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【キャリア相談第一回】ロボットエンジニアの現在と未来について



はじめに

はじめまして、キャリア先生と申します!
メーカー(JTC)営業⇒エンジニアに転職し、副業でキャリアコンサルタントをしています。
ご相談者に的確なアドバイスするため、様々な業界のエキスパートの方々にインタビューを重ねているうちに、知見が溜まって来たため、キャリアを考える人のために役立つようような情報をXを中心に発信中です。
https://x.com/career_guidesan
この度、フォロワーの方からキャリア相談の相談があり「ロボットエンジニア」について聞かせて欲しいとのことでしたので、相談者さんと実際にやり取りした内容を記事にしてみました。
(記事の掲載許諾はいただいております)
皆さんにも参考になればと思います!


ロボットエンジニアの現在とこれからとは?

そもそも「ロボット」って?

相談者さん:初めまして! 今日はロボットのエンジニアについてお伺いさせてください!

キャリア先生:はい、よろしくお願いいたします。相談者さんはWebエンジニアをされてるんですよね?

相談者さん:はい、主にアプリのフロントエンド開発をメインに仕事をしてきたんですが、AI時代になり仕事が代替されるのではと言う危機感と、今年32歳になり、自分のキャリアを見つめ直し始めました。
他の業種を色々調べているんですがイマイチ具体的に分からなくて……。子供のころから漠然とロボットが好きだったので、今回、色々教えていただけたら嬉しいです。

キャリア先生:もちろんです! まずですが、「ロボット」についてどういうイメージを持たれていますか?

相談者さん:あー、ガンダムのような大き目の乗り物とか、aiboとかHondaのアシモとか、小型の会話出来るロボットみたいなものとかですかね。

キャリア先生:確かに、どれもロボットではあるんですが、実は市場的には主戦場にはなりえないんですよね。そもそもロボットの定義ってご存知ですか?

相談者さん:うーん。電気で動いて。何かを話しかけてきたり、四足歩行出来たりするものですか?

キャリア先生:いくつか定義はありますが簡単に言うと「プログラムに応じて物理的に動くもの」がロボットです。最も簡単なロボットはラジコン。ルンバや、自動運転は完全にロボットですね。

相談者さん:なるほど! では、aiboもロボットではあるってことだと思うんですが、どんなロボットが主戦場なんですか?

キャリア先生:今後のロボットの主戦場を分類すると、1つ目は転がる系のロコモーション型、アーム系のマニュピュレータ型に大別されます。

相談者さん:ロコモーション型って、ロボット掃除機とかですか?

キャリア先生:まさにそうです! ただ、ロコモーションはアプリケーションがないため、言ってしまうと使い道が限定されます。自動運転の家電と倉庫で稼働する簡単なモノくらいですね。

相談者さん:最近ファミレスでも猫型ロボットが配膳してくれるようになりましたよね。では、マニピュレーター型ってどんな特徴があるんですか?

キャリア先生:掴んだり、押したりできるのがマニピュレーター型の強みです。人間の腕のような複雑な動きも可能で、個人的にはこれからはマニピュレーター型ロボットの時代だと思います!

ロボットの3区分

現在のロボットエンジニアについて

相談者さん:全然知らなかったです。ロボットのエンジニアってどんな方がいるんですか?

キャリア先生:他の電化製品同様、①メカ系 ②電気系 ③ソフトウェア系 に分類されます。この中でロボットエンジニアの専門家は1種類しかいないんですよ。どれだと思います?

相談者さん:うーん、ロボットって銀ピカで、まさしくメカって感じがするから①ですかねぇ

キャリア先生:実はメカのエンジニアは形を作るエンジニアで、他の電化製品のエンジニアで問題ないんです。いや、家電である必要すらありません。

相談者さん:え、じゃあ電気を使うから②の電気エンジニアとかですか?

キャリア先生:これまた、電気エンジニアは、家電を設計出来、所謂電子工作ができれば問題ないと言えます。

相談者さん:ってことは③のソフトウェアエンジニアが、ロボットエンジニアの真骨頂ってことですか!

キャリア先生:まさに! ただし、真の専門家はソフトウェアエンジニアの中でも更に限られると言えます。

相談者さん:けど、そもそもロボットエンジニアの核となるような職種って、レベルがなんだか高そうですね。

キャリア先生:いえ、整理すれば難しくはないですよ! 順番に説明していきますね。

ロボットエンジニアの3分類

ロボットソフトウェアエンジニアの真の専門家とは?

キャリア先生:まず①つ目「全体システム構築」これはインテリアコーディネーターのような感じで配置をする、マネージャーの役割です。例えばプリンターのシステム構築でも考え方は同じで、ロボット業界にいる必要はナシです。

相談者さん:なるほどー、結構外の業界からでも転職しやすい業界なんですねー。他にはどういう職種があるんですか?

キャリア先生:次②つ目は「センサ開発」です。認識アルゴリズムを作っています。しかしこちらも音声認識アプリを作っているエンジニアであれば、ロボット業界にいる必要はありません。

相談者さん:確かに、車載画像センサーの画像認識アルゴリズムをやっていた僕の大学の友人でもチャンスがありそうですね。他にはどうですか?

キャリア先生:③つ目は「インバータ/モータードライバの開発」です。ロボットはモーターで動き「ビタッ」と止まらないといけない。動き続けるだけなら簡単ですが、この動かして、止めるのが難しいんです。

相談者さん:へぇー、動かすことより、ビタ止めが難しいんですねぇ。

キャリア先生:はい。止める際に必要なのがモーター制御で、これが難しいんですよ。モーターをやっていたエンジニアであれば、きっと出来るでしょう。

相談者さん:確かに工場で使うロボット等は、止まる位置がずれると大変なことになりそうですもんね。ソフトウェアエンジニアと一言で言っても、種類が豊富ですねぇー。

キャリア先生:次の④つ目が「強化学習などのAG技術をベースにした行動計画技術の開発」エンジニアです。先の長い緩い行動計画を出すことですね。例えば、緩やかに定期的に考え修正する製品のエンジニアであればできます。どんなものがあるか、分かりますか?

相談者さん:長期的な目標のために定期的に考え直す、、、。車のカーナビとかですか?

キャリア先生:鋭いですね、正解です! 最後に、僕の思う真のロボットエンジニアの専門家の領域、⑤つ目の「線形計画法などを用いた動作計画/モーションプランニングアルゴリズムの開発エンジニア」の説明です。

相談者さん:お、いよいよロボットエンジニアの真骨頂ですね!

キャリア先生:この領域で必要なのは、細かな行動計画を出すことです。0.1秒単位で常々考える必要があるため、常々計算をし続ける必要があります。ロボットが絶対にしちゃいけないことってなんだと思います?

相談者さん:ん~、作業ミス?ですか。

キャリア先生:それもありますが「人に危害を与えないこと」です。そのため常に計算をし続けないといけません。常々計算し続けなければならないので、ローカルのチップ内で計算する必要があるため、簡単な処理しかできない中で工夫も要されます。

相談者さん:なるほどー、確かにこの領域は根幹になりそうですね!

ロボットソフトウェアエンジニアの区分

ロボットエンジニアの根幹部分で活躍できる人材とは?

キャリア先生:その通り、ではどいういったスキルがあれば、この幹となる分野で活躍できると思います?

相談者さん:んー、僕の大学の友人が、東大でロボットの研究をした後、今バリバリのベンチャーで、プログラム開発をしているんですが、彼とか活躍できそうな?

キャリア先生:なるほど。恐らくですが、ご友人の操れるプログラミング言語は、高級言語でしょうね。

相談者さん:Python等操れるので、そうなりますね。

キャリア先生:少しここで読者の方に補足すると、プログラムには種類があり、高級言語は抽象度の高い指示が出せます。低級言語は細かく具体的な指示が出せます。今流行りのPythonなどは高級言語ですね。相談者さんが業務で使っているJavaも高級言語にあたります。

相談者さん:今の流行の主流は高級言語の方ですよね?

キャリア先生:流行りはそうですね。しかし実は、ロボットアームを大量生産している大手企業のエンジニアは低級言語を操り、動作が早く動くプログラムを書いています。

相談者さん:なんと! 低級言語の需要があるんですか。

キャリア先生:ロボット理論はわかるけど高級言語しかできない人より、低級言語が出来てロボットに縁がなかった人の方が活躍できます! 理想は、低級言語が操れ、頭が柔らかく柔軟である程度PJ経験のある方、つまり中年の方ですね。

相談者さん:えー、意外過ぎます!

ロボットエンジニアの根幹「動作計画/モーションプランニングアルゴリズムの開発エンジニア」の一例

ロボットエンジニアの今後について

相談者さん:活躍できる人種について、非常に良く理解が出来ました。
先ほど調べたんですがロボットが参入できる業界として良く「三品市場」というのが挙げられているようですが、実際に、食品、医薬品、化粧品でそこまで広がっていないように見受けられるんですが。

キャリア先生:非常に鋭いですね。参入の余地はあったとしても、今まで人で出来ているんだからロボットを導入しなくても、良いのでは?と、なっています。導入のメリットが明確にある分野でなければ、ぶっちゃけなかなか広がらないでしょうね。

相談者さん:なるほど、そんな分野なかなかなさそうですし、やはり広がっていくのは難しいんでしょうか。

キャリア先生:人がいなくてもロボットだけでなんとかなり、ロボットの台数がたくさん出る分野なら可能性あると思いますよ。個人的に、「農業」はすごく相性が良いと思います。まだそこまで参入もされていなそうですし。

相談者さん:確かに! 可能性がありそうですね。ところで、 そもそもロボットって長期的なビジネスモデルとしてはどうなんですか?

キャリア先生:長期的にロボットビジネスを運用する上での障害って何だと思いますか?

相談者さん:うーんと、ロボットを大量生産できる部品の調達とか、、、?ですか?

キャリア先生:ロボットで一番面倒なのはメンテナンスなんですよ。ロボットも自己監視機能が必要で、1週間に1度、自己診断するようなシステムが必要なんですよ。また、設置する際に、ハードの故障の頻度などモデルまで考えることが重要で、単純に作って、設置して以上終了とは言いづらいんですよね。それも加味し、長期視点を持つことが重要だと考えます。

相談者さん:日本だと、農業くらいしか今後新たに広がる分野はなさそうだし、もう海外に出るしかないんですかねぇ?

キャリア先生:それも悪くないと思いますよ。シンガポールは最近、製造業誘致をしており、ロボット導入するから生産性効率が高いようです。今後のキャリアを考えたら、シンガポールで工場立ち上げや、設備投資等をすると良いことがかもしれません。

相談者さん:なるほど、全然知らない分野でしたが、良いことも悪いこともたくさん聞けて、理解が深まりました! ありがとうございました!

キャリア先生:いえいえ、また何か自分でお役に立てそうなことがあったら、是非!

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