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英語で実施するキャリアの講義走り終えた

昨日は古巣!2016-2020まで勤務していた大学で、今は非常勤講師として週1だけいっている講義のFinalでした!毎週月曜日がんばったな・・へろへろのカモタニです。

なんでそんなに消耗するかというとAll Englishの半分留学生で半分日本の学生という混合クラスだからです。いろんな学生がいるからとても楽しいのですが、実はこういう場合の講義運営はすごく難易度が高いんです。英語のレベルもバックグラウンドも知識レベルもバラバラなので、難しすぎても簡単すぎてもいけない・・基本を教え、心理的安全性をいかに確保できるか、がカギです。今年も全員がプレゼンまでやりきれたから学生の力でうまくいったと思います。

私は英語は好きですが、話す、インタラクティブに答えるはなかなか難しくて、学生がいい質問してくれてもしどろもどろで情けなかったです・・でもなんとかいろいろなツールを借りてやり切りました。たぶんね・・

最後の講義は、その直前に実施した90秒プレゼン×65名への全体フィードバックと学生の投票による結果発表という内容にしました。

プレゼンはとても面白かったです!自己紹介(StrengthsとかHobbyとかValueなど講義を通じて自分らしいと思うキーワードを紹介)と、2035年のイメージ共有、そのために2025年に何をやるかを発表するというもの。65名と履修者が多いので迷ったけどもう5年間この内容にしています。学生からも「クラスメイトのプレゼンが刺激になった」「スライドを作ることで改めて自分と向き合った」「クラスメイトのことを知らなかった、もしかしたら自分のことも知らなかったかもしれない」など、いきいきした感想が出てくるのでキャリアのまとめのプロセスとしてはこのクラスにはこれが一番いいと思います。

これがプレゼンの評価表 20点満点です

最後にやや小うるさいコメントをしました💦

1 プレゼン資料について
「自分を表現できるプレゼン資料を作って」というテーマだったので、まったくの自由形式としました。もともと示したフォーマット・テンプレートに文字を打ち込んだ形式でもよいが、この機会にオリジナルを創ってほしいという意図を込めたことを話しました。今後、何かの機会に使えるかもしれないし、1分+アルファの自己紹介テンプレにもなる。

今年はオリジナルを作ってくれた学生が多かったですが、5年前はCANVAとかAIもなかったし、4割くらいの学生はテンプレートに文字を書き込む形式のオリジナル度ゼロのプレゼン資料を提出していました。そしてそれは全員日本人学生だった。

プレゼン当日になってクラスメイトである留学生の色とりどりで自由なプレゼン資料を見て「あのように創っていいんだ!」といった学生がいたことはとても印象に残りました。

「資料の形式は自由です、あなたを表現するプレゼン資料を作ってください」といった課題に、てきとーにやるのではなく、その時の自分なりのベストを尽くした形跡が見えるかも大事だと、それは評価項目にも入っていることを確認しました。

2 提出期限について
これはこのまえもちょっと書いたんだけど、期限に遅れてしまいそうな場合・遅れてしまった場合どうするか。私はこのプレゼン課題に関しては厳しくしており、期限までにプレゼン資料を提出しなかった学生には当日投影は見送ってもらっています。

つまりみんながすてきなプレゼン資料でプレゼンをする中、その学生は何も映っていない、白い画面のまえでプレゼンをすることになる。それは事前に、「当日は投影できないから絶対期限までに出して」と念押しをしたうえでの実施です。かなりつらいけれどこれはこれで1つの学びだと思っています。

提出が遅れたときに、「遅れて申し訳ない。このような明確な理由があったのだ、と示す。そのうえでチャンスが欲しいという熱意を伝える」という方法もあることは一応伝えました。もちろん遅れないことが一番ですが、もしも本当に重要な場合でそのようなことがあった場合、ネゴシエーションしてみる価値もあるかもしれない、ということです。

昨日は最終回で、最終回のレポートと講義改善のアンケートを依頼したところ、すでに数名が回答してくれていますが、「毎回の300ワードのレポートが多すぎるし書くことがない」という内容がいくつかみられました。率直に言えていいな!と思いつつ、実はこれは昨年まで5年間実施してきた中では出てこなかった意見で、驚いているし、なるほどーと納得する面もあります。

私はこれは、アウトプットの少なさによるものではないかと考えています。この受講生たちがどうかはわかりませんが、この2年本当に実感していること。AIの威力が強すぎる。英語だって簡単に作れる。だから「講義を経て考えたこと、感じたこと、もっと知りたいことを書く」という自分で文章を作ることが苦痛に感じる人が増えているのではないか、と思います。それはこの講義に限らず、いろんなところで感じていることです。

私の講義はIntroduction to career design だから基本のことを学びます。インターネットにもたくさん転がっているような理論やフレームワークばかりです。そして、それは知っていてもできない。知っていてもやらないことを講義内で「やる」そしてそれを他者と「共有する」、専門家の伴走により学びを深めるから意味があると思っています。

他の大学の講義ですが「この講義でやったことは正直知っていることばかりだった。しかし、やってみるとできない。なのでこの講義で学んだことはやってみてわかることがあるということだろうか。だからいろいろな経験をやってみたいという意欲がわいてきた。」というようなことを言ってくれた学生がいました。まさにそうだと思います。

「リアルな」「上質な」経験、そしてそれをあえて機械を借りないで自分でアウトプットすることが本当に大事だと思います。

だから私は毎回の講義後にこの講義で学んだことはアウトプットしてほしい。ちょろっとではなく、その過程で「あれ、こういっていたけどちがくね?」とか「もう少し自分で調べてみよう」とかいう行動をとった学生もいるし、リフレクションは本当に大事なのです。90分も話を聞いて、他者と意見交換をして「書くことがない」からもう一歩考えてほしい。「何か書くとはないだろうか」と。と書きつつ、まあ、それは90分を運営している教員にも問題があるということかもしれませんね・・とも思います💦今後に生かしますね、貴重な意見ありがとうございます。

ちなみにこの講義の最終レポートは①この講義で印象に残ったこととその理由、自己の変容②ロールモデルを挙げて理由を述べるのいずれかにしています。自分の経験と重ね合わせてよく考えて記述出来ているものが多く、素晴らしいなと思いました。

最後に「とてもためになった」とか「ありがとうございました」などと個別に声をかけてくれた学生がいてうれしかったです。そして数名がLinkdinに申請くれて1人とはインスタ交換もしました。一人のキャリアの専門家として違う関係でサポートしていけたらうれしいです。

そして、実は今期限りで6年間やってきたこの非常勤講師の職を自分から申し出て終わりとすることにしました。このコースが始まってから6年間の道筋はつけれたと思うからです。Introductionでやることはやり切れたと思います。非常勤講師の職を自分から更新終了を申し出ることはなかなか勇気がいりますが、一区切りとして、新たなフェーズに行こうと思います。



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