エリ・ギンズバーグ

ギンズバーグは職業選択には長い年月を通しての発達課題が見られることに着目して以下の3点を指摘し、理論化した。

ギンズバーグの発達理論

①職業選択は、一般に10年以上もかかる発達的プロセスである
②そのプロセスは非可逆的である
③そのプロセスは個人の欲求と現実の妥協(後に「最適化」)を持って終わる

その後、この理論は何度も再構築され、「非可逆性」などの概念は修正されたが「職業選択は、生涯にわたる意思決定のプロセスである。それゆえ、個人は変化するキャリア目標と職業の世界の現実との適合をどのようにするか、繰り返し再評価することになる」という発達的観点は変わっていない。

職業選択の3つの発達段階


職業選択の3つの発達段階として以下の時期があるとしている。

①空想期(生後~11歳)
②試行期(11~17歳)
③現実期(17歳~20歳台初期)

そして、研究する中で以下の点を修正している。

・職業選択のプロセスは、成人前期で終わるわけではない。労働生涯の全期間を通じて存在しうる。
・職業選択の非可逆性は、当初考えていたより強いものではない。
・当初用いた「妥協」という言葉は、「最適化」と置き換える。

なので、訂正後は以下のようになっています。

①職業選択は、生涯を通して行われる。
②そのプロセスは、後戻りも可能だが、時間や経費などの損失を受ける。
③職業選択は、個人的要因(興味・能力・価値観)と現実的要因(雇用機会)の最適化の過程である。


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