に理解しやすかったです。特にフェルミ推定の部分は落ちることなく、良かったと思います。算式自体は王道で、買い替え年数を忘れずに意識できていましたし、分解も意味のある分解ができていたと思います。

求職者
ありがとうございます。

メンター
他には、世代で分けるという方法もありましたが、そのあたりは面接官に突っ込まれる可能性があるので、意味のある分解を心がけると良いですね。例えば、個人と法人の部分は、2台持っている人などのケースを考えると良いかもしれませんが、社会人層を法人と考えるという仮説でもフェルミ推定なら問題ないと思います。
ケースの方も良かったですが、最後の施策の具体化と網羅性の担保を意識すると良いと思います。具体的に考えると、セグメントをもっと絞り込むなど、対象を明確にすると良いでしょう。例えば、経営企画部門を狙っているなら、業界や会社の具体的な狙いを説明することが大切です。
また、施策の網羅性を意識すると、課題やニーズを考えやすくなります。例えば、パワーポイントの補助ツールやOA機器、Wi-Fiのセット売りなどの具体的な提案を網羅的に出すことが重要です。さらに、抽象的な層の課題に対する具体的な施策を考えると良いでしょう。

求職者
なるほど。非常に納得できる内容です。ありがとうございました。

メンター
いえ、どういたしまして。質問があれば教えてください。

求職者
面接を受ける際に、フェルミ推定やケースに入る前に「質問がありますか」と聞かれることがありますが、なかなか質問が思い浮かびません。質問をすべきなのか、それとも何かできていないから質問が思い浮かばないのかを教えてください。

メンター
特に気にしなくても大丈夫です。面接官は一旦聞いているだけで、必ずしも質問が必要ではありません。しかし、問題によっては明確にしないといけないものがあり、その場合は質問した方が良いです。例えば、「東京駅のスターバックスの売り上げを出してください」と言われたときは、どこの店舗かを確認する必要があります。

求職者
なるほど。それは先に質問して認識を合わせておいた方が良いということですね。

メンター
そうですね。質問して認識を合わせておくと、面接官も助け舟を出しやすくなりますし、生煮えのディスカッションで終わらなくて済むので、認識合わせをしておく方が良いです。

求職者
わかりました。ありがとうございます。

メンター
あと3分くらいありますが、何か他に気になることはありますか?

求職者
特にありません。レベル感としてはこのレベル感で認識しておけば良いですか?

メンター
そうですね。このレベル感で認識しておけば大丈夫です。

求職者
わかりました。ありがとうございます。気になっていた点は以上です。

メンター
ありがとうございます。抽象的な問題もありますが、しっかり構造化して網羅的に考えれば評価されます。課題起点で考えることも重要です。

求職者
具体性と課題起点、網羅性を意識します。ありがとうございます。

メンター
そうですね。ニーズをしっかりすり合わせることが重要です。

求職者
わかりました。非常に役立つアドバイスをありがとうございました。


あとがき

いかがでしたでしょうか?
今回はかなり完成度の高い内容でした。
実際に戦略コンサルやアクセンチュア ストラテジーチームでの内定を獲得されています。

フェルミで別の角度からの計算式をいくつか考えられていた点、
売り上げ向上施策でも数字に基づいて変化の試算を行いながら、ディスカッションに合わせて具体的に話を変化させていった点が非常に良いですね。

考え方のご参考になれば幸いです!

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