【コンサル転職の準備⑦】 元アクセンチュア社員による国内大手コンサル内定者のケース面接対策を公開
こんにちは。コンサル業界の転職に役立つプラットフォームcareersuiteを運営しています。株式会社Liquet転職エージェントのオオスミです。
弊社では転職希望者と転職支援に関心がある企業のOB・OG・現役社員との模擬面接を実施し、業界の理解を深めながらミスマッチが少なく内定率の高い転職活動をサポートしております!
今日は元 アクセンチュア社員によるケース模擬面接の様子をご紹介いたします。
しかし、やりとりは実践に近い物となります。ご自身でも考えながらぜひご覧ください!
<ケース面接の動向について>
ケース面接は昨今行わない企業も増えておりますが、戦略コンサルファームや総合コンサルのストラテジーチームにおける採用では高確率で行われます。
総合ファームにおいても部門ごとに実施するところと、しないところが分かれてきています。
しかし、コンサルの面接においてはケースを行えば素養は一発でわかるとおっしゃる方は少なくなく、
コンサルタントとして最も求められる「思考力」を試す上で欠かせない物でありながら、また思考を昇華した「ディスカッション力」も大きく試されています。
なので、内定へのステップとして、極力実際に近い模擬面接を体験しスキルを向上させていただくことが効果的です。
実践さながらの記録がお役に立てば幸いです。
<今回の注目ポイント>
今回はお題が二つ行われます。
1つはいわゆる売上推計。
もう一つが”売上にとらわれない推計”となります。
特に二つ目の方が、
・すれ違う人数を予想する
・トイレにいる人数を予想する
などトリッキーな角度から出題されるパターンも時折ありますので、参考にしてみてください。
それでは、どうぞご覧ください。
今回のお題
模擬面接スタート
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メンター:まず殺虫スプレーの市場規模に関して算出いただければと思っています。
求職者: はい。
メンター: 今回の試算時間は時間10分程度ですね。
求職者: 1年間の売り上げ規模ということでよろしいですか?
メンター: はい。1年間の売り上げとして算出してください。
求職者: はい、承知しました。
メンター: それでは、よろしくお願いいたします。
求職者: お願いします。
試算時間
皆様も10分で考えてみてください
(10分後)
メンター: そろそろお時間ですが、進捗はいかがでしょうか?
求職者: はい、大丈夫です。
メンター: ありがとうございます。では、結果をお願いします。
求職者: はい。市場規模の回答としては、81億6000万円としました。
メンター: なるほど。
求職者: 売り上げの考え方としては、単価×売れた本数で計算しました。売れた本数について少し分解して考えたところ、購入単位は世帯と企業に分かれると考えました。世帯については、日本の人口1.2億人をベースに1世帯あたり3人と仮定し、4000万世帯となります。各家庭に1本の殺虫スプレーがあると仮定し、5年に1回の買い替え頻度を考慮して、800万本という数を算出しました。
求職者: 次に、企業については、働いている人口を基に1社あたりの平均人数を考え、企業の数を推定しました。20歳から60歳までの働いている人口を4000万人と仮定し、1社あたり50人で割ると約80万社になります。これを5年に1本と考え、16万本としました。最終的に、800万本+16万本で816万本となり、単価1000円を掛けた結果、81億6000万円としました。
メンター: ありがとうございます。購入単位として世帯と企業に分けて考えた点は良かったです。ただ、企業数の方に関してもう少し議論が必要かなと感じました。企業数80万社というのはあるとして、それぞれの企業に1本ずつ殺虫スプレーがあるかというと、少し疑問が残ります。もう1つ何か他のパラメータを加えるとより精緻な結果になると思いますが、何か思いつきますか?
求職者: その過程と会社以外に、他に何か要素を考えるべきということですね。
メンター: はい、そうです。例えば、企業に限らず、店舗や施設といった観点でも考えてみると良いかもしれません。企業数に依存するだけでなく、他の要素も考慮することで、より正確な結果が得られるかもしれません。
求職者: そうですね。おっしゃる通りで、例えば飲食店などではより多くの殺虫スプレーを持っている可能性があります。業界別に分けたり、係数を設けたりすることで、より現実的な数字が出せると思います。
メンター: そうですね。そのように、スカイラークグループのような企業を考えると、1社あたり1本ではなく、店舗ごとに持っている本数を考慮する必要がありますね。
求職者: はい、まさにその通りです。
メンター: では、企業の数に何を掛けると、より精緻な結果が得られるでしょうか?
求職者: 1企業あたりの拠点や店舗の数を掛けることで、より正確な結果が得られると思います。
メンター: そうですね。企業の数だけでなく、オフィスや店舗の数も考慮に入れるべきですね。世帯数の方は1世帯1本という考え方が成り立ちますが、企業の場合はそのように単純化できません。では、別の観点から市場規模を計算する方法としては、どのような考え方が考えられますか?
求職者: そうですね、虫の生息数に基づいて殺虫スプレーの必要本数を逆算するという考え方もあるかもしれません。例えば、対象の虫がどれだけいるかを見積もり、何匹あたり1本の殺虫スプレーが必要かを考えることで、市場規模を算出する方法もあるかもしれません。
メンター: なるほど、そういったアプローチも面白いですね。
求職者: はい。
メンター: 時間が限られているので、フィードバックを簡単に行ってから次の課題に移りましょう。まず、最初に市場規模を明確に示していただいたのはとても良かったです。前回指摘した点を意識して改善されたのが伝わってきました。また、81億6000万円という細かい数字を出されたのも良いですが、計算が複雑になりそうな場合は、数字を丸めて大まかに計算するのも良いです。重要なのは、全体としての正確さよりも、大まかに合っていれば良いというところです。
求職者: 承知しました。
メンター: また、前回も指摘しましたが、隠れた前提を置いて計算する際、説明が足りない部分があると誤解を招くことがあります。特に企業数のところでは、1社1本という仮定が、実際にはどうなのかをもう少し考える必要があります。そこを意識していただければ、より精緻な計算ができると思います。
求職者: 企業の数で計算する場合、その企業がどれだけの規模で殺虫スプレーを必要とするのかを考えるべきですね。
メンター: そうですね。企業数に基づく計算の場合、もう少し細かく分解して考える必要があります。また、企業の規模や業種によっても必要本数は異なるため、そこを考慮に入れると良いでしょう。
求職者: はい、わかりました。
メンター: 全体としては良い考え方でしたが、もう少しパラメータを細かく設
定して計算することで、より精度の高い市場規模を算出できると思います。
求職者: ありがとうございます。
メンター: 他に質問はありますか?
求職者: 今のところは大丈夫です。
メンター: では、次の課題に移りましょう
メンター: はい、ありがとうございます。次の課題に移ります。新幹線で1日に売れるコーヒーの数か、10年間で日本から海外に転居する人の数、どちらに取り組みたいですか?
求職者: 特にどちらも練習でやったことがないので、どちらでも大丈夫です。
メンター: そうですか。では、新幹線でのコーヒー販売は最近減少していると思うので、10年間で日本から海外に転居する人の数を計算していただけますか?
求職者: 10年間で、日本から海外に転居する人の数ですね。
メンター: はい、8分ほどで考えていただければと思います。よろしくお願いします。
求職者: わかりました。
メンター: では、お願いします。
試算時間
皆様も8分で考えてみてください
(8分後)
メンター: お時間ですが、いかがでしょうか?
求職者: はい、大丈夫です。
メンター: では、プレゼンをお願いします。
求職者: はい。結果としては、50万1000人という数字を算出しました。まず、どのように計算したかをご説明します。
求職者: 日本から10年間で海外に転居する人の数を算出する際、まず転居する理由を「仕事上の転居」と「それ以外」に分けました。仕事上の転居については、海外取引がある企業の割合を10分の1(8万社)と仮定し、さらに駐在を命じる企業の割合を5%としました。結果、4000社が該当し、それぞれ1人が転居するものとして、4000人としました。さらに10年間を考慮して4で割り、1000人としました。
求職者: 一方、仕事以外で海外に転居する人については、外国語学部などの卒業生が多いのではないかと仮定しました。1学年あたり100万人、外国語学部の卒業生がそのうち10%(40万人)とし、その半分が実際に転居すると考え、200万人としました。これも10年間を考慮して4で割り、50万人としました。合計で50万1000人としました。
メンター: ありがとうございます。この計算では、日本人が海外に転居する人数をベースにしていただいたという理解で良いですか?
求職者: はい、その通りです。日本人が海外に転居する人数を基に計算しました。
メンター: 少し時間があるので、フィードバックをしつつ、質問も交えながら進めたいと思います。先ほどの殺虫剤の市場規模の算出は、比較的オーソドックスでわかりやすい話だったと思いますが、今回の「10年間で日本から海外に転居する人の数」というテーマは少しややこしいですよね。
メンター: 日本から、という表現で日本人が海外に転居する場合もあれば、現在日本に住んでいる外国人が自国に戻る場合も考えられます。また、例えば1年目に転居した人が5年後に帰国して再度転居する場合、これを10年間でどうカウントするのか、といった点も考慮する必要があります。
メンター: こういった複雑なテーマの場合、まずは「この前提で計算を進めます」ということを最初に提示し、その上で数字を示すのが望ましいかもしれません。
求職者: はい、日本人が海外に転居する人数で計算しました。基本的に、一度転居したら帰国しない前提で進めました。
メンター: 了解です。また、10年間という期間に注目してほしいという面接官の意図もあるかと思います。例えば、前半の5年と後半の5年で何か違いがあるとか、日本人の減少を考慮した結果、10年間全体ではフラットになるとか。時間軸を意識した説明が求められている場合が多いです。
メンター: 例えば、オリンピックの金メダルの数を増やすには、次回のオリンピックで増やすのか、20年後のオリンピックで増やすのかで取れる施策が全然変わってきますよね。こういった時間軸をしっかり意識することで、面接官に評価されることが多いです。
求職者: 確かに、時間軸を意識する必要がありました。
メンター: また、回答時にまず50万1000人という数字を示した後、市場規模のように「この公式に基づいて計算しました」という形で示してもらえると、非常にわかりやすいです。今回のように複雑な場合でも、要点を簡潔にまとめることで印象が良くなると思います。
メンター: 分け方のところで「仕事」と「仕事以外」という形で分けたのも良いと思いますが、より具体的な留学や駐在といったラベリングをしても良いかもしれません。
求職者: 正直、全然わからなかったので、適当に進めてしまいました。
メンター: はい、こういった変り種のテーマの場合、前提や定義をしっかりと確認することが重要です。また、自分で前提を置いて、それを説明するのも一つの方法です。
求職者: わかりました。次回は確認を徹底し、前提を明確にして進めたいと思います。
メンター: そうですね。特に、留学や駐在などで具体的なパラメータを設定し、その説明を意識してみてください。例えば、大学生の留学率が上がる年齢層や、小学生・中学生の低い留学率などを組み合わせて説明すると、もっと説得力が増すと思います。
求職者: ありがとうございます。次回はもっと細かく考えて取り組みます。
メンター: はい、頑張ってください。他に質問はありますか?
求職者: いえ、大丈夫です。
メンター: では、これで終わりにしましょう。お疲れさまでした。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
今回は2回目の模擬ということもあり、1つ目の「売り上げ推定」に関しては大枠良い形となりましたね。
2つ目の「推定」に関しては、前提をしっかり確認して話を進める必要がありました。
皆さんのご参考になれば幸いです!
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