理論家まとめ⑥ジョン・D・クランボルツ
クランボルツ
アメリカの心理学者
1928年 - 2019年5月4日
バンデューラの社会的学習理論をもとに、キャリア意思決定における社会的学習理論を提唱。
人間は新しい行動を起こしたり、行動を変化していくことが可能な「学習し続ける存在」と強調。
また、変化が激しく不確実性の高まる時代の中で、偶然にもたらされた機会を自らの主体性や努力によってキャリアに活かしていく姿勢が必要と主張。
キャリア意思決定に影響を与える4つの要因
「職業選択行動は、学習の結果であって、過去に起こった出来事と将来起こるかも知れない出来事とを、結びつけて解釈した結果である」とし、その職業選択に影響を及ぼす要因は、次の4つであり、この4つが影響しあって信念・スキル・行動が生まれる。
①遺伝的特性・特別な能力
人種、性、身体条件、性格、知能など
②環境的条件・環境的出来事
求人数、雇用・訓練機会、企業の採用、労働条件、労働市場など
③学習経験
道具的経験:個人がやってみて得られた経験
連合的経験:他人を観察することによって得られた経験
④課題接近(解決)スキル
問題解決能力、労働習慣、精神的構えなど
4要因の結果として、自分に関する信念と仕事に関する信念の2つの信念が存在する。
1、自己観察般化:自分に関する信念。自身のパフォーマンスを評価したり興味や価値観を査定すること。
2、世界的般化:自分を取り巻く環境についての一般化した言語化をするようになること。職業に関するイメージやステレオタイプなど。
クランボルツはキャリアに関する信念を測定するために「Career Beliefs Inventory(CBI)」を作成しました。
計画された偶発性(プランドハプンスタンス理論)
従来のカウンセリング理論では望ましくないとされていた『未決定』を望ましい状態と考えたのが、計画された偶発性(プランドハプンスタンス理論)。
決定をするより「未決定」であることの方が、予期せぬ出来事をうまく新たな学習へ結びつけることができる。
未決定=オープンマインドであること。
計画したことを絶対視するのではなく、未来は予測や計画通りに進まないものとして、それを学習の機会と捉える。
偶然の出来事を積極的に活用し取り入れること。
自分自身の意識や努力によって、偶然の出来事を作り出す行動が重要。
偶然の出来事を個人のキャリアに生かすための5つのスキル
💡こうじ、楽して柔軟冒険
好奇心(Curiosity):新しい学びの機会を探し
持続性(Persistence):失敗しても努力し続け
楽観性(Optimism):新しい機会は実行でき達成できると考え
柔軟性(Flexibility):姿勢や状況を変えながら
冒険心(Risk-taking):結果がどうなる分からなくても行動する