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【コンサル転職の準備⑦】 元BCG社員による戦略コンサル内定者のケース面接対策を公開

こんにちは。コンサル業界の転職に役立つプラットフォームcareersuiteを運営しています。株式会社Liquet転職エージェントのオオスミです。

弊社では転職希望者と転職支援に関心がある企業のOB・OG・現役社員との模擬面接を実施し、業界の理解を深めながらミスマッチが少なく内定率の高い転職活動をサポートしております!

今日は元BCG社員によるケース模擬面接の様子をご紹介いたします。

しかし、やりとりは実践に近い物となります。ご自身でも考えながらぜひご覧ください!


<ケース面接の動向について>

ケース面接は昨今行わない企業も増えておりますが、戦略コンサルファームや総合コンサルのストラテジーチームにおける採用では高確率で行われます。
総合ファームにおいても部門ごとに実施するところと、しないところが分かれてきています。

しかし、コンサルの面接においてはケースを行えば素養は一発でわかるとおっしゃる方は少なくなく、
コンサルタントとして最も求められる「思考力」を試す上で欠かせない物でありながら、また思考を昇華した「ディスカッション力」も大きく試されています。


なので、内定へのステップとして、極力実際に近い模擬面接を体験しスキルを向上させていただくことが効果的です。

実践さながらの記録がお役に立てば幸いです。


<今回の注目ポイント>

今回はお題が二つ行われます。
・事前質問で出題者と目線/スコープをすり合わせることの必要性
に注目してみてください。



それでは、どうぞご覧ください。




今回のお題

・トレーニング用のシューズの需要を求めよ
・トレーニングシューズメーカーの社長だとして競合に対して売上や利益を伸ばしていくためには、どのような施策が有効だと思うか?


模擬面接スタート


メンター
トレーニング用のシューズの需要を求めてください

求職者
はい、承知しました。

メンター
では、始めてください。5分半ほどかかります。


試算時間

皆様も5分半で考えてみてください
(5分半後)










メンター
そろそろいかがですか?

求職者
はい、大丈夫です。

メンター
では、どういったアプローチで考えたか説明してください。

求職者
はい。まずアプローチとして、トレーニングシューズは学校で使うものを除いて、社会人になった人たちが何かのトレーニングの際に使うものという前提で考えました。
ざっくりとシューズの個数×単価で市場規模を計算しましたが、さらに分解すると「持っている人の人数×個数÷耐用年数×単価」という形で考えました。
具体的には、まず個数については基本的に1人1足がデフォルトだろうと仮定しました。耐用年数は1年では短すぎるし、10年では長すぎるので、5年としました。単価はざっくり5000円ほどと見積もりました。

求職者
一番不確実なのが、持っている人の人数です。これを「ジムに行く人の数×所有率」で算出しようと考えました。ジムに通う人については、社会人5年目ぐらいが中心かなと思い、20代未満と60歳以上を除いた労働者人口を6000万人と仮定しました。
そこから、ジムに行く人の割合は20人に1人、つまり5%程度と見積もり、さらにその中の8割が自分のシューズを持っていると仮定しました。結果として、6000万人×5%×80%×1人1足×5000円÷耐用年数5年で、24億円という市場規模を算出しました。

メンター
ありがとうございます。24億円ですね。まず、単価を5000円としていますが、もう少し精緻化できないでしょうか?

求職者
すみません、あまり感覚がなく、普段の靴が1万円くらいだから、量産型のシューズなら少し安いかなと思い5000円にしました。ただ、確かにもっと安いものもあるかもしれません。おっしゃる通り、5000円ではなく、1万円とした方が計算しやすいかもしれません。その場合、市場規模は単純に倍の50億円になると思います。
単価を精緻化するには、どういうアプローチを取れば良いでしょうか?今はざっくり1万円に引き上げましたが、もう少し正確に算出する方法はありますか?

メンター
そうですね。ジムに通う目的によっても変わると思います。例えば、ダイエットや健康目的なら安価なものでも良いでしょうし、逆に大会出場や強度の高いトレーニングを行う人は、もっと高価で丈夫なものを選ぶかもしれません。ですので、目的に応じて単価を分けるアプローチが考えられると思います。

求職者
ありがとうございます。

メンター
はい、目的によって分類するというのも、より正確な計算に役立つと思います。


メンター
一旦ここで切りますね。まず、アプローチの始め方はOKです。ただ、もう少し先のところからフィードバックします。まず、始まる前に質問をしましょう。前提として、これでいいかという確認ですね。今、社会人向けのトレーニングシューズの市場規模を求めるという前提で進めましたが、それで良いか確認すべきです。

メンター
前提として、社会人のトレーニングシューズの市場規模を求めるということで良いですか?という確認を最初にしておくと良いです。そうしないと、終わった後に「いやいや、子ども用も考えるべきだよ」なんて意地悪なことを言われる可能性があります。だから、最初にスコープをちゃんと握ることが大事です。


求職者
スコープを確認するタイミングは、5分の前ですか?それとも後ですか?


メンター
前です。お題が出された時に、「社会人用で良いですか?」と確認した方が良いです。これ、意識しておいた方が良いですね。お題によって、確認すべき質問が変わってくると思いますが、確認すべきなのは、出す数字のスコープです。何を母数とするのか、という部分です。


例えば、市場規模を考えるときに、日本国内で作っているけど、海外に輸出している商品はどう扱うのか、というような前提を確認することがあります。そうした確認を怠ると、抜け漏れが発生することがあります。

この話はとても重要で、コンサルタントは「全体を捉えろ」と言われます。これ、入社したら何度も言われることです。全体を捉えてから次のステップに進むことが重要です。

求職者
承知しました。

メンター
次に進みますが、個数×単価というアプローチで考えたのは良かったです。さらに個数をブレークダウンして「持っている人数×個数÷耐用年数×単価」と計算式を提示してくれたのも良かったです。

メンター
そこからさらにジムに通っている人×所有率というところまでブレークダウンしたのも良かったです。構造化はOKですし、全体のアプローチも良かったです。

メンター
改善点としては、個数や耐用年数のロジックにもう少し根拠を持たせた方が良いです。例えば、「大体1人が持っている数は1つ」と言っても、2つ持っている人や3つ持っている人もいるかもしれません。そのあたりを加重平均で捉えて、「大体1.2個」というようにもう少し精緻化すると良いです。

メンター
また、単価に関しても、5000円とか1万円と言った数字の根拠をもう少し考慮した方が良いです。適当に数字を置いたように見られないように、裏にロジックを持たせることが大事です。

メンター
例えば、1人が1足持っているのが一般的だとしても、2足持っている人が何割かいるというようなデータを示し、それをもとにした加重平均を計算するようプローチが考えられます。

求職者
確かにそうですね。

メンター
ロジックがしっかりあることを示すと、考え方に信頼感が増します。だから、そういった工夫をすると良いと思います。

メンター
次に、労働人口6000万人から5%がジムに通っているという仮定でしたね。そこから、240万人がトレーニングシューズを所有していると算出していました。計算が合っているかどうかも重要なので、きちんと確認してください。

求職者
計算の暗算が苦手で…。

メンター
大丈夫です、ただし選択肢として計算は使わないという前提ですので、しっかり対応してください。

求職者
承知しました。それと、ちょっと戻っても良いですか?

メンター
はい、大丈夫です。

求職者
これと関係ないんですけど、例えばカフェの売上はどこを基にするかスコープを絞りましょうという話があるとします。店内なのか、バーやテイクアウトも含むのかという話です。例えば、店舗だったら席数や回転率、稼働率で求めやすいと思うんですが、テイクアウトやバーが混じってくると、どのように売上を求めるのが良いでしょうか?例えば、スタバのように常に動いている店舗ならレジでの会計数で良いと思いますが、そうではない店舗やバー、テイクアウトが発生する店舗では、外での売上が見えにくいです。それをどうやって求めれば良いでしょうか?

メンター
おっしゃる通り、テイクアウトが含まれる店舗の場合、レジがボトルネックになります。レジの処理能力や稼働率を求めるのが一般的です。ウーバーイーツのようなサービスが絡む場合、ボトルネックは調理場の作業能力になります。ただし、頻繁に注文が入るような店舗はあまり多くないですね。

求職者
確かに、1回の注文でバーでは1~2件くらいですね。

メンター
そうですね。そういった場合、稼働率にこだわらず、その店舗の1時間あたりの注文数を仮の数字として設定しておくと良いです。例えば、ウーバーイーツで1時間に5件の注文があると仮定し、その平均単価を400円~500円とします。そして、昼のピーク時は5件、朝は半分、夜は2倍といった具合に想定します。

メンター
また、雨の日は注文が1.5倍になると仮定して、数字を調整できるように設計しておくと便利です。最初に設定した「1時間に5件」という仮の数字をベースに、時間帯や天候によって数字を調整することで、簡単に全体の売上が変わります。こうしておくと、計算しやすくなりますよ。

メンター
はい。では施策の方をお伝えしてみましょうか。

現状、よく出る質問の一つとして、トレーニングシューズの市場規模を求めるものがありましたね。

仮に、あなたがトレーニングシューズメーカーの社長だとします。シューズはどこの会社も似たような商品で、差別化が難しい中で、競合に対して売上や利益を伸ばしていくためには、どのような施策が有効だと思いますか?


求職者
これも5分ほど考えますか?

メンター
いえ、これはキャッチボールしながら進めていくようにしましょうか。

求職者
なるほど、そうですね。差別化を図るなら、例えば先ほどお話ししたように、健康志向の人たちは安価なものでもよいと考える一方で、パンプアップを目指す人たちは高価なシューズを求めているというのがありましたね。そこで、安価な健康志向の人たち向けに、姿勢をサポートするシューズやインソールを提供するというアイデアが浮かびます。土踏まずをしっかりサポートして、歩くだけで姿勢が良くなり、健康的に運動できるといった機能を売りにするのも良いかと思います。また、インソール自体を単体で販売しても効果があるかもしれません。


求職者
さらに、ジムにシューズを卸すというのも考えられます。ジムにはレンタルシューズを置くところもありますが、耐用年数が短いため、頻繁に交換が必要です。そういった需要に対してジムに直接営業をかけて、シューズを定期的に卸すのも売上を伸ばす一つの方法かもしれません。


メンター
ありがとうございます。今のようにアイデアを出す場面はよくあります。基本的には因数分解した要素のどこかのレバーを上げていくというアプローチです。例えば、ターゲットとなるセグメントを絞り、その人たちが抱えているペインポイントに対して施策を打つというのは非常にシャープなアプローチです。


メンター
さらに、今のような場合、特定のターゲットセグメントにフォーカスするのも効果的です。このメーカーがターゲットにすべきは誰なのか、例えばジムに通う人たちが靴の耐用年数が短いとしたら、そこに焦点を当てた方が良いかもしれません。また、姿勢をサポートするというアイデアに基づくと、若い女性や30~40代の女性がターゲットになりそうです。彼女たちのペインポイントは何か、どんな靴ならより効果的なのか、そういった方向で施策を考えると良いでしょう。


メンター
さらに、ジムにシューズを卸すというアイデアは非常に良い視点です。これまでの販路ではないところを開拓することで、新たな市場を狙えます。ジムで実際にシューズを体験できる場を設けることで、シューズを購入するきっかけを増やすという施策も考えられます。

メンター
プロダクト軸や販路の開拓を意識し、ターゲットを明確にしておくと、C向けの商品の施策は出しやすいですね。ぜひ、そのような観点で考えてみてください。

求職者
ありがとうございます。はい、理解しました。

メンター
まだ時間があるなら、先ほどお話ししたパターンをいくつか網羅して練習しておくと良いでしょう。こうした練習を何度か繰り返していけば、アイデアの出し方もよりスムーズになると思います。

求職者
承知しました。ありがとうございます。

メンター
うん。場数を踏むことで慣れがついて、緊張しなくなるとパフォーマンスが向上しますよ。そこは継続してやっていただければと思います。あとは自信をつけることが重要ですね。

メンター
今回の内容で何かご質問はありますか?

求職者
2つ目のところで、セグメントの特定に関して質問があります。

メンター
はい。

求職者
ポイントの特典やセグメントの特定についてなんですが、セグメントは「この人たちがお金を持っていて、よく使ってくれそうだからここです」といった感じで特定してしまってよいのでしょうか?その後のペインポイントの見つけ方についても教えていただきたいです。今回のケースでは、私は30代の女性なので、何となくその視点で考えましたが、どうやって具体的にピンポイントを見つけていくべきでしょうか?

メンター
そうですね、比較的納得感のある想像で大丈夫です。例えば自分が高齢者でなかったとしても、「高齢者の方はこういったニーズがあるだろう」と一般的に考えることで問題ありません。

求職者
承知しました。

メンター
例えば、高齢者の方々が多くお金を持っているというのは一般的に言われていることなので、高齢者をターゲットにするというのもよくある戦略ですね。

求職者
今回の場合、トレーニングシューズについては、あまり高齢者がジムに行っているイメージがなかったので、高齢者と小さい子供を除外しましたが、それは間違いだったのでしょうか?

メンター
いえ、それは問題ありません。ジムの業態を考えた際に、どの層が最も利用しそうかを見極めることが大事です。たとえば、若い人からお年寄りまで幅広いマーケットであれば、お金を持っている層をターゲットにするのも一つの戦略ですが、ジムは健康志向かつ身体が動ける層に限られるので、高齢者を除外して正解だったと思います。

メンター
ただし、全体の5%くらいの割合という設定については、ざっくりとした感覚で設定されていたようですが、それでも十分です。

求職者
そうですね、感覚的に20人に1人くらいという設定にしましたが、それで良いですか?もう少しロジカルに出す方法はありますか?

メンター
そこは感覚的に設定しても問題ありません。周りの状況を参考にして考えるのも大丈夫です。

求職者
承知しました。

メンター
仮に5%と設定したとしても、それ自体は問題ありません。ターゲットを高齢者にするかどうかはケースバイケースですが、今回のように一番ターゲットになりそうな人たちを選ぶのが良いですね。



メンター
あとは練習を重ねていくことが重要だと思いますので、引き続き取り組んでいきましょう。



あとがき

いかがでしたでしょうか?

今回は1つ目の「売り上げ推定」に関して、2つ目の「売り上げ向上施策」に関しても、前提をしっかり確認して話を進める必要がありました。

特にレバーとして大きいところを日頃の生活から判断して、変数として選んで施作を実行していくことが重要となります。

皆さんのご参考になれば幸いです!

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