『聴けずのワカバ』(キャリコン資格取得編)-72
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ロープレ30回の根拠②
「どうやらこの程度の資格保持者にフィードバックを受けているようなら、ここに参加している受験生は不憫でしょうがない。元試験委員さんのノウハウは何も教えていないのか。俺はただ、そこまで力説できる根拠を知りたいだけなんだが」
イチジョウが代表へ詰め寄るのをみたサオトメが慌てて割って入る。
「イチジョウさん、気持ちは分かるが、代表もこの勉強会に全て関わっているわけではない。あくまでも彼はこの勉強会の取りまとめはしているが、実質私が資格保持者の面倒も見ているというのが現状だ。だから私から少し説明させて欲しい」
サオトメの悲痛な言葉にイチジョウは耳を傾けた。
「たとえば、30回ロープレしないと合格が難しいというのは、ある程度根拠はある。それはこのような理由からだ」
そういうとサオトメはホワイトボードに根拠を書き始めた。
「もちろん受験生によって、学習期間もロープレの回数も全然違うが、平均値をとって、ある程度数値化できる回数が30回ということだ。この話はあくまで私が考えた持論になるが、概ね一般論としてもこのような見解だと考えている」
サオトメが根拠を提示したが、ワカバがふと言葉をもらす。
「でも、結局合格するかどうかは分からないんじゃ・・・」
それを聞いたイチジョウがすかさずフォローする。
「まあ、確かに合格者との関連性が示されていないから、ただ受験生がどの程度ロープレするのかという数値しかないが、何もないよりは・・・ね、サオトメさん」
「そ、そうだね、ココノエが言うことも分からんでもないが、実際はロープレの回数と合格者の人数に相関性があるかは不明なのだよ」
苦し紛れのサオトメの発言にまたしてもワカバが確信をつく。
「じゃあ、合格するためにロープレ30回って根拠ないんじゃ・・・」
「また、振り出しに戻ったよ!ややこしくなるから、親方は黙っとけ!」
イチジョウはもはやどちらの立場か分からないが、少なくともサオトメとは連携しようとしているようだ。そして、すっかり話題がそれてしまった代表にイチジョウが再度質問を投げかける。
次回の更新は2023/5/3予定です。
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