気にするなオレも一人だクリスマス
なんと中途半端な。
一人で飲めるバーを探してはみたものの、やはりこの街は独り身が身に染みる、話し相手がほしくて入ってみたものの、客は僕一人のまま、虚な視線が宙を舞う。
カウンター越しに話しかけようにも、ファーストネームで妙に馴れ馴れしく呼びかける店員に心を開く気にもなれない。
スマホに視線を落として旧友たちの動向を確認する。
クリスマスだというのに、会社界隈の投稿かぁ。同僚と一緒らしい。ライトアップされた東京駅の駅舎の投稿に、なぜか寂しさが漂う。
それにしても中途半端な街だ。
独りの寂しさを、郊外のベッドタウンのつまらなさのせいにして、ウィスキーをあおるわけでもなく、いつもながら紛らわせようとするものを未消化のまま、店をあとにすることにする。
いかんいかん、悪くないんだよ、この街も。つまらないのは、ほかに理由があるんだよ、きっとね。
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