見出し画像

理論家まとめ①ジョン・L・ホランド

ジョン・L・ホランド
アメリカの心理学者
1919-2008

ホランドはキャリアはパーソナリティ(性格)と仕事の環境との相互作用の結果として構築されると考えた。

第1次的仮定
①我々の文化圏において、大多数の人は、変実型、研究型、芸術型、社会型、企業型、習慣型の6つのパーソナリティ・タイプのうちの1つに分類されうる
②我々の生活環境は6つのパーソナリティ・タイプに支配されており、環境の特徴も6つの環境モデルで説明されうる
③人々は自分の持っている技能や能力が生かされ、価値観や態度を表現でき、自分の納得できる役割や課題を引き受けさせてくれるような環境を求める
④人の行動はパーソナリティと環境との交互作用によって決定される。

RIASEC(リアセック)

まず、ホランドは個人のパーソナリティ(人の性格)と環境(職業)を6つに分類した。

以下がその6つで、それぞれの頭文字をとってRIASEC(リアセック)で覚える。

現実的(Realistic)
物・道具・機械など秩序的操作が好き
組み立て・修理・プログラミングなど

研究的(Investigative)
物理学・生物学・文化的現象など創造的な研究が好き
科学や医学など、好奇心が強く学者っぽい

芸術的(Artistic)
芸術的作品の創造が好き
あいまいで自由、体系化されていない活動が好き

社会的(Social)
情報伝達、訓練・教育などが好き
他人に影響を与えられるような仕事(キャリコンもこれ)

企業的(Enterprising)
組織の利益などを目的として他人に影響を与えることが好き
リーダーシップを発揮する人、野心的な人

慣習的(Conventional)
情報を秩序立てて整理する行動が好き
簿記や経理・計算など

これら6つの中から3つを割り出して性格を表したものを「スリーレターコード」と言って、全部で120パターンある。

一貫性と分化

RIASECはこれを六角形に並べる。そして、スリーレターコードが、六角形上で距離が近ければ近いほど心理的類似性が高く、一貫性がある。離れてる場合には一貫性がないということになる。

また、特定のタイプの数値が高く、他のタイプの数値が低い状態を分化と言う。すべてが値が高い、逆にすべての値が低い場合は未分化と言って、経験不足などと考えられる。

職業分類辞典

アメリカの労働省が作成した職業辞典(Dictionary of Occupational Titles)=職業分類辞典、「Data(データ)」「People(ヒト)」「Thing(モノ)」に分けて数値化した「DPT分類」だけでなく、「スリーレターコード」の理論が付加され、整理・統合されている。今は職業データベース「O*NET」に置き換えられてる。

VPI職業興味検査

対象者:短大生、大学生以上。

職業レディネス・テスト(VRT)

Vocational Readiness Test

対象者:中学生・高校生。場合によっては大学生でも可。

その他、ホランドの研究を継承した理論家としてプレディガーがいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?