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キャリアコンサルタントとは?
キャリアコンサルタントの資格について
キャリアコンサルタントとは、厚生労働省が定める国家資格です。労働者の職業選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行う専門家です。資格を取得するには、厚生労働省が指定する養成講習を受講し、その後に国家試験に合格する必要があります。
キャリアコンサルタントの仕事は、個人の働き方やキャリアに関する相談に乗り、支援を行うことです。就職・転職支援やキャリア開発支援、キャリア教育など、さまざまな分野で活躍しています。しかし、キャリアコンサルタントという仕事は、まだまだ一般的にはあまり知られていません。また、誤解されていることも多くあります。そこで、この記事では、キャリアコンサルタントの仕事のリアルについて、データや現場の声を交えて解説していきます。
資格を取得している人の活動状況
最初にどんなひとが資格を取得しているのか?
取得した人がどんな仕事をしているのか?
ということを、「独立行政法人労働政策研究・研修機構」が2023年6月21日に出している労働政策研究報告書「第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」をもと説明をしていきます。データだけでは読み解きづらい部分もありますので、実際に実務に関わっていて感じることも合わせてコメントしています。
キャリコン資格の取得者は年齢は高齢化が少し進み、取得の目的も変化
キャリアコンサルタントの資格取得者を年代別に見ると、2006年から2022年にかけて、30~40代が大きく減少し、50代がピークとなり、60代以上が増加するなど、高齢化が進んでいます。ある程度、キャリアを積まれた方が今後の人生の中で自身のキャリアも考えたときにこの資格について知る方も少なくありません。
ポイントは、以前と比べると資格の取得目的も変わってきていることです。
以前は「専門能力を高めるため」「仕事上必要だったため」といった項目がキャリアコンサルタントのの資格取得の主な理由でしたが、直近5年間では「職業人生の将来に備えるため」「定年後経験を活かして社会貢献するため」といった理由に変化しつつあります。これも取得する年齢層の変化も影響しているのかもしれません。
キャリアラボの選考でも志望者の年齢が上がってきているように感じますし、資格取得後の活用方法が変化してきています。以前はキャリコンとして生計を立てる!という社員希望の方も多くいらっしゃいましたが、最近は副業や複数の企業から仕事を兼業で仕事をもらうスタイルの方が増えていると感じます。
資格取得後に活動していない人は約3割
キャリアコンサルタントの資格を取得した人の活動状況を見ると、全体の約3割が実際にキャリアコンサルタントとして働いていないことが明らかになっています。あくまで個人的な見解ですが、キャリアコンサルタント養成講座の受講者のうち、約7割がキャリアコンサルタントとして働いているといわれてもちょっと多すぎるかなという気もします(2023年10月時点の個人的な見解です)。以前よりも企業で勤務されている方の取得が増えているのでそこを含めると、業務の中で関わっている方は増えていると思いますがそれでももう少し活動していない人もいるかもしれない、というのが本音です。
キャリアコンサルタントの活動範囲は企業領域で増加
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仕事内容は企業領域が増加しています。
上の図を見ていただくとわかりますが、真ん中の黄色と緑が大きく伸びているのがわかります。この部分は企業内でのキャリアコンサルタントの活動です。以前は、キャリアコンサルタントの活動範囲は学校やハローワークがなどの公的な就労支援機関が中心でしたが、最近は企業領域でお仕事をされる方の割合がぐっと増えました。
一方で需給調整機関領域(ハロワークなど)や学校領域はほぼ横ばいです。
ただ、キャリアコンサルタントの取得者が増えていく中で割合が横ばいであることがポイントです。実感値としては活動領域は10年前と比べてもかなり増えたと思います。例えば、教育委員会と契約して高校などにキャリアコンサルタントが訪問することも増えています。今後はこうした活動領域は広がる可能性もあります。
社会のニーズとキャリコンのニーズのズレ
最後にこれからキャリアコンサルタントを目指す場合に注意しておいた方が良いことがあります。「社会のニーズ」と「キャリアコンサルタントのニーズ」がいったいしていないことです。
キャリアコンサルタントの資格講座の案内等では、”キャリアに関する悩みは近年ますます需要が高まっています”といった説明をよく見かけます。
たしかに、キャリアに関する悩みを抱える人がめっちゃ増えています。でも、キャリアに関する悩みを抱える人が増えているからといって、必ずしもキャリアコンサルティングを利用する人が増えているわけではありません。
キャリアに関して悩んでいたとしても、必ずしもその解決策として、キャリアコンサルティングを利用するとは限らないからです。
実際にキャリアコンサルティングを利用するには以下の条件を満たす必要があります。
キャリアコンサルティングのを知っている
キャリアコンサルティングの必要性を感じている
キャリアコンサルティングを利用する費用を支払うことができる
皆さんの身の回りで、「仕事に悩んだからキャリコンに相談しよう」となるでしょうか?
正直なところ、まだまだ少ないと思います。
現状は、キャリアコンサルティングの知名度はまだまだ低く、キャリアコンサルタントを利用する人はまだまだ限られています。
また、日本の文化的にもお金を払って相談するということはあまりメジャーでもありません。一方でキャリアコンサルティングは、基本的に有料のサービスです。
そのため、キャリアコンサルティングを利用する人が増えるには、今後、キャリアコンサルティングの価値や効果が認められ、多くの人がキャリアコンサルティングを利用する費用を支払うことに価値を見出してもらう必要があります。
オンラインが今後のキャリコンの仕事を変える?
ただ、コロナ後の大きな変化として「オンライン」が普及したことはキャリア面談の可能性を一気に広げました。今までとは違い、ニーズのある人とサービスを提供する人がマッチングしやすくなったからでです。そこからキャリア相談をす流人も増えていますし、これから少しずつ変わっていく可能性も高いなと感じています。
まとめ
キャリアコンサルタントは、キャリアに関する悩みや問題を抱える人への支援を行う専門家です。人の生き方に寄り添いキャリア支援をしていきたい人にとっては学びも多く、活躍の可能性がある仕事だと思います。
一方でキャリアコンサルタントはまだまだ世の中には普及しておらず、資格だけではすぐに仕事につながるとも限りません。オンラインなどの相談によって、今後の
仕事は変化していくと思いますが、自分の中で何のために資格を取得するか見極めて資格を取得していくことが大切になります。
今回は初回ということで、キャリアコンサルタントの資格とはということではなしをしました。次回はそんなキャリアコンサルタントの収入事情についてお伝えします。
キャリアコンサルタントの給与明細ってどうなっているんでしょうか?
キャリアコンサルタントの稼ぎ方や収入については?
といった、疑問にお答えしてきます。では、また次回に。
最後までお読みいただきありがとうございました。
著者プロフィール 松田剛典
一般社団法人キャリアラボ 代表理事 https://kokoswitch.com
株式会社みらぴか 代表取締役 https://mirapika.jp
ツイッター:https://twitter.com/goten_m
株式会社ベネッセコーポレーションで高校生の進路選択の部署に配属。全国の高校の進路相談会の運営や入試判定業務などに携わる。人材紹介会社の大阪責任者をを経て独立。キャリア支援の仕事を始めて約20年目。複数の大学でキャリアデザイン講座の講師をしながら、北海度から九州まで全国の高校大学を訪問する実践型キャリア支援家。年間3000件前後の面談と、5000件前後のキャリア講座を運営。
2023年保護者向けオンライン相談サービス「みらぴか」をリリース
著書:「はじめての課題解決型プロジェクト」ミネルヴァ書房
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