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【更新予定者必見!】 キャリアコンサルタントの更新申請4つの注意点

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 今回、キャリアコンサルタントにとって避けて通ることができない5年毎の更新申請について調査いたしました。ただ、最初に申し上げておきますと調査している過程で不満が爆発している箇所が複数ありますので、最初に私の立ち位置を明確にしておきます。

【活動理念】「キャリアコンサルタント」の資格制度には、疑念と憤りを感じているが、「キャリアコンサルティング」の必要性は実感しているため、普及の一躍を担いたい。

 なお、これからお話しする内容は「ジャン・一」自身のことではなく、中の人のお話だと思って聞いてください。正直、つい最近までキャリアコンサルタントであることのメリットがほぼないので、資格を失効しようと思っていました。しかし実際にはキャリアコンサルタント資格を更新する人が多いだろうと推察しています。なぜなら一度失効してしまうと再取得するまでの手続きが少々面倒だからです(これも後から知りましたが、失効については別コラムで纏めます)。

 そこで考えを改めました。まずは自分が人柱になって更新申請を先行して体験し、皆さんへ報告しようと思います。一体いくら費用がかかり、どれほど面倒なのか、そしていかに理不尽な資格制度なのかを事実ベースでお伝えしたいと思います。それでは本題です。本日お伝えする4つの注意点は以下になります。

1.有効期限=申請期限ではない
2.
通知が届いていないかも
3.
講習日=修了証発行日ではない
4.技能
講習より知識講習が危ない

 その前にここでキャリアコンサルタントの更新要件を改めて確認しておきましょう。

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 簡単に説明するとキャリアコンサルタント試験に合格したあとに指定登録機関で登録をします。その後、5年毎の更新のために大臣指定の更新講習を知識講習8時間以上、技能講習30時間以上の合計38時間以上の受講が必要です(一部免除措置等あり)。

1.有効期限=申請期限ではない

 それでは突然ですが、クイズです。以下の「国家資格キャリアコンサルタントWebサイト登録センター」から届いたメールの中でおかしなところが1箇所あります。さあ、どこでしょうか?(名前と日付は仮です)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

【件名】キャリアコンサルタント更新申請期間に関するお知らせ

桐谷 昆 様

いつもお世話になっております。
国家資格キャリアコンサルタント 登録センターです。

キャリアコンサルタント更新申請期間についてお知らせ致します。
更新申請は有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に行う
ことができます。

桐谷様の
有効期間満了年月日 : 2021年05月04日

更新申請可能開始日 : 2021年02月03日
更新申請可能期限日 : 2021年04月04日

更新申請可能期限日を過ぎると更新申請はできません。
資格が失効となりますのでご注意ください。

更新については、国家資格キャリアコンサルタントWebサイトを
ご確認ください。(以下略)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

はい、皆さんお気づきでしょうか?あまりにも文面が自然体で全く悪びれる素振りがないのでつい見落としてしまいがちですが、答えはこれです。

更新申請は有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に行う
ことができます。

 更新手続きが1か月前からしかできないのはどういうことだ!というクレームではありません。逆に1か月前までに更新手続きを完了する必要があるということなのです。まだピンとこないですよね。あまりにも理不尽な条件なので、私も理解するのに結構時間がかかりました。ちなみに運転免許証の有効期間は次のようになっています。

1、更新期間
 平成14年6月の道路交通法改正施行時からは免許証の更新期間が誕生日の前後1カ月間(計2カ月間)となりました。例えば、誕生日が5月5日の人は4月5日から6月5日までが更新期間となります。

 ここまで免許保持者に優しい制度も珍しいのですが、30日前までに完了という資格制度は聞いたことがありません。事前に所定の受講が必要というならまだ分かりますが、国家資格化になった2016年からそのような告知があったわけでもなく、完全に後付の厳しい条件です。更に付け加えると更新費用の8,000円も国家資格化当初は決まっておらず、2年前に決まった金額を正式な発表(告知)もせずにしれっと開示しています(金額の妥当性についても別コラムで纏める予定です)。もしこんなことを許していたら「更新費用が10万円と言われて不満がある人は別に更新しなくてもいい」となるでしょう。これでは受験生やキャリアコンサルタントにとって不利な条件を押し付けられる何でもありの資格制度になってしまいます。

 そもそもこの資格がないと仕事ができないという「業務独占」の資格ならまだしも単なる「名称独占」に過ぎない資格でこれほど厳しい措置が取られるとは思ってもいませんでした。おそらく我々の想いは届かないでしょうが、一応、登録センターにはこの理不尽さは申し入れしておきました(誰も声を上げないと今後も彼らのやりたい放題になってしまいますからね)。

国家資格キャリアコンサルタントWebサイト 登録センター
【お問い合わせ】キャリアコンサルタント登録センター
E-mail: touroku@career-cc.org
メールでお問い合わせの際には、【登録についての問合せ】と件名にご記入の上お送りください。
TEL: 03-5402-5120 FAX: 03-5402-3388
10:00~12:00、13:00~17:00(土日祝日、夏季、年末年始休暇を除く)

2.通知が届いていないかも

 次に皆さん登録証の「有効期間満了年月日」をご確認ください(以下の赤枠部分)。

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【出所】ジモティー神奈川版

 これは推察になりますが、おそらく登録センターからのメールの配信や郵送が始まったのは、2020年10月からではないかと思います。理由は国家資格化になってから最短でも「登録年月日」が2016年の4月以降だからです。ちなみに私の場合、「有効期間満了年月日」から逆算してちょうど半年前(6か月前)に前述した更新案内メールを受信しました。ただし、2020年11月以降はおそらく1年前の配信に変更されているはずです(他のキャリコンに確認しました)。つまり現時点で1年を割り込んでいるのに更新の情報が届いていない方は以下の可能性があります。

・Eメールアドレスを変更した
住所を変更した

 私もうっかりしていましたが、国家資格キャリアコンサルタントWebサイト登録センターのマイページの住所を変更していなかったため、ハガキによる通知は受け取れませんでした。ただし、メールアドレスは変更していなかったため、メールだけは届きました。そんなメールを見たことがないという方は、以下で検索してみてください(現在は変更になっているかもしれません)。

【メールの件名】 キャリアコンサルタント更新申請期間に関するお知らせ
【送信元アドレス】 systeminfo@career-cc.org

3.講習日=修了証発行日ではない

 実はこれが更新するうえで一番危険だと思うのですが、具体的な例を出して説明します。前述した桐谷様の「有効期間満了年月日」は 2021年5月4日でしたから、「更新申請可能期限日」は2021年4月4日です。繰り返しになりますが、2021年4月4日までに申請を完了しなければなりません。しかし現時点で知識講習の8時間が未受講だとしましょう。そこで非常に見つけづらいと悪名高き「厚生労働大臣指定 キャリアコンサルタント更新講習 開催情報一覧」で探して、次の2つのうちどちらを受講するか考えました(以下は仮設定です)。

知識講習A】受講日3/15→修了書発行日:4/5
知識講習B】受講日3/24→修了書発行日:3/31

 「よし、期限も迫っていることだし、少しでも早い【A】を受講しよう!」と思った方、詰んでいます。私も慌てて最悪の事態になるところでした。なぜなら更新申請時に修了書が必要だからです。つまり大事なのは受講日ではなく、修了書発行日になります。このことからも1か月前の申請期限がいかに理不尽であるかお分かりいただけることでしょう。

4.技能講習より知識講習が危ない

 最後にこれまた理不尽なのですが、技能講習は割とたくさんありますが、知識講習が圧倒的に少なすぎ問題があります。知識講習は実施団体も数が限られていて講座も少ないため、2021年4月に更新申請可能期限日を迎える方はほぼ詰んでいる状態です。おそらく今回の更新で知識講習を受けられず泣く泣く失効される方もいらっしゃると思います。巷で会員は特別価格や無料になるということで集客している団体もありますが、実際蓋をあけてみると会員に対して受講枠が少なすぎるため、受付開始5分で完売するプラチナチケット化しているようです。ここまでくると確信犯じゃないかと思ってしまいます。事前に分かっていて受講枠以上に会員を集める手法、これって何と言うんだっけ、えーと鶴とか白鳥に似ている鳥・・・。

 そして私もプラチナチケットをゲットできなかった一般人として、非常に分かりづらいと評判の悪い「厚生労働大臣指定 キャリアコンサルタント更新講習 開催情報一覧」で探して、何とか受け付けてもらえる講座を見つけました(お金はもらっていませんよ)。

一般社団法人地域連携プラットフォーム
 http://careerjp.work/cck
知識講習(オンライン受講)
 2/1(月)~3/31(水)※申込締切は3/17

 決め手は2つ。修了書発行日が間に合うかと価格(コスパ)です。他の講座はどちらかが欠けています。とはいえ今更ですが、こんなギリギリになって更新しようという奴が悪いのです。急に思い立ったとはいえ、文句を言う前にもっと計画的に受講するべきでした。その点は反省しています。登録センターも受験関連団体も早めの受講を推奨していましたし、現時点で更新に必要な38時間をほとんどの方が受講済みでしょう。しかし、ここまでお伝えしたように理不尽な側面がある資格制度であることは事実です。なぜ取得している資格を(言い方は悪いですが)たかが更新するためにこれほど無駄な労力を使わないといけないのでしょうか(更新にかかる費用は別コラムで解説します)。今回はひとまず更新するよう進めてまいりますが、次回以降更新するか見送るかは今後の資格制度の動向をみて判断したいと思います。

まとめ

1.有効期限の30日前が申請期限なのでご注意を!
2.
通知が届いていない方は、メルアドや住所の確認を!
3.
講習日ではなく、修了証発行日が一番大事!
4.
知識講習の受講枠は少ないのでお早めに!

 今回のコラムが更新を直前に控えている方や今後更新の予定がある方のご参考になれば幸いです。お前が言うなと聞こえてきそうですが、皆さんは私のように直前でバタバタと慌てないよう反面教師として、事前に計画を立てて受講しましょう!あと改めて本文を見直すと「理不尽」という言葉が7回も出ていました。理不尽って日常でこんなに使いますかね(笑)。最後までお読みいただきありがとうございました。(ジャン・一)

引用・参考文献

国家資格キャリアコンサルタントWebサイト 登録センター「更新申請について」https://careerconsultant.mhlw.go.jp/n/update.html (2021.2.1アクセス)

林野庁「厚生労働大臣指定 キャリアコンサルタント更新講習 開催情報一覧(2021年01月~03月開催分、2021年1月26日現在)」https://careerconsultant.mhlw.go.jp/n/pdf/update/CourseInfo202101-03_20210126.pdf (2021.2.1アクセス)

林野庁「有効期間があり、更新手続きが必要な主な資格」https://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h16-2gatu/fukyu/sa1.pdf (2021.2.1アクセス)

厚生労働省「国家資格について」https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000099508.pdf (2021.2.2アクセス)

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