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内科専門医試験 2025年度 対策問題集 循環器分野 第6~10問


今回も、2025年度の内科専門医試験に向けた循環器分野の対策問題を作成し、厳選したうえで解答と解説をシンプルかつ分かりやすくお届けします。
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そんな方々のための記事です。
最短距離で合格を目指して、一緒に解いていきましょう!
では、第6問からスタートです!

問題6. 心電図で左右の手の電極を取り違えた場合に起こる心電図の変化として最も適切なのはどれか?

A. P波の陰転化
B. aVRとaVLで波形が入れ替わる
C. V1でT波が逆転する
D. QRS波の振幅が増大する
E. QT間隔が短縮する

解答

B. aVRとaVLで波形が入れ替わる

解説

左右の手の電極を取り違えると、標準肢誘導のaVRとaVLの波形が入れ替わる。

波形の逆転

aVRとaVLの電極配置が反対になるため、それぞれの波形が鏡像のように反転する。

問題7. 高カリウム血症に関連する特徴的な心電図所見はどれか?

A. QT延長
B. 高尖T波
C. 幅広いP波
D. U波の消失
E. RR間隔の不規則化

解答

B. 高尖T波

解説

高カリウム血症では心筋の再分極に異常が生じ、以下の心電図所見が見られる。

1. 高尖T波(超急性期)

高カリウム血症の初期所見で、T波が鋭く尖る。

2. P波の消失

カリウム濃度がさらに上昇するとP波が平坦化し、最終的に消失する。

3. QRS波の延長

高度の高カリウム血症では、心室伝導の遅延によりQRS波が幅広くなる。

臨床での注意点

高カリウム血症は致死性不整脈(心室細動や心静止)を引き起こすリスクがあり、緊急治療が必要です。

問題8. 高カルシウム血症に関連する心電図所見として正しいのはどれか?

A. QT延長
B. QT短縮
C. QRS波の幅狭小化
D. T波平坦化
E. 不規則なRR間隔

解答

B. QT短縮

解説

高カルシウム血症では、心室再分極の時間が短縮されるため、以下の特徴が見られる。

1. QT短縮

正常値よりも短いQT間隔が見られる。
これは再分極が早期に終了するためである。

2. T波の変化

QT間隔が短縮することでT波がQRS波に近接して記録されるが、形態自体は正常であることが多い。

鑑別診断

QT短縮は、高カルシウム血症のほか、高カリウム血症やジギタリス作用によっても見られることがある。

問題9. 一過性の意識消失(失神)の原因として最も可能性が低いのはどれか?

A. 血管迷走神経反射(神経調節性失神)
B. 起立性低血圧
C. 心室頻拍(VT)
D. 鎖骨下動脈盗血症候群
E. 片側性の視野欠損

解答

E. 片側性の視野欠損

解説

一過性の意識消失(失神)の原因は、主に神経調節性・起立性・心原性の3つに分類される。

1. 神経調節性失神(血管迷走神経反射)

  1. 迷走神経の過剰刺激により、血圧低下や徐脈を引き起こす。

  2. 立位や痛み、ストレスなどが誘因になることが多い。

2.起立性低血圧

  1. 体位変化時に血圧調節がうまくいかず、一時的に脳血流が低下する。

  2. 高齢者や脱水状態の患者で多く見られる。

3. 心原性失神(不整脈・心血管疾患)

  1. 心室頻拍(VT)は心拍出量の急激な低下を引き起こし、意識消失の原因となりうる。

  2. 特に基礎心疾患がある患者では、心原性失神の可能性を考慮する必要がある。

4. 鎖骨下動脈盗血症候群

  1. 片側の鎖骨下動脈が狭窄すると、脳血流が減少し、めまいや失神を引き起こすことがある。

一方、片側性の視野欠損は、通常、視覚中枢や視神経の障害によるものであり、一過性の意識消失とは関連が低い。

問題10. 心不全患者のNYHA重症度分類で、「日常生活動作で疲労感や呼吸困難を感じるが、安静時には症状がない」状態はどれか?

A. クラスI
B. クラスII
C. クラスIII
D. クラスIV
E. クラスV

解答

B. クラスII

解説

NYHA(ニューヨーク心臓協会)による心不全の重症度分類は、患者の日常生活能力に基づいて以下のように分類される。

・クラスI
日常生活に制限がなく、症状もない。
・クラスII
日常生活で軽度の症状(疲労感や呼吸困難)を感じるが、安静時は無症状。
・クラスIII
日常生活が著しく制限され、軽い運動でも症状が出現する。
・クラスIV
安静時にも症状があり、日常生活が困難。

この分類は、治療方針を決定する上で重要な指標となる。

おわりに

お疲れさまでした。
今回の内科専門医試験 2025年度 循環器分野の対策問題、いかがだったでしょうか?
今回の内容は、YouTubeでも公開しています。

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