海外転居の準備(特にアメリカ)➀
アメリカへ移住する時に日本で必要になった処理に関して備忘録として記載します。移住して半年以上経つので忘れているところもあるかもしれませんが可能な限り思い出して。今回は特に公的な手続きを中心に記載しておきます。
1. 海外転出?
2. 税金は?
3. 年金、健康保険は?
4. 運転免許は?
が主な手続きなのではないかと思います。
➀ 海外転出するか否か
一番大きな前提は「海外転出」するかどうか。つまり日本の住民票を残すかどうか。「日本国籍を持ちながら日本に住所を持たない状態」にするわけです。海外で生活するうえで、その国での利点を生かすためには必要な手続きとなってきます。例えば「在留証明」を取得するには海外転出が必要(らしい)です(アメリカに来て実際転出した事実を聞かれたことはないように思いますが…)。
② 日本での税金は?
ご存じの通り税金には多くの種類があります。消費税以外に自分で管理しないといけない部分は、市税(固定資産税を含む)、国税(所得税)と思われます。
②-A 市税
住民票を残し海外へ転居する場合、支払い義務が生じます。今回私は2年以上アメリカに住むのがわかっているので「海外転出」しました。この場合日本に住民票はなく、住民税の支払い義務は生じません。ただ固定資産税・都市計画税など課税されるものも存在するので「納税管理人」の設定が必要です。私の場合は父親になってもらいました。納税管理人は市・国で違うので(同一人物でいいが)二つ登録しないといけません。ややこしいですね。
②-B 国税
こちらは不動産所得が海外転出後も生じる方、もしくは転出した年に所得があった方、もしくは今後も日本での所得が生じる方に特に必要となる処理です。基本的に日本でこう言った収入が存在する場合は日本での納税義務が生じます。(アメリカでgreen cardを取得するとアメリカでも税金取られます。二重課税になるので申告して控除を受ける必要があるみたいです。)ですのでこの場合は国税の「納税管理人」を設定します。行く前までは確定申告未の収入はあったが、移住後は日本で収入がない、という場合なら以前の職場に海外移住の旨を告げ、源泉徴収を作成してもらい、期限前確定申告で済ませてしまえば納税管理人の手を煩わせる必要がないです。(とはいえ何れにせよ納税管理人は設定しておいた方がいいことの方がいいです。手続き自体には時間もお金もかかりませんから移住前に時間があれば必ず済ませましょう。)確定申告の時期が来たら納税管理人(税理士さんや親族)にお願しましょう。
③-A 年金
年金に関しては方法は色々とあるようです。まず窓口は年金事務所や市区役所の年金担当と思われます。結果私は両方とやり取りしましたが、窓口の方がJ1 visa holderの立場を完全に理解していると期待してはいけません。基本我々は珍しい立場なのです。私は大阪市ですが、時間を割いてすごく丁寧に教えてくれました。結論から言うと海外転出すると強制加入ではなくなります。住民票を残して転居する場合は支払い義務が生じるので注意してください。私は国民年金、妻は厚生年金から退職後国民年金に切り替え済みでした。二人とも区役所へ出向き、国民年金を一時停止としました。この場合は将来受け取れる年金の額がアメリカにいて支払っていない分減額になると思われます。それが嫌な場合は任意加入という方法を取れば、年金を支払い続ける必要はありますが将来の額は減りません、多分。どちらにせよ海外転出する国民年金ホルダーは手続きをしないといけません。
③-B 健康保険
日本特有のシステムである国民皆保険。これは海外転出するとどうなるのか。こちらは海外転出すると自動的に無効になりますので支払い義務は生じません。その代わり日本に一時帰国などで滞在する際に病院へ行くと完全自費になってしまいます(観光などの逆でクレジットカード付帯の保険や海外旅行者用の保険に入る必要があります)。私の職場では被雇用者に健康保険への加入を強制(その代わり補助あり)しており付帯する健康保険のbenefitを受けることができました。
④ 運転免許
意外とサービスの行き届いていないのが運転免許。こればかりは更新のために一時帰国しないといけません(でした)。今回我々は出国の直前に免許更新のはがきを受け取っていたので更新してから行くことができました。この際すでに転出していましたが現住所は住民票の住所と紐づけられているわけではなく滞在中の住所(今回は実家)で更新しています。更新がまだ先の場合は期限前更新してできるだけ更新までの日数を増やすことはできますが、「誕生日までの日数+次回更新までの年数ー1が更新までの日数」となり、やや短くなってしまいます。また以下の特例が現在は有効なようですがいつどのように変更になるかは不明です。(在ニューヨーク日本領事館より)
・日本の運転免許証を保持している海外滞在者の方は、更新期間前でも、一時帰国の際に更新することができます。
・期限内に更新できなかった場合でも、以下の2つのいずれかにより、帰国後スムーズに免許の再取得ができます。
(1)日本の免許が失効して帰国した際も、外国で免許を取得しその後3か月以上滞在している方は、視力など簡単な検査のみで日本の免許を取得することが可能です。
(2)外国で免許を取得していない方は、失効後3年以内でかつ帰国後1か月以内であれば、更新と同じ手続(適性検査+講習)で免許を取得することが可能です。
・また、外国等で取得した国際運転免許証等を所持することによって、日本の免許を受けることなく(日本に上陸したときから1年間)、日本で運転することが可能です。
アメリカへ行く前に必ずやらないといけない公的手続きで主だったものは以上かと思いますが思い出し次第補足していきます。特に私は納税管理人の設定が必要でしたので、こちらはお勧めしておきます。
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