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[5分連載小説]CARD MASTER[完]-プランC:新産業分野崩壊と終焉-

あらすじ

2040年──海洋都市、臨海副都心、オーケアヌスの、審議院に、新産業分野崩壊と、世界恐慌の、予告が、届く。
17歳の、公正取引委員会の、カジノ・賭博分野審議官カードマスター、少女マレは、相棒の猫、オーケアヌスと、共に、都心中央部ペクーニアエ・コンメリクムの、国内最大手の、広告企業、advertisementアドバタイズメント社へ、向かう。
カードの女王カードクイーン、ヴァニタスと、対峙した、マレだが...

カバー写真

超大国、ベルルムの、無人往還宇宙機、smart space shuttle®︎スマートスペースシャトル

CARD MASTER[完]-プランC:新産業分野崩壊と終焉-

海洋都市、臨海副都心、オーケアヌスの、審議院に、カードの女王カードクイーン、ヴァニタスより、予告が、届く。
「ソルの、新産業分野を、崩壊させ、世界恐慌を、起こす。止めたければ、ペクーニアエ・コンメリクムの、advertisementアドバタイズメント社、48階に、マレ・インスラ・ウェルテックス、1人で、来い。」
カジノ・賭博分野審議官、ウェヌスタが、secret message®︎シークレットメッセージの量子暗号通信で、連絡する。
「罠よ。」
マレが、返答する。
「私は、行きます。」
マレは、相棒の猫、オーケアヌスと、国内最大手の、広告企業、advertisementアドバタイズメント社に、行く。エントランスホールで、ウェヌスタから、secret message®︎シークレットメッセージの量子暗号通信が、届く。
「情報流出が、始まって居る。急いで。」
新産業分野燃料・発電業界の、代替燃料、other®︎アザー、藻類炭素水素燃料、ocean green®︎オーシャングリーン、CO2フリー水素、carbon free hydrogen®︎カーボンフリーハイドロゲン、古着バイオ燃料変換、fashion vaio®︎ファッションバイオ、エネルギーハーベスティング、harvest®︎ハーベスト、潮流発電、ocean stream®︎オーシャンストリームの、先端技術情報が、流出した。
高速電磁式シャトルエレベーターは、停止中で、中速運転の、ローカル電磁式エレベーターを、待つ。
新産業分野カーボンニュートラル業界の、循環炭素、carbon recycle®︎カーボンリサイクル、二酸化炭素直接空気回収、carbon air®︎カーボンエアー、人工光合成、plant light®︎プラントライト、水素タービン、hydrogen roll®︎ハイドロゲンロール、水素大量輸送、hydrogen transport®︎ハイドロゲントランスポートの、先端技術情報が、流出した
マレと、オーケアヌスは、ローカル電磁式エレベーター、linear elevator®︎リニアエレベーターに、乗る。

3階通過。新産業分野電池業界の、ポストLiイオン電池、ion®︎イオン、ペロブスカイト太陽電池、solar®︎ソーラー、ダイヤモンド電池、diamond®︎ダイヤモンドの、先端技術情報が、流出した
6階通過。新産業分野素材・食材業界の、塗布性RFIDタグ、paint tag®︎ペイントタグ、バイオプリンティング、vaio print®︎バイオプリント、水素還元製鉄、hydrogen iron®︎ハイドロゲンアイロン、バイオプラスチック、vaio resin®︎バイオレシン、マテリアルインフォマティクス、digital material®︎デジタルマテリアル、培養肉、vaio meat®︎バイオミート、魚類陸上養殖、ground fish®︎グラウンドフィッシュの、先端技術情報が、流出した。
9階通過。新産業分野工事業界の、太陽光自家発電歩道、light road®︎ライトロード、二酸化炭素減少コンクリート、ecology®︎エコロジー、自己治癒コンクリート、recovery concrete®︎リカバリーコンクリート、木材ペットボトルアスファルト舗装、material road®︎マテリアルロード、自己治癒アスファルト舗装、recovery road®︎リカバリーロード、非セメント砂接合、sand connect®︎サンドコネクトの、先端技術情報が、流出した。
12階通過。新産業分野ヘルスケア業界の、mRNAワクチン、gene vaccine®︎ジーンワクチン、Muse細胞、universal cell®︎ユニバーサルセル、AI医療、virtual doctor®︎バーチャルドクター、医療ロボット、medical machine®︎メディカルマシン、ウェブ問診、digital doctor®︎デジタルドクター、治療用アプリ、digital care®︎デジタルケア、ブレインマシンインターフェイス医療、medical brain®︎マシンブレイン、遠隔リハビリ、remote care®︎リモートケア、可食ロボット、food machine®︎フードマシン、AI不妊治療支援、baby®︎ベイビー、スマートコンタクト、smart lens®︎スマートレンズの、先端技術情報が、流出した。
15階通過。新産業分野予防業界の、非侵襲ヘルスチェック、health®︎ヘルス、住宅衣服センシング、life®︎ライフ、腸活センシング、stomach®︎ストマック、ガンスクリーニング、cancer®︎キャンサー、微小血液アレルギー検査、blood®︎ブラッド、デジタル聴診デバイス、smart ear®︎スマートイヤー、VR認知症予防、forget®︎フォルゲット、訪問スケジュール自動作成、care schedule®︎ケアスケジュール、転倒時柔軟化床、soft®︎ソフトの、先端技術情報が、流出した。
18階通過。新産業分野金融・流通業界の、非代替性トークン、digital material®︎デジタルマテリアル、デジタル証券、digital stock®︎デジタルストック、民間デジタル通貨、people money®︎ピープルマネー、チャットコマース、chat®︎チャット、デジタル外食、digital restaurant®︎デジタルレストランの、先端技術情報が、流出した。
21階通過。新産業分野心理分析業界の、幸福度計測、happy®︎ハッピー、ハッピーテック、heart®︎ハート、リバビリティー指標、meter®︎メーター、ピープルアナリティクス、people®︎ピープル、ラーニングアナリティクス、learn®︎ラーンの、先端技術情報が、流出した。
24階通過。新産業分野生活業界の、分身ロボット、copy machine®︎コピーマシン、配膳ロボット、meal machine®︎ミールマシン、ママ友アプリ、mother®︎マザー、スマートロック、smart key®︎スマートキーの、先端技術情報が、流出した。
27階通過。新産業分野空間利用業界の、空間音響、space sound®︎スペースサウンド、空間共有コンテンツ視聴、space entertainment®︎スペースエンターテイメント、触覚家電、touch®︎タッチ、アンビエント・インテリジェンス、space intelligent®︎スペースインテリジェントの、先端技術情報が、流出した。
30階通過。新産業分野量子技術業界の、量子インターネット、quantum net®︎クォンタムネット、量子暗号通信、quantum communication®︎クォンタムコミュニケーション、量子コンピュータークラウド、cloud quantum®︎クラウドクォンタム、誤り耐性量子コンピューター、correct quantum®︎コレクトクォンタムの、先端技術情報が、流出した。
33階通過。新産業分野人工知能業界の、自然言語処理、content®︎コンテンツ、AIチップ、think®︎シンク、AI文字起こし、document®︎ドキュメント、AI音声サービス、guidance®︎ガイダンス、AIノーコード開発、art code®︎アートコードの、先端技術情報が、流出した。

36階通過。新産業分野仮想化業界の、デジタルツイン、twin®︎ツイン、3次元都市モデル、virtual city®︎バーチャルシティ、レトロフィットIoTデバイス、retrofit®︎レトロフィットの、先端技術情報が、流出した。
39階通過。新産業分野高速化業界の、光電融合、hybrid light®︎ハイブリットライト、ローカル5G通信、local®︎ローカル、ウルトラワイドバンド、super wide®︎スーパーワイドの、先端技術情報が、流出した。

42階通過。新産業分野セキュリティー業界の、匿名化、secret name®︎シークレットネーム、分散ID管理、spread®︎スプレッド、脱サードパーティークッキー、log®︎ログ、パスワード付きzipファイル送信、lock®︎ロック、挙動監視、action®︎アクション、ゼロトラストネットワーク、network®︎ネットワーク、パスワードレス認証、password®︎パスワード、コンフィデンシャルコンピューティング、confident®︎コンフィデント、サイトリライアビリティエンジニアリング、trust®︎トラストの、先端技術情報が、流出した。
45階通過。新産業分野車・ドローン業界の、自動運転、automatic drive®︎オートマチックドライブ、水素エンジン、hydrogen drive®︎ハイドロゲンドライブの、先端技術情報が、流出した。
48階到着。新産業分野宇宙業界の、宇宙データセンター、space data®︎スペースデータ、H3ロケット、space rocket®︎スペースロケット、再利用型ロケット、recycle rocket®︎リサイクルロケット、合成開口レーダー、space radar®︎スペースレーダーの、先端技術情報が、流出した。
linear elevator®︎リニアエレベーターが開くと、フロアの中央の、席に、1人で、ヴァニタスが、座って、待っていた。新産業分野の、空間利用業界、ヘルスケア業界、宇宙業界、量子技術業界、電池業界、金融・流通業界、車・ドローン業界、人工知能業界、カーボンニュートラル業界、仮想化業界、工事業界、燃料・発電業界、予防業界、素材・食材業界、高速化業界、セキュリティー業界などが、先端技術情報流出で、崩壊が、始まってしまった。ヴァニタスは、最初から、マレが、1人で来ようが、到着を、待つ気は、なかったのだ。最悪の状況の中、ヴァニタスの待つ、フロアー迄、到着したマレ。希望は無いまま、ヴァニタスとの、決戦が、幕を開ける。ヴァニタスが、椅子から、立ち上がり「残念ね」と、添えて、口を開く。
「遅かったわね。新産業分野は、崩壊した。此処に、あるのは──戦い、だけよ。」
ヴァニタスが、サイレンサー付スマート弾拳銃smart hand gun®︎スマートハンドガンを、取り出す。マレが、スマート弾拳銃smart hand gun®︎スマートハンドガンを、構える。
《透過》
ヴァニタスが、消える。この時代、一部の人間は、ナノマシンを注射している。ナノマシンとは、0.1-100nmナノメートルの極小の、機械装置だ。ナノマシンを、注射する事で、人間は、特殊な固有能力を、使える様になっていた。ヴァニタスの、固有能力は、透過する事。透明人間なのだ。ヴァニタスがサイレンサー付きsmart hand gun®︎スマートハンドガンを撃つ。マレの、父親より、貰った、ナノマシンパワーが発揮できる、スマートウェアラブル、smart bracelet®︎スマートブレスレットが、電磁パルスを、放つ。このブレスレットの、ナノマシンパワーは、波動。凡ゆる、電子機器を、操作不能に、する。スマート弾ならば、落下する。
《極小域電磁パルス》
スマート弾が、落ちる。ヴァニタスが、通常の銃を、取り出す。マレの相棒、AI内蔵スマートスピーカーで、喋る猫、オーケアヌスが、フロアーの、自動照明、light®︎ライトの、スイッチに、飛びかかり、オフにする。フロアーが、暗闇に、包まれる。これで、ヴァニタスも、マレと、オーケアヌスの、姿が、見えない。ヴァニタスが、面倒そうに、呟く。
「猫が。」
ヴァニタスが、オーケアヌスを、蹴り上げる。オーケアヌスが「フニャッ!!」と声を出し、転がる。ヴァニタスが、オーケアヌスを、そのまま、踏みつけ、宣言する。

「銃を置けば、猫は、助けてあげる。」
マレは、smart hand gun®︎スマートハンドガンを、置こうとする。その時、オーケアヌスが、唸る。
「諦めるな...俺は、大丈夫だ。今までも、諦めなかったから、生き残ってきたんだろう?」
「面白くないわ」と、言うと、ヴァニタスが、暗闇の中、マレに、向かって、乱射する。マレは伏せ、銃声の方角に、マレが、撃つ。ヴァニタスには、当たらない。銃声だけでは、方向が、分からない。その時、オーケアヌスから、マレに、オーケアヌスの、首に付いている、スマートウェアラブル、smart necklace®︎スタートネックレスの、「落とし物を探しますか?」の通知が、届いた。マレはスマートデバイス、ear phone®︎イヤーフォンに、smart necklace®︎スマートネックレスの、位置を探してと、言う。これでは、オーケアヌスを、踏みつけている、ヴァニタスが、マレから向かって、どの方向にいるか、明らかになってしまう。慌てて、ヴァニタスは、オーケアヌスから、距離を、取る。暗闇の中、マレは、オーケアヌスと、合流する。マレが、オーケアヌスに、問いかける。
「大丈夫?」
オーケアヌスが、返答する。
「大丈夫だ。それより、俺を頼ってくれ。先程、ヴァニタスに、踏まれている時、彼女の、匂いを、覚えた。俺の、嗅覚なら、彼女が、何処にいるのか、教えられる。」
猫の、嗅覚は、人の、数万から、数10万倍と、いわれている。空気中を、漂う、におい分子濃度が、数万分の1になっても、嗅ぎ取れる。
ヴァニタスが、再び、暗闇の中で、smart handgun®︎スマートハンドガンを、乱射する。マレと、オーケアヌスは、伏せる。装弾数は、オートマチックピストルで、7~15発弾程度だ。ヴァニタスが、弾が尽きて、マガジンを、交換しようとする。今が、勝機だ。クロックポジションで、オーケアヌスが、マレに、伝える。クロックポジションとは、観測者を、仮想の、アナログ時計の、中心に、置き、観測者正面を「12時方向」とした場合、対象が「何時方向」であるのかを、方位で、伝える方法である。
「今だ。マレ、彼女は、2時半の、方向に、いる。」
マレが、伏せたまま、2時半の、方向に、smart handgun®︎スマートハンドガンを撃つ。ヴァニタスの、肩にあたり、ヴァニタスが、姿を、現す。オーケアヌスが、照明スイッチに、飛びかかり、フロアー照明、lightライトを、付ける。ヴァニタスが「それで良いのよ...」と言うと、マレに、近づいてくる。もはや、敵意は、ない。ヴァニタスは、マレに、USBメモリースティックを、渡す。マレが、ヴァニタスに、無言で、生理用の、タンポンを、渡す。ヴァニタスが、タンポンを、銃槍に、詰める。ヴァニタスが、マレに呟く。
「見守って居るわ...」

ヴァニタスが、linear elevator®︎リニアエレベーターに搭乗し、去る。マレが、advertisementアドバタイズメント社の、備え付けPCに 、USBメモリースティックを、差し込み、中身を、確かめる。先程、流出した、先端技術情報の、発信先リストが記入してある、ファイルが、入っていた。マレが、審議院仮庁舎に、量子暗号通信secret message®︎シークレットメッセージで、連絡する。ウィンクルムという、ホワイトハッカーを、呼び出す。
「ウィンクルム、これから、メールで、送る、先端技術情報の、発信先リストに、暗号化ソフトウェアsmart lock®︎スマートロックを、ハッキングで、スパイウェアとして入れて、流出した、先端技術情報を、暗号化して。」
ウィンクルムが「分かった。すぐに取り掛かります」と、返答する。
10分後──流出した、先端技術情報が、全て、暗号化された。新産業分野崩壊の、株式市場も、株価下落が、止まった。新産業分野崩壊と、ソルの、大恐慌、そして世界恐慌へ、繋がる、導火線は、間一髪で、消し止められた。オーケアヌスが、素朴な、疑問を、口にする。
「何故、ヴァニタスは、この発信先リストの、USBメモリースティックを、君に、渡して行ったんだろうな?」
「見守っているわ」と言う、ヴァニタスの言葉を、思い出し、マレが、気付き、声、を出す。
「ヴァニタス!!」
レース・プブリカエに、帰国した、レクスに、男が、伺う。
「殿下、どうなされますか?」
レクスが、返答する。
「バックアッププランだ。」
ペクーニアエ・コンメリクムを歩く、負傷の身の、カードの女王カードクイーン、ヴァニタスの前に、カードジョーカー♠︎、♦︎、♣︎が降り立ち、スマート弾マシンガン、smart machine gun®︎スマートマシンガンを、向ける。カードジョーカー♠︎が、問いかける。

「何故、USBメモリースティックを渡した?情が、湧いたか?我々は、裏切り行為を、許さない。貴様は、罷免だ。」
ヴァニタスは、しばらく、黙り込み、一言だけ、呟く。
「最後に、正しい事が、したくなっただけよ。私にも、良心が、残っていたのね。」
advertisementアドバタイズメント社を、出て、走る、マレに、オーケアヌスが、焦り気味に、告げる。
「間に合わない。ヴァニタスたちとは、距離が、遠過ぎる。彼女は、殺されてしまう。」
その時、マレが、機転を、効かす。マレは、真上に、発砲する。街を歩く、人々が、悲鳴を上げる。カードジョーカー♦︎が「何事だ」と呟き、ヴァニタスに、告げる。
「騒ぎか...命拾いしたな、元カードの女王カードクイーン
カードジョーカー♠︎、♦︎、♣︎が、飛び立つ。マレと、オーケアヌスが、ヴァニタスに、駆け寄り、マレが「大丈夫?」と、問いかける。ヴァニタスが、返答する。
「私のことは、良い。アナログの、旧式ヘリコプターを、1機用意して。ソルに、『絵柄スート』の組織の、バックアッププランが、発動する。彼らを、止めなくてはならない。」
マレが問う。
「何が、起こるの?」
ヴァニタスが「バックアッププランは、5段階ある」と、前置きして、回答する。 

段階フェーズ1──同時多発複合災害。」
段階フェーズ2──同時多発核攻撃。」
段階フェーズ3──同時多発内戦。」
段階フェーズ4──同時多発権力闘争。」
段階フェーズ5──同時多発革命が来る。止めなければ、この国、ソルは、消滅する。」
10分後──カードジョーカー♠︎、♦︎、♣︎が、ペクーニアエ・コンメリクムの、量子通信タワー、quantum tower®︎クォンタムタワー上空を、囲む。quantum tower®︎クォンタムタワーは、量子電波を、ソル中に流している。彼らは、ソル周辺の、広域量子電波と、自らを、接続する。カードジョーカー♠︎、♦︎、♣︎は共に、ナノマシン注射で、干渉という、電子機器を操作する、ナノマシンパワーを、持っている。このナノマシンは、量子電波と、相互互換する性質が、ある。つまり、ナノマシンを、注射した人間が、quantum tower®︎クォンタムタワーの、広域量子電波に、自らの、ナノマシンを、接続すると、超広域に、ナノマシンの力を、発揮することが、出来る。カードジョーカーたちの場合、自らと、quantum tower®︎クォンタムタワーの、量子電波を、接続する事で、ソル全土の、電子機器に、干渉することが出来る。
《超広域干渉》
ソルの、地底に、仕込まれた、地震兵器、earthquake bomb®︎アースクエイクボムが、ハッキングされ、起動する。巨大地震が、起こる。
ソルの、近海に、仕込まれた、津波兵器、tidal wave bomb®︎タイダルウェーブボムが、ハッキングされ、起動する。津波が、来る。沿岸部で、自動防波堤、ocean shield®︎オーシャンシールドが、隆起し、津波を、防ぐ。
運行中の、高速旅客機、air speed®︎エアースピードが、ハッキングされ、次々と、空から、墜落してくる。
同時多発複合災害だ。
ヘリコプターで、マレが、絶句する。

「地獄、だわ。何て、事を...」
同時刻──マレの、父親の、元カジノ・賭博分野審議官カードマスター、ヒエムスは、瓦礫と化した、ペクーニアエ・コンメリクムの、街で、ある場所に、向かっていた。ヒエムスの、前に、1人の、男が、立ち塞がる。カジノ・賭博分野審議官カードマスターの、ウィースに撃たれ、負傷した、カードの騎士カードエース、ムーヌスだった。ムーヌスが、宣言する。
「貴様を、あの場所には、行かせない。」
ヒエムスが、即答する。
「時間が、ない。君を、30秒で倒して、進む。」
ナノマシンを、注射している、ムーヌスは、力の、4要素(斥力、引力、強い力、弱い力)を、駆使出来る。ムーヌスが、手を、伸ばすと、空中に、ヒエムスは、浮かび、ヒエムスの、首元が、圧迫された。
《強い力》
ムーヌスが、宣告する。
「30秒で、貴様は、あの世行きだ。」
ヒエムスも、ナノマシンを、注射していた。ヒエムスの、固有能力は、波動。電磁パルスで、凡ゆる、電子機器を、操作不能にする。ヒエムスは、スマート弾拳銃、smart handgun®︎スマートハンドガンに、自らの、ナノマシンパワーを、注入する。
《電磁パルス装填発射》
ヒエムスが、ムーヌスに、smart handgun®︎スマートハンドガンを、撃つ。

《斥力》
《弱い力》
ムーヌスの、跳ね返す力、斥力と、体を、覆う、自動力膜、弱い力を、ヒエムスの、smart handgun®︎スマートハンドガンの、弾丸は、貫通する。ナノマシンも、極小の、電子機器なので、ヒエムスの、ナノマシンパワーは、相手の、ナノマシンも、無効に出来るのだ。ムーヌスが、膝を付く。ヒエムスが、首元を抑え、表情を変えず、告げる。
「急いでいると、言っただろう。」
ヒエムスは、ある場所に、走る。
カードジョーカー♠︎、♦︎、♣︎は、再び、ソル周辺の、広域量子電波と、自らを、接続する。
《超広域干渉》
ソル近海の、東の、超大国、ドラコーと、北の、超大国、グラキエースの、原子力潜水艦、smart submarine®︎スマートサブマリンが、ハッキングされ、浮上する。宇宙空間の、西の、超大国、ベルルムの、無人往還宇宙機、smart space shuttle®︎スマートスペースシャトルが、ハッキングされる。
接近した、ヘリコプターから、ヴァニタスが、自動小銃を、掃射する。カードジョーカー♦︎が、墜落し、♠︎、♣︎が、旋回して、ヘリコプターに、接近する。「カメレオン女が」と呟くと、カードジョーカー♠︎、♣︎が、ヴァニタスに、スマート弾マシンガン、smart machine gun®︎スマートマシンガンを、向ける。「させない」と、叫んで、マレが、ヴァニタスの、前に、出る。マレの、ヒエムスより、貰った、ヒエムスの血液が、搭載されている、スマートウェアラブルsmart bracelet®︎スマートブレスレットが、ヒエムスのナノマシンパワー、波動、電磁パルスを、放つ。
《極小域電磁パルス》
カードジョーカー♠︎、♣︎が、翼の折れた、天使の様に、墜落する。瞬時警報システムの、国民保護サイレンが、届く。
「ミサイル発射。ミサイル発射。ミサイルが、発射されたものと、みられます。建物の中、又は、地下に、避難してください。」

「間に合わなかった。同時多発核攻撃が、来る。」と、ヴァニタスが、絶望の、声を、出す。マレが、即答する。
「私を、量子通信タワーquantum tower®︎クォンタムタワーの、屋上に、降ろして下さい。ヴァニタスと、パイロットさんは、至急避難して。」
マレは、オーケアヌスと、量子通信タワーquantum tower®︎クォンタムタワーの屋上に、降り立つ。ヘリコプターが、小さくなっていく。
オーケアヌスが、問いかける。
「ああ言ったものの、策は、ないんだろう?」
オーケアヌスの、言う通りだ。もう、策はない。出来ることは、ない。マレの、頬から、ポロポロ、ポロポロと、涙が、溢れる。自分たちの、街が、壊され、これから、この街と、共に、自分たちは、死のうとしている。なのに、自分に、出来ることは、何も、ない。
「うぁあああん。」
初めて、マレが、涙と、共に、少女らしい、悲鳴を、あげた。マレも、気を張り続けてきた、とは言え、17歳の、少女なのだ。初めて、等身大の、自分が、出てきた。
SLMB潜水艦発射弾道ミサイル多弾頭スマート核ミサイル、smart nuclear missile®︎スマートニュークリアミサイルが、ペクーニアエ・コンメリクムに、降り注ぐ。オーケアヌスが、「終わりだ」と、声を、出す。
「着弾まで30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、俺たちも、此処までだ。」
その時、マレと、オーケアヌスの、横に、1人の、男が、現れる。マレの、父親、ヒエムスだった。「よくやった」と、ヒエムスは、マレに、声をかけると、自らと、quantum tower®︎クォンタムタワーの、広域量子電波を、接続する。ヒエムスの、ナノマシンパワーは、電磁パルス、凡ゆる電子機器を、停止する。スマート弾ミサイルならば、不発で落下する。
《超広域電磁パルス》

ペクーニアエ・コンメリクムの、街が、光を放つ。多弾頭スマート核ミサイル、smart nuclear missile®︎スマートニュークリアミサイルが、不発で、落下する。人語猫語自動翻訳ソフトウェア内蔵の、smart necklace®︎スマートネックレスが、停止した、オーケアヌスが、本来の、猫の声で、やたらと、声を上げる。
「ニャー!!ニャーニャー!!」
マレが、オーケアヌスの、異様な、雄叫びから、直感で、察知する。波状攻撃だ...!!
無人往還宇宙機smart space shuttle®︎スマートスペースシャトルが、軌道上から、スマート核弾頭、space nuclear missile®︎スペースニュークリアミサイルを、発射する。空が割れ、雲が裂けて、ソニックブーム、が起きる。
「パパ、駄目、波状攻撃よ!!」
ヒエムスに、説明していては、間に合わない。マレは、自らの、ヒエムスより、貰った、ヒエムスの、血液搭載、smart bracelet®︎スマートブレスレットと、quantum towerクォンタムタワーの、広域量子電波を、接続する
《広域電磁パルス》
スマート核弾頭、space nuclear missile®︎スペースニュークリアミサイルが、不発で、超音速落下し、ペクーニアエ・コンメリクムに、クレーターが、出来る。停止した、ペクーニアエ・コンメリクムが、暗闇に、包まれる。マレは、疲れ果てて、倒れ込んでしまった。ヒエムスが、そっと、マレを、受け止め、抱き抱え、呟く。
「本当に、よくやった。マレ。」
── 3日後。郊外スブルビウムの、病院を、ウェヌスタが、訪れる。被災者と、共に、ヴァニタスが、ベットに座って、居た。ウェヌスタが、ヴァニタスの、目を、見つめ、問いかける。
「貴方のお陰で、最悪の状況を、防げたのは、事実。ベルルムに、帰国しても、安全は、無いでしょう?」
ヴァニタスは、無言だ。ウェヌスタが、続ける。

「ソルで、働けば、良い。5人目の、カジノ・賭博分野審議官カードマスター、として。」
ヴァニタスは、瞳を、閉じ、僅かに、微笑む。
街は、復旧に向け、動き出す。電力復旧に、1週間、水道復旧に、3週間、ガス復旧に、5週間は掛かる。人々は、家族、恋人、友人の、安否に、安堵し、犠牲者に、涙し、2次災害に、備えて居た。ソルは、死に掛け、傷付きながら、再び、立ちあがろうとして居た。
── 1週間後。臨海副都心オーケアヌスの、海辺に、カジノ・賭博分野審議官カードマスター達と、ヒエムスが、来て居た。少し離れた場所に、マレと、オーケアヌスが、座って居る。皆、言葉は、無く、鎮魂して居た。
40代の、女性の、ナチュラルストレートの、長髪が、麗しい、カジノ・賭博分野審議官カードマスター、ウェヌスタが、囁く。
「綺麗な、街ね。」
50代の、男性の、短髪ダンディーな、カジノ・賭博分野審議官カードマスター、パッシオが「負けるものか」というように、呟く。
「皆の、街だ。」
80代の、男性の、カジノ・賭博分野審議官カードマスター、クレーメンスが、返答する。
「昔と、変わらない。」
20代の、男性の、熱血漢の、カジノ・賭博分野審議官カードマスター、ウィースが、少し、沈黙して、口を開く。
「これからも、だ。」

ヒエムスのpen phone®︎ペンフォンに、着信が入った。妻からだ。オーケアヌスが、マレに声を、かける。
「2人で、見ていた海と、同じ海だ。」
マレが、オーケアヌスを、抱き寄せる。ヴァニタスが、マレと、オーケアヌスに、近づく。ヴァニタスが、マレに、告げる。
「見守って居るわ。」
マレが、返答する。
「有難う。カジノ・賭博分野審議官カードマスター、ヴァニタス。」
ヒエムスが、近づいて来る。マレに、「マレ、お母さんが、夕ご飯、出来たって。」と、話しかける。
ヒエムスは、マレが、交通事故に遭い、記憶喪失になった際に、マレの眠る、ICU集中治療室に、トランプを、置いて、カジノ・賭博分野審議官カードマスターを、引退した。今後は、家族の為に、生きていく為だった。しかし、あえて、マレが、1人で、生きていく様に、接触を、絶って来た、ヒエムスと、妻。その根底には、両親が、いなくても、1人で、生きていける、独立自尊の人に、なって欲しいという、思いが、あった。思春期の、多感な、時期に、苦労する事で、人間的に、より大きくなってくれるだろうと、期待した、ヒエムスと、妻。再開した、マレと、ヒエムス。妻の、待つ、夕食で、3年振りに、家族で、食卓を、囲む。マレが、返す。
「有難う。今行くね、パパ。」
オーケアヌスが、マレを、見つめ、言う。
「君は、もう、1人じゃないよ。」
マレは、オーケアヌスの、海を、見つめながら、昔を、思い出して居た。記憶を失くした、14歳の時に、見て居た海。晴れの日も、雨の日も、嬉しい事が有った日も、悲しみに暮れる日も、マレは、この、海を、見て居た。そして、自分の、名前が、何故、ラテン語で、海と、名付けられたのか、思い耽って居た。カジノ・賭博分野審議官カードマスターと、なった日に、相棒となる猫、オーケアヌスと、見に来た海も、思い出して居た。今の、マレには、カジノ・賭博分野審議官カードマスターたちが、居る。カジノ・賭博分野審議官カードマスターと、成った、ヴァニタスが、居る。そして、両親と、再会した。マレは、もう、1人では、なかった。

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