
『聴けずのワカバ』(キャリコン資格取得編)-78
読了目安:約3分半(全文1,384文字)※400文字/分で換算
今後のこと
(いやあ、すごい機会に立ち会っちゃったよ。今回全く出番なかったけど、勉強会のこといろいろ考えちゃったもんなー。やっぱり老舗だからとか元試験委員がいるからってのに惑わされちゃダメだね)
ワカバは今回主人公としての役割を果たしていないことを気にしつつも、勉強会のあり方について考えていた。
(でも、今後この勉強会はサオトメさんが仕切ってくれるんだよね。じゃあ、何かやりやすそう。これから試験までは、おっさんとのマンツーマンレッスンに加えて、武者修行的にサオトメさんの勉強会に参加する方向でいこうかな)
そんなワカバを察してか、サオトメが声をかけてきた。
「ココノエ、今日はいろいろすまんかったな。まさかこんなことになるとは」
「いえいえ、こちらこそずっと誘ってもらってたのに、来たらこんなことになっちゃうなんて、逆に反省しています」
「おいおい、ココノエが反省する必要はないだろう。私の考え方や受験生への向き合い方を見直すきっかけになった大事な日になったよ。イチジョウさんにも本当に感謝しないとな」
「そういってもらえるとありがたいです。おっさ、イチジョウさんにも伝えておきますよ。ところでサオトメさん今後の話なんですが・・・」
ワカバが試験までの話をしようと思ったところでサオトメがかぶせ気味に話し始めた。
「ココノエ、本当に良い師匠を持ったものだ。これなら私も安心だ。ずっとロープレすら出来ていないと思って気にかけていたが、イチジョウさんがついてるなら大丈夫だな」
「あ、いや、まあ、そうですね。でも今後はここの・・・」
「あまりいろんな人から師事されてしまうとココノエも混乱してしまうだろ。それに、私もこれからはここの代表を務めることになる。同じ職場の部下だからといって甘やかしてしまったら、他の受験生に対しても示しがつかない。だからこれまで通り、イチジョウさんに任せるとしよう」
「えー!あ、いや、そうですよね。サオトメさんが言うように部下と上司の関係だと周りも気を使っちゃいますよねー。大丈夫です。私にはイチジョウさんがいますから!サオトメさんも代表、頑張ってくださいね」
ワカバは自分の思いを胸にしまい込むタイプだった。
「おお、ありがとう。ココノエも何だか成長したな。頼もしいよ。じゃあ、私は他の受験生やホルダーの皆さんに挨拶をしてくるから、また明日会社でな」
そういうとサオトメは参加者を集め、今日のお詫びと今後のスケジュールについて話していた。そんなサオトメを遠くで見ながら残念そうにワカバが思う。
(まあ、そうだよね。サオトメさんからしても私がいたらやりづらいよね。代表だしなー。一日ですごい出世したね。ホントびっくりだよ。でも、これからはおっさんのマンツー頼りになるか。まあ、今まで通り、二人で頑張ってくかー)
そんな考え込んでるワカバをみて、今度はイチジョウが声をかける。
「親方、ちょっといいか」
「何、何。そうこっちも改めて言うことあって・・・・」
「親方、これからのことなんだけどな」
ワカバが試験までの話をしようと思ったところでイチジョウがかぶせ気味に話し始めた。
次回の更新は2023/5/11予定です。
*キャリコン・技能士の学科・論述・面接試験対策を希望される方は