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[8分短編小説]LOVE -恋と愛と永遠と生まれ変わっても君に会いたい-

あらすじ

2040年──王立ドクトリーナ高校、2年生の、少女、ベッルルスは、退屈な授業、常時ログインして居る日常、マメな彼氏、万事順調に、思えた。雨の日、コンビニで、傘を、取り間違える迄は。
2010年──私立ディスケレ大学法学部、2年生、19歳の、ヒエムス・インスラ・ウェルテックスは、カジノ・賭博分野審議官カードマスターを目指し、勉強をしていた。
公立スコラ高校、3年生の、少女、プルクラは、問題ない日々を、過ごしていた。クラスの、人気者の仲良し4人組の、通称、人気者4人組スターフォーの、1人から、誘われる迄は...

カバー写真

公立スコラ高校、3年生、プルクラ

LOVE -恋と愛と永遠と生まれ変わっても君に会いたい-

2040年──王立ドクトリーナ高校、2年生の、少女、ベッルルスは、授業を、聞いていなかった。タブレット、ノートPC、デスクトップPCになる、3 in 1のPCの、2025年頃、登場した、smart board®︎スマートボードを、タッチしている。ミスドクトリーナコンテスト、出場。彼女は、自分でも、結構、可愛いと、思って居る。
2020年代に、リリースされた、comment®︎コメントで、話題となっている、ニュースのコメントを、閲覧、投稿出来るニュースコメント共有サービスを見る。
化粧品の、使い方、おすすめメイク方法が、分かるコスメプラットフォームサービスの2020年代開始の、cosmetic®︎コスメティックで、最新コスメをチェックした。
全ての、商品を、最速で、お届けする、スピードショッピングeコマースの、2020年代に、始まった、speed store®︎スピードストアで、気に入った物を、数点、注文する。
退屈な、授業。常時、ログインして居る日常。マメな、彼氏。万事順調に、思えた。雨の日、コンビニで、傘を、取り間違える迄は。2020年代、開始の、位置情報特定タグ、search tag®︎サーチタグで、「僕の傘です」と、玄関先に、現れたのは、意外な、人物だった。スーツ姿の、高校生だ。どう見ても、自分と、同年代だと、思い、ベッルルスは、質問した。
「貴方は、何の、お仕事を?」
少年が、自信を持って、返答する。
「俺は、ラティオ・ロギスモス・ソキエタース。財務分野審議官ファイナンスマスターだ。」
「ファイナンス...?」
ラティオが、顔に、?クエスチョンマークが出ている、ベッルルスに、説明する。
「公正取引委員会の審議官だ。」
ベッルルスが質問する。

「若く、見える。現役、高校生?」
ラティオが、回答する。
「そうだ。高校、2年生。もう1人、17歳の少女の、カジノ・賭博分野審議官カードマスターも、居る。」
ベッルルスは、思う。財務分野審議官ファイナンスマスターの、仕事を、知りたい。学校と、彼氏とのデートの、繰り返しに、退屈して居た。知らない世界を、知りたい。ベッルルスは、依頼する。
「貴方の、パートナーに、成りたい。」
ラティオが、戸惑う。
「パートナー?君は、彼氏が、居るだろう?」
ベッルルスが訂正する。
「違うの。公正取引委員会で、アルバイトがしたい。」
ラティオが、納得して、返す。
「問い合わせてみる。君の、電話番号を、教えてくれ。」
ベッルルスと、ラティオは、2030年代に、発売された、通話機能に特化した、お互いの、pen phone®︎ペンフォンで、電話番号を、交換する。ラティオが、手を振り、挨拶を、する。

「ポストが、あれば、連絡する。」
ベッルルスは、手を振る。
2010年──smart phone®︎スマートフォンが、広まり、ipad®︎アイパッドも、飛ぶように、売れた。首都空港ウェントゥス人気が、高まり、エコポイント、eco point®︎エコポイント、猛暑特需、LED電球、eco light®︎エコライトで、エコな、生活が、見直された。ノンアルコール、no alcohol®︎ノーアルコール、電子タバコ、light cigarette®︎ライトシガレットは、飲酒・喫煙と、健康を、再定義した。
私立ディスケレ大学法学部、2年生、19歳の、ヒエムス・インスラ・ウェルテックスは、公正取引委員会の、カジノ・賭博分野審議官カードマスター志望で、勉強をしていた。
公立スコラ高校、3年生に、17歳の、プルクラという、少女が、いた。
スコラ高校には、人気者仲良し4人組が、いた。通称、人気者4人組スターフォー
その1人、モートゥスは、渾名あだ名が、『キングモートゥス』で、体育会メータ部の、キャプテンだ。メータは、サッカーに似た、人気スポーツだ。
2人目の、イドルムは、渾名あだ名、『女王クイーンイドルム』。アイドルの様な、美貌で、クラスの、男女に、崇拝され、従えていた。
3人目の、ムーシカは、渾名あだ名、『戦車ルークムーシカ』。高校3年生ながら、プロで、メジャーデビューしている、バンドの、ボーカルだ。
最後の1人、4人目の、アマービリスは、渾名あだ名僧正ビショップアマービリス』。いわゆる、ギャルであり、交友関係が、広く、常に、話題の、中心にいる。
プルクラは、群れない女の子だったが、クラス内の階級スクールカーストでは、人気者4人組達と、同じ、学校の、最上位階級トップカーストに、いた。束縛が、強い、彼氏に、悩む事はあるが、問題無い、日々だった。人気者4人組の、『キング』モートゥスからの、誘いを、断る迄は。
「私、彼氏居るから。」

プルクラは、モートゥスの、試合観戦の、誘いを、やんわり断った。そこから、女子の、虐めが、始まった。
「ちょっと、可愛いからって、良い気に、成っている。」
陰口から、始まり、無視される様に、なった。梅雨の、ある日、傘立ての、傘が、無くなっていた。傷心の、プルクラは、大粒の、雨の中、びしょ濡れで、帰っていた。
「濡れちゃうよ。」
通学路で、1人の、男から、傘を、渡された。
「返さなくて、良い。それでは。」
男は、濡れながら、去って行った。
その男と、また会ったのは、梅雨の、終わりの、曇りの日、だった。プルクラは、話しかけた。
「この間は、有難うございます。ずっと、昔にも、貴方に、会ったことがある気がする。前世かも。」
男は、立ち止まり、「いいえ」と言いながら、答える。
「気のせいだろう。」
プルクラは、質問する。

「どうして、助けてくれたの?」
男が、少し、間を置いて、回答する。
「悲しそう、だったから。心が、濡れたよ。」
プルクラが、表情を明るくし、返答する。
「優しいんですね。」
男が、返す。
「それ程でも。」
男が、プルクラに、質問する。
「何の、帰り道?」
プルクラは、返す。
「部活。貴方は?」
「勉強。大学生で、公正取引委員会の、審議官を、目指して居るんだ。」

プルクラが、続ける。
「お名前は?」
「ヒエムス・インスラ・ウェルテックス。」
プルクラが、依頼する。
「お礼が、したい。」
ヒエムスが、やんわりと、「要らないよ」と、断る。
プルクラが、勇気を、出す。
「貴方と、話したい。」
ヒエムスは、驚いて、回答する。
「君は、モテるだろう。彼氏さんに、怒られるよ。」
プルクラが、「待って」と返答する。
「別れようと、思って居るの。」

ヒエムスは、少し考え、提案する。
「カフェは、閉まって居る。バーで、話そう。制服は、不味いな。」
プルクラが、笑う。
「着替えて来るから、コンビニで、待ってて。」
ヒエムスは、了承する。着替えてきたプルクラは、ヒエムスが思う以上に、大人っぽかった。タイトな、黒い、ワンピースが、夜遊びに、合う。ヒエムスは、ワイシャツに、ジーンズの、小綺麗な、洋服だった。バーで、浮く、ファッションでは、ない。
2人で、タクシーに、搭乗し、港町、フォンスの、バーに向かう。未だ、見習いの、カジノ・賭博分野審議官カードマスター、10代の、女性の、ウェヌスタが、バーテンダーをしていた。ヒエムスが、ウェヌスタに、会釈する。ウェヌスタが、2人に問いかける。
「何に、しますか? 」
プルクラが、頬を赤らめ、回答する。
「柑橘系の、美味しいお酒で。」
ウェヌスタが、用意する。
「ボンベイサファイアに、たっぷり、レモンを、優しく、絞って、シロップを、伸ばして、作りました。」
「サファイアコリンズです。」

「僕は、勇気の出る物で。」
ヒエムスが、返答する。ウェヌスタが、カクテルを、作る。
「テキーラと、カルーアを、混ぜて。」
「ブレイブブルです。」
プルクラが、カクテルを、口に含み、笑みを、溢す。
「澄んだ酸味と、キレが出て...爽やかだ。」
ヒエムスが、カクテルを、嗜み、呟く。
「勇敢な牛と、書いて、ブレイブブルか。勇気は、大切だな。」
プルクラが、問う。
「何故、審議官に成りたいの?」
ヒエムスが、「それはね」と、回答する。
「『初秋』という、小説があってね。」

ヒエムスが、プルクラに、伺う。
「説明しても、良いかい?」
プルクラが、頷く。
「うん。」
「その小説では、主人公、少年ポールの、生まれた環境には、まともな、大人が、いなかった。幼少期に、離婚した、父親と、母親は、傷つけ合うためだけに、ポールを、奪い合った。」
「くだらないゲームの、駒になった、ポールは、主人公の、私立探偵スペンサーに、出会った時、ただ、無気力な、子どもだった。」
「ある時、父親が、母親のもとから、ポールを誘拐し、その捜索を、引き受けた、スペンサーが、ポールを、母親へ送り届けた時、母親は、彼氏と、ディナーに、出かける準備を、していて、無事戻ってきた、息子より、レストランの予約を、優先させた。」
「その日から、ポールは、スペンサーと、暮らし始める。今、何を食べたいか、今日は、どんな風に過ごしたいかを、自分で、考えることのできない、少年に、探偵は、料理・身体トレーニングを、教え、一緒に、家を、建てる。美術館を、訪れ、バレエを、鑑賞する。」
「人を、信じることを、覚え、自分の意志で、スペンサーのもとに、いることを選んだ、ポールへ、スペンサーは、告げる。」
「『自立とは、頼る相手を、両親から、俺に、変えることでは、ない。自分を、頼りにすることを、覚えるんだ』。」
「15歳の、少年にとって、厳しすぎたかもしれない、言葉を、ポールは、しっかりと、受けとめた。秋の季節が、終わって、彼の、冬の、時代が始まった。」
「という、小説なんだ。俺は、まだ中学生の頃、自立すると決めた。それが、審議官を、目指す理由だ。自分で、生きて行く。」

「家まで、送るよ。」
プルクラの、家の、近くで、電話番号を、交換して、別れる。ヒエムスと、プルクラは、通話を、よくした。結構、忙しいが、ヒエムスは、時間を、工面した。夏休みに、デートに、行く事に、なった。当日、フォンス郊外で、待ち合わせして、2人で、流れるプールに、行った。ヒエムスは、2人乗りボートを、借りた。プルクラの、スタイルの良さに、ヒエムスは、少し、驚いた。プールの中、シャワーが、流れてくる、スポットになると、プルクラは、少女の様に、笑った。ヒエムスは、横顔を、眺めていた。更衣室で、互いに、着替えて、出て来ると、プルクラは、浴衣になっていた。ヒエムスは、「綺麗だね」と、褒めた。
花火大会で、花火が上がる度、プルクラは、うっとりした、表情を、浮かべた。花火が、輝く中、プルクラは、ヒエムスに、囁いた。
「私ね、彼氏と、別れたの。」
ヒエムスは、「うん」とだけ、答えた。出店から、少し離れた、公園の、近くで、屋台が、焼きとうもろこしや、おつまみ、お酒を、売っていた。ヒエムスは、人通りがある事を、確認して、プルクラを、連れて行った。屋台の席で、2人で、ビールを、飲みながら、プルクラが、ヒエムスに、お願いした。
「また、好きな、小説の話を、してくれる?」
ヒエムスは「勿論」という風に、応じる。
「好きな、映画でも良い?」
プルクラが、返答する。
「良いよ。」
「 『ロッキー』という、ボクサーの、話でね。俺は、母親が居ないんだ。父親の事を、思い出していた。」
プルクラが、問う。

「どういう事?」
ヒエムスが、続ける。
「俺の父親は、ツーリスト、つまり、奥さんを、亡くした人、なんだ。ロッキーの、お嫁さんの、エイドリアンは、死んでしまったんだ。」
「ロッキーは、5章構成なんだ。」
「1章、プロローグ。超大国、ベルルムの、世界都市、フィデースに、暮らす、ロッキー・バルボアは、ボクシングだけでは、生活していくことが、出来ず、素質は、あるのに、努力もせず、ボクシングジムの、トレーナー、ミッキーからも、愛想を、尽かされ、追い出されてしまう。そんな、ロッキーにも、生きがいが、あった。近所の、ペットショップで、働く女性、エイドリアンだ。」
「2章、世界チャンピオンからの抜擢。ベルルム建国、200年イベントの、一環で、開催される、世界ヘビー級タイトルマッチで、世界チャンピオンである、アポロ・クリードの、対戦相手が、負傷。そんな時、アポロの、『全くの、無名選手と、戦うというのは、どうだ?』という、アイデアから、ロッキーが、対戦相手に、選ばれた。無名選手に、ベルルム・ドリームを、体現させることで、世間の、話題を、集める、算段だった。」
「3章、過酷な特訓。スポンサーを、名乗り出る、ポーリー、マネージャーを、希望する、ミッキー、そして、1つの生きがいである、エイドリアンが、ロッキーに、決して、孤独ではないことを、気づかせた。今まで、経験したこともないような、過酷な、特訓に、励む中、次第に、高まる、実力を、実感し、フィデース博物館の、階段を、駆け上りながら、ロッキーは、ガッツポーズをする。」
ヒエムスは、話を、中断した。
「疲れたかな?」
プルクラは「ううん」と答える。
「大丈夫だよ。」
ヒエムスは、話を、再開する。

「第4章、試合当日。試合当日、無名の、ボクサーと、世界チャンピオンの、対戦に、賭け率は、50対1だった。余裕の、笑顔で、挑発を、交えながら、一方的に、攻める、アポロに、防戦一方の、ロッキー。しかし、油断した隙を、ついて、強烈なパンチを、打ち込み、最初の、ダウンを、奪ったのは、ロッキーだった。予想外の、善戦に、観客が、どよめく。アポロの、顔からも、余裕の笑みが、消え、試合は、真剣勝負となる。」
「最終章、最終ラウンド。最終ラウンドを、迎え、場内には、ロッキーコールが、巻き起こる。序盤からの、ロッキーの、ボディーブローが、次第に、効果を、表し、脇腹を、庇う、アポロは、防戦一方、猛ラッシュに、よろめく、チャンピオンを、辛うじて、ゴングが、救い、試合は、判定に、縺れ込んだ。ジャッジが、割れたことを、前置きして、告げられた、判定結果は、僅差で、チャンピオンの、勝利だ。ロッキーにとって、もう、勝敗など、関係なかった。しっかりと、抱き合う、ロッキーと、エイドリアン。『アイラブユー、ロッキー!!』『アイラブユー、エイドリアン!!』。ロッキーは、昨日までの、自分、そして、人生に、打ち勝った。」
「俺は、父さんと、母さんから、学んだ。絶対に、諦めない事を。」
プルクラが、小声で、囁く。
「貴方が...好き。」
花火が、夜空を、照らしていた。
2人は、よく、通話をした。プルクラは、色々な事を、話した。昔の、彼氏が、復縁を、迫って来た事。化学の、中間試験の、点数が、悪かった事。人気者4人組スターフォーの、『キング』モートゥスが、未だ、誘って来る事。仲の良い、同性の、友達と、テーマパークに、行った事。飼っている猫に、子供が、出来た事。通学路の野良猫に、餌を、あげている事。ヒエムスが、問いかける。
「週末なら、会えると思う。バー、ポルトゥスは、どうかな?」
プルクラが、そっと、答える。
「うん...会いたい。」
バー、ポルトゥスで、ウェヌスタが、2人に、お酒を出す。
「ヒエムス君には、ダークラム、レモン、シロップの、ダークアンドストーミーを。」

ウェヌスタが、続ける。
「彼女には、ガスが抜けない様に、氷に、直接当てず、ジンジャエールを、注いだ、ブランデージンジャーを。」
ヒエムスが、ウェヌスタに、礼を言う。
「有難う。ウェヌスタ。」
ヒエムスが、プルクラに、質問する。
「どうして、会いたかったの?」
プルクラが、返答する。
「何時も、貴方の話を、聞かせてもらっているから、今日は、私が読んだ、小説の、話を、したくて。」
ヒエムスは、頷く。
「そっか。」
プルクラが、話し出す。
「主人公は、高校生の、女の子でね。結構、可愛いと、クラスでも、評判で、クラス内の階級スクールカーストの、上の方に、いたの。でも、クラス内の階級スクールカーストの、頂点に、人気者4人組スターフォーが居て、彼等は、チェスの、駒の、キング、クイーン、ルーク、ビショップの様に、上位ランクを、占めていたの。他の、同級生たちは、ナイトや、ポーンみたいに、クラス内の階級スクールカーストでは、普通〜下なの。」

「主人公の、女の子は、誰もが、自分の、人生の、主人公だから、キング、クイーン、ルーク、ビショップなんて、渾名あだ名は、おかしいと、思っていたけど、言えなかったの。でも、ある日、キングから、誘われたの。彼氏が、いるから、断った。そしたら、女子から、虐めが、始まったの。」
「悪口、言われたり、無視されたり、傘が、無くなったりして、ある日、びしょ濡れで、歩いていたら、助けてくれた、歳上の、男の人が居たの。それで、彼氏と別れて、その人と、付き合い始めたの...」
ヒエムスが、プルクラの、心のさざなみに気付き、「大丈夫か」と、問いかける。
「どうした?」
プルクラは、泣き出しそうだ。
ヒエムスが、納得して、声を出す。
「...分かったよ。」
ヒエムスは、プルクラの、肩を抱いて、店を、出る。
店の、前で、ヒエムスが、問う。
「君の、話だろう?小説、じゃない。」
プルクラが、泣き出す。ヒエムスは、そっと、プルクラを、抱きしめる。ヒエムスは、思い馳せていた。可愛いと、評判で、クラス内の階級スクールカーストの、上位に居る、プルクラ。クラス内の階級スクールカーストの、頂点の、人気者4人組スターフォー。チェスの、駒の、キング、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイト、ポーン。誰もが、自分の、人生の、主人公だから、キング、クイーン、ルーク、ビショップの、渾名あだ名は、おかしいと、思ったプルクラ。キングからの、誘いと、拒絶。女子からの、虐め。ヒエムスとの、出会い。ヒエムスは、この女の子が、背負っていた、重荷を、改めて、考えた。こんな華奢な、体で、必死に、生きて来たんだ。
初秋に、成りかけていた。

          ◇

2040年──王立ドクトリーナ高校、2年生の、少女、ベッルルスは、高校生の、財務分野審議官ファイナンスマスター、ラティオの、アシスタントとして、公正取引委員会で、アルバイトをしていた。世界4大監査法人の、一つ、超大国、ベルルムに、本社がある、imperial accountingインペリアルアカウンティング会計事務所と、国内最大手、IT企業、technologyテクノロジー社の、監査へ、査察に行く。ベッルルスが、ラティオに、話しかける。
「彼氏と、別れちゃった。」
ラティオが、呆れて、返答する。
「業務に、集中するんだ。」
グローバル企業は、グループ監査という、世界一体の、監査をしており、2人は、来期監査報酬が、適正か、チェックを行っていた。ラティオが、唸る。
M&A合併と買収で子会社・関連企業が、増えている。監査報酬総額も、それに伴い、増加しているが、この報酬額は、妥当だ。」
ベッルルスが、問いかける。
「監査って、何?」
ラティオが、回答する。
「企業が、四半期・半期・年度末に、公表する、売上や、利益等の、業績を、決算発表と言う。その数字が、適切か、チェックするのが、監査だ。その専門的手続きを、監査手法・監査リスクや、発見リスク等の、各種リスク・監査上の主要な検討項目等で、規定するのが、監査論だ。」
ベッルルスが、問う。
「監査の、お仕事の、ルールって事?」

ラティオが、返す。
「そう言う事だ。」
ベッルルスが、質問する。
「簿記って、何?」
ラティオが、逆に、問いかける。
「興味あるのか?」
ベッルルスが「うん」と頷き、答える。
「まあね。」
「その話は、仕事が終わったら、カフェでしよう。」
定時後、2人は、フォンスの、カフェに、行く。ベッルルスが、揶揄う。
「デートみたいだね。」
ラティオが、戸惑いながら、問う。

「彼氏と別れたって、言ってただろ?」
ベッルルスが、笑いながら、返答する。
「意識してたんだ?」
ラティオも、笑い、説明する。
「簿記というのは、西世界の、神聖古代帝国から、続く国、ヒストリアで、生まれた。その後、大航海時代を産んだ、ナーヴィスで、右の、貸方と、左の、借方の、両方が、一致する、現代複式簿記が、生まれた。要は、お金を、記録する、方法だ。」
外は、夜になった。ベッルルスが、お願いする。
「説明してくれている、ラティオ君、ちょっと、格好良かったよ。続きは、デートの時に、教えて欲しいな。」
ラティオは、「負けたよ」という表情で、回答する。
「分かったよ。」
週末、2人は、カナーリス駅の、改札で、待ち合わせをする。ベッルルスは、改札に、2020年代に、リリースした、駅を巡ると、スタンプが貯まる、デジタルスタンプラリーサービスstamp®︎スタンプを、タッチする。シーサイドカナーリスの、水族館で、デートする。
ラティオは、2020年代に、開始した、写真や、動画が、貼れて、来園記録を、整理できる、観光地ログ記録アプリplay note®︎プレイノートを起動する。
ベッルルスは、2025年頃、登場した、連続来園で、園内の、飲食物、グッズが、割引になるサービスrepeat go®︎リピートゴーを利用する。

ラティオには、内緒だが、ベッルルスは、昔、元彼氏と、この水族館に、来た事が、あった。ベッルルスが、ご機嫌で、話す。
「沢山、写真を、撮ろうと思う。」
ベッルルスは、2020年代に、始まった、高級カメラ・高級デジタルカメラの、旅行時や、メモリアルイベント時の、貸し出しサービスevent camera®︎イベントカメラで、一眼レフを、借りている。
ベッルルスは、ペンギンに、良く似た、スペニスキダエの、写真を、主に、レンズに、収める。館内レストラン、aquarium®︎アクアリウムで、2人は、お昼ご飯を、食べる。食後の、お散歩で、ベッルルスの、質問攻めが、始まる。
「財務諸表って何?」
ラティオが、説明する。
「会社の、財産である、資産と、借金・出資金である、負債・資本の、累積ストックを、記録したものが、貸借対照表。会社の、売上や、利益、一定期間の、取引金額フローを、記録したものが、損益計算書。会社の、資金繰りの、現金の動きキャッシュフローを、記録したものが、キャッシュフロー計算書。これらを、合わせたものが、財務諸表で、各項目の、会計理論が、財務諸表論だ。」
ベッルルスが、別れ際に、問いかける。
「また、付き合ってくれる?」
ラティオは、「ああ」と、返事をして、笑って、手を振る。
翌週、ベッルルスと、ラティオは、imperial accountingインペリアルアカウンティング会計事務所の、technologyテクノロジー社への、戦略コンサルティングサービスに、ジョインする。行政の、立場から、最適解を、考えるのが、目的だ。ラティオは、technologyテクノロジー社の、DXデジタルトランスフォーメーション(デジタルから事業を変革していく事)と、SXサスティナビリティトランスフォーメーション(持続可能性の観点から事業を変革していく事)を、合体させた、DSXデジタルサスティナビリティトランスフォーメーションを、提案する。technologyテクノロジー社の、役員から、「待った」がかかる。
「素晴らしい提案だか、コンサルティングだけではなく、我が社の、経営企画部と、共に、実現してくれないか?」

2人は、了承し、technologyテクノロジー社の、経営企画部に、参画する。ベッルルスが、褒める。
「ラティオ君、凄いね。」
2人は、経営企画部の、メンバーと、共に、具体策・ロードマップ・スケジュールを、考える。ラティオが、先ず、取り組んだのは、technologyテクノロジー社、自らの、各種、DSXデジタルサスティナビリティトランスフォーメーションサービスの発明だった。
スマート体重計から、計算した、体重、BMI、体年齢を、基に、保険料を算定する保険サービス(DX)で健康な生活を、保つ(SX)、insurance®︎インシュアランスの開発。
漁業者から、その日に、漁獲した、海産物を、デジタル卸売市場を、通じて、直接購入、発送するサービス(DX)で水産資源を、守る(SX)、fish market®︎フィッシュマーケットの開発。
使用する、エネルギー生産方式を、選べ、余った電力の、使用権を、売買出来る、P2P(個人間、企業間)の、エネルギーマーケットサービス(DX)でエネルギーロスを、減らす(SX)、energy market®︎エネルギーマーケットの開発。
スポーツジムの、体重計で、体重、BMI、体年齢の、ログを取り、最適な、プログラムを、提供してくれるサービス(DX)で病気を、予防する(SX)、program sport®︎プログラムスポーツの開発。
スーパーや、コンビニでの、日用品代理購入、自転車宅配サービス(DX)で物流人手不足を、解消する(SX)、bicycle®︎バイシクルの開発。
QRコードを、読み込むと、加工食品の、安全性、栄養素、オススメレシピが、分かるサービス(DX)で食の安全を、守る(SX)、food check®︎フードチェックの開発。
一定額の、購入で、配送料が、無料になる、オンラインの、コーヒーお届けサービス(DX)でフェアトレードを、図る(SX)coffee®︎コーヒーの開発。
店員が、スマートフォンの、カメラで、店内を、映す事で、遠隔で、ショッピングが出来るリモートショッピングサービス(DX)で感染症を、予防する(SX)、remote shop®︎リモートショップの開発。
オンラインでの、人気アイテムが、揃う、eコマースサイトの、実店舗セレクトショップ(DX)で地域活性化を、促進する(SX)、select®︎セレクトの開発。

携帯電話通信インフラに、タブレットや、PCの、回線を乗せ、PCを、スマホの様に、どこでも、使える様にする、サービス(DX)で通信インフラを、強化する(SX)world link®︎ワールドリンクの開発。
ラティオは、2020年代に、登場した、文章や、パワーポイントの、原稿を、送ると、体裁や、デザインを、整えた上で、印刷してくれるメイキングプリントサービスprint®︎プリントで、提案書を、量産し、実際に、開発迄、エンジニアと、協議する。
ベッルルスと、ラティオは、国際都市、インテルゲンテスを、散歩デートし、外資系レストラン、night city®︎ナイトシティで、ディナーをする。秋に、成っていた。ラティオが、管理会計論、企業法、法人税法、経営学と、話し始め、ベッルルスが、遮る。
「もう、そう言う話は、良い。君の事が、知りたい。」
ラティオは、身の上を話す。ベッルルスも、自分の事を、話す。2人姉妹の、長女、である事。大人しかった、幼少期。早くから、彼氏が出来た事。ミスコンテストに、出場した事。外見ばかりで、中身を、見てくれる、男が、居なかった事。ベッルルスが、少し、間を置いて、口を開く。
「ホテルに、行きたいな。」
2010年──公立スコラ高校で、人気者4人組の、『戦車ルーク』ムーシカが、プルクラに、声を、かける。
「彼氏と、別れたんだろ?」
プルクラは、毅然と、対応する。
「新しく、大学生の、彼氏が、出来たの。」
「俺の方が、魅力的だ。どうせ、地味な、大学生だろ?」
プルクラが、返す。

「彼は、良い人だから。そんな言い方、しないで。」
ムーシカが、答える。
「俺は、派手な世界で、音楽をしている。そんな男とは、住む、世界が、違う。」
「彼は、公正取引委員会の、審議官を、目指しているの。地味だけど、大切な、仕事よ。」
秋の、黄昏時の、金色の、季節、臨海副都心、オーケアヌスの、海辺を、ヒエムスと、プルクラが、歩いている。プルクラが、質問する。
「今日は、小説や、映画の、話は、無いの?」
ヒエムスが、回答する。
「偶には、ね。」
プルクラが、問う。
「何で?」
ヒエムスが、返す。
「この景色を、君と見たい。どんな物語も、君には、勝てないよ。」

プルクラが、そっと、呟く。
「貴方が、好き。」
ヒエムスが答える。
「俺も、だよ。」
プルクラが、返す。
「ホテルに、行きたい。」
ヒエムスが、少し困った顔で、返事をする。
「18歳に、成ったらね。」
プルクラが、少し考えて、お願いする。
「私からも、約束。審議官に、成ったら、結婚して。」
ヒエムスは、黙って、頷き、プルクラを、抱き寄せる。
2人は、黄昏色の、海で、抱きしめ合っていた。

          ◇

2040年──王立ドクトリーナ高校、2年生の、少女、ベッルルスと、高校生の、財務分野審議官ファイナンスマスター、ラティオは、すれ違いが、多くなる。電話しても、言い争う。ラティオが、毒を吐く。
「最近変わったな。」
ベッルルスは、反論する。
「変わって居ない。君こそ。昔は、こんな人じゃ無かった。」
ラティオが、質問する。
「昔は、どんな人だったと?」
ベッルルスが、返答する。
「馬鹿。」
ラティオが、問いかける。
「何があった?」
ベッルルスは、少し、動揺して、回答する。
「気持ち悪がらないで、聞いてくれる?」

ラティオが、返事する。
「勿論。」
ベッルルスは、話し出す。

「ママの、昔の、鍵付き、デジタル日記、mixi®︎ミクシィを、見たの。ヒエムス、という男と、結婚すると、書いてあった。パパの、名前じゃない。」
2ヶ月後──同時多発複合災害が、起きた。ラティオは、軽傷だ。ベッルルスは、負傷して、郊外、スブルビウムの、病院に、いる。ラティオは、向かう。ICU集中治療室で、ベッルルスは、ラティオに、口を開く。
「こないだの、話の、続き、聞いてくれる?」
ラティオは、頷く。

「私は、間違って生まれてきたと、思うの。ママは、ヒエムス、という男と、結婚する筈だった。私が、いるのは、間違いだと、思うの。これで、良いのよ。」
ラティオは、首を振り、答える。
「君が、mixi®︎ミクシィで、読んだ男は、ヒエムス・インスラ・ウェルテックスだ。公正取引委員会の、元カジノ・賭博分野審議官カードマスターで、君の、父親では、ない。だが、君は、母親と、父親から、愛されて、生まれてきた。間違って生まれてきたなどと、言うな。気を、しっかり持て。」
ベッルルスの、意識が、遠くなる。
12時間経過──ベッルルスの、意識が、戻った。ベッルルスは、身体中、痛いが、回復の、予兆を、感じる。手を、繋いだまま、ラティオが、ベットに、うつ伏せになって、寝て居る。頬を、撫でる。ラティオの、涙が、伝う。ラティオが、ベッルルスに、問う。
「自分が、誰だか分かるか?」

ベッルルスは、泣きながら、返答する。
「分かるよ。貴方は、ラティオ。ラティオ・ロギスモス・ソキエタース。私は...ベッルルス。ベッルルス・ドゥルケ・アラケル。間違って、生まれて来たなんて、言って、ごめん。」
ラティオが、安心して、声を出す。
「おはよう。ベッルルス。」
2010年──公立スコラ高校、3年生の、少女、プルクラは、ヒエムスに、「キャンパスを、案内して」と、お願いする。
私立ディスケレ大学、2年生の、ヒエムスは、返事する。
「休日に、私服なら、良いよ。」
2人は、週末に、ディスケレ大学、アウローラキャンパスを、歩く。ヒエムスが、問いかける。
「『葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜』を、知ってる?」
プルクラが、返答する。

「知らない。」
ヒエムスが、返す。

「説明しても、良いかな?」
プルクラが、返事をする。
「うん。」
ヒエムスは、説明する。
「大きな、木の、太い枝に、生まれた、葉っぱのフレディの、おはなしだ。春に、生まれた、フレディは、数えきれないほどの、葉っぱに、とりまかれていた。はじめは、葉っぱは、どれも、自分と、同じ形をしていると、思っていたが、やがて、ひとつとして、同じ、葉っぱは、ないことに、気がつく。フレディは、親友で、物知りの、ダニエルから、いろいろなことを、教わる。自分達が、木の、葉っぱだと、いうこと、めぐりめぐる、季節の、こと...」
「秋が、来ると、緑色の、葉っぱたちは、一気に、紅葉した。みな、それぞれ、違う、色に、色づいていく。そして、冬。とうとう、葉っぱが、死ぬときが、くる。死ぬとは、どういうことなのか...ダニエルは、フレディに、いのちについて、説く。『いつかは、死ぬさ。でも、”いのち”は、永遠に、生きているのだよ。』フレディは、自分が、生きてきた、意味について、考える。『ねえダニエル。ぼくは、生まれてきて、よかったのだろうか。』そして、最後の、葉っぱとなった、フレディは、地面に、降り、ねむりにつく。」
「命は、巡る。俺は、美しいと、思うんだ。」
プルクラが、頬を緩め、回答する。
「私も、この大学に、来たい。」
ヒエムスが、返答する。
「君なら、出来るよ。」
プルクラが、返す。

「来年、一緒に、キャンパスを、歩こう。」
ヒエムスは「うん」と、答える。
「君が、望むなら。」
葉が、はらり、はらりと、落ちる。秋風が、優しく、2人を、包み、ヒエムスは、プルクラに、そっと、キスをする。プルクラが、ヒエムスの、目を、見て、告げる。
「貴方と、寝たい。」
ヒエムスは、瞳を、閉じ、少し、考える。そっと、目を開け、「分かった」と、微かに、微笑む。
葉が、落ちる中、2人は、抱き合っていた。
2011年──高級ブランド街、アルゲントゥムを、ヒエムスと、プルクラは、歩いている。
プルクラが問う。
「連れて行きたい、場所って?」
ヒエムスが「まぁね」と返答する。
「行けば、分かるさ。」
大通りの、世界5大ジュエリー、トリフォリウム・レペンスの、玄関を、ドアマンが、開ける。

「いらっしゃいませ。」
ヒエムスは、フロアスタッフに、問い掛ける。
「フロアマネージャーさんに、問い合わせ商品の、ご説明依頼を、お願いします。」
フロアマネージャーが、出て来て、商品を、説明する。
「お待たせいたしました。トリフォリウム・レペンスの、マリッジリング 、3mmミリメートルです。」
プルクラは、本当に、幸せそうな、顔を、していた。
2011年──ソル大災害が、起こる。プルクラが、電話に、出ない。2週間後に、プルクラの、母親が、電話で、回答する。
「あの子は、大災害で、記憶喪失に、なりました。」
ヒエムスは、狼狽える。
「そんな馬鹿な。話を、させて、欲しい。」
プルクラの、母親は、答えない。通話は、切れる。事実は、違った。プルクラは、ソル大災害で、外出時に、被災し、重傷を、負い、ICU集中治療室に、いたのだ。プルクラは、途切れ途切れの、意識で、「ヒエムス君には、言わないで。私が、いなくなったら、彼は、カジノ・賭博分野審議官カードマスターになる、夢を、諦めてしまうかも、しれない。」と、母親に、伝えていた。プルクラは、自分のこと、以上に、ヒエムスに、夢を、叶えて欲しかった。しかし、ヒエムスの、夢は、カジノ・賭博分野審議官カードマスターとなり、プルクラと、結婚すること、だった。ヒエムスは、何も、知らないまま、一方的に、自分は、振られたのだと、思った。だが、真相は、違った。そして、プルクラが、回復する頃、彼女は、ソル大災害で、瓦礫から、助け出してくれた、歳上の、男性と、付き合い始めていた。それが、後に、プルクラの、夫となる、ベッルルスの、父親だった。
臨海副都心、オーケアヌスの、海辺。ヒエムスは、1人で、立って、海を、眺めている。「初秋」、「ロッキー」、「葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜」、幾つもの、物語を、思い出していた。審議員審判に、受かり、公正取引委員会の、審議官に、成った。トリフォリウム・レペンスの、指輪に、キスをして、再び、海を、見つめる。隣に、プルクラは、もう、いない。 1人、だった。海を、背に、歩き出す。ヒエムスは、初めて、プルクラと、抱き合った日の事を、思い出していた。華奢な、手足と、未だ、完全には、大人になっていない、プルクラの、体は、強く、抱きしめたら、壊れそうなくらい、儚かったが、ヒエムスは、優しく、抱きしめた。細いが、柔らかい、プルクラの、体の、心音から、命の、鼓動を、感じた。彼女の、身体だけではなく、心を、抱きしめた気がした。そして、プルクラに、指輪を、プレゼントした日を、思い出した。あの時、彼女は、確かに、そこに居て、この世で、1番嬉しそうな、表情を、していた。その時の、2人は、どれだけ、時が、経っても、永遠だと、思えた。黄昏色の、太陽が、ヒエムスの、背後から、照らしていた。日の、光が、背中から、影を伸ばし、ヒエムスの、孤独を、強くする。しかし、ヒエムスは、静かに、微笑んでいた。ヒエムスは、思った。生まれてきて、良かった。君に、出逢えて、本当に、良かった。生まれ変わっても、君に、会いたい。出会いも、別れも、乗り越えた、ヒエムスの、心は、もう、1人では、なかった。

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