採血のtips
自分がnoteで医学知識を書いても、なんのエビデンスもなくて無意味だと思うので、臨床で役立つtipsを書こうかなと思います。
そもそも採血は医者の仕事でも無いとは思うのですが、
静脈採血は医療従事者にとっての基本的な手技の採血について書こうと思います。
そもそも静脈採血を研修医がやるかどうかは病院によると思います。
研修医が採血する病院もあれば、看護師さんがやってくれる病院もあると思います。
自分の病院は基本的には看護師さんがやってくれますが、どうしても難しい患者さんは研修医が駆り出されて動脈採血も含めて採血をします。あと当院では研修医が血液培養検体を取らされます。
人による好みはありますが、状況に応じて適切な採血手技を選ぶことが早く終わらせるために大切です。
静脈採血についていくつかのパターンで記したいと思います。
あくまで最低限の採血手技の知識の上で書きます。
以下は自分の感想なので、もちろん個人差はあると思います。
シリンジを使うメリットとしては各スピッツに入れる量を自分で調整することができるということです。採血で一番問題になるのは凝固のスピッツです。実際に現場に出ると分かりますが、凝固のスピッツだけは規定量ぴったりに入れる必要があります。そしてまた当たり前ですが、凝固しないうちにスピッツにいれなければなりません。
①シリンジ+直針
オーソドックスな採血方法その1。準備も簡単。座位で台の上に手を出すことができる、かつはっきりと血管が見えてこれはミスらんだろって人に対してやります。座位を取れない臥位の患者さんには自分はやりません。採血中に針先を動かさないようにシリンジを引くのが体勢的にきついからです。太い血管から取るので、50mL以上の採血にも対応しています。デメリットとしては、①分注が面倒であること、②初期段階でミスったらシリンジ内部にも血が付着してシリンジもダメになってしまうことがあります。座位を取れて血管がeasyな患者さんの血培の採血の1st choiceです。
②シリンジ+翼状針
便利な採血法です。明らかに簡単ではない患者さんの採血に用います。針先さえ固定させればシリンジの引き方は自由なので、体勢的には楽です。翼状針の翼を抑えれば針先の固定も容易なので、血管が細い人でも採血中に針先がぶれて血管外に出てしまうリスクも低いです。シリンジを準備する必要がある、分注する必要があるのが少々面倒です。
③真空管+直針
シンプルかつ医療経済にも優しい方法です。基本的には①シリンジ+直針と同じです。分注する手間を省けるので、その必要の無いときに用いれば良いと思います。複数本のスピッツで採血するとき、針先を動かさないように差し替える必要があるので、そこは神経を使います。また上記と同じで、座位をとれない患者さんに対しては体勢がきつく、針先がブレてしまう可能性があるため、この手法は用いません。
④真空管+翼状針
分注する必要がなく、スピッツ差し替え時にも針先が動いてしまうリスクが無いので、安定して採取をすることができます。真空管を使うメリットは、分注する手間が省ける、シリンジに採れる分に制限されずに内科の初回入院で多くの本数に採る必要がある患者さんでも、針先を安定して取り続けられます。またシリンジであまりに多く採ってしまうと、途中で凝固しないかヒヤヒヤしてしまいますが、真空管はその心配は無用です。
もちろん採取する血液量や状況によって使い分けますが、自分は病棟での採取が多く、おそらく当院は高齢の方や重症の方が多く、平均より血管に当てる難易度が高めであったため真空管+翼状針を使うことが多いです。