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この世界は物語でできている。
「ねぇ、ママ。〇〇ちゃん(自分の名前)の真似してね。」、「はい!船長!」と声の大きさを「0」、「3」、「10」と変えて3回言い合う。
その次に、鼻にしわを寄せるこわい顔をして、「はい!船長!これはコワイ言い方ね。」と。「この3の声で言うのがいいね。これを何回も練習するといいよ。」と子どもが言うのを聞いて、ハッとした。
このマネっこ遊びは、私のコワイ声を矯正するための練習だ。
それまでは「ママ、コワイ声で言わないで。〇〇ちゃん悲しくなるよ。」と疲れたときの私の低く愛想のない声に文句を言っていただけだった。
こんなに頭を使って私に訴えかけてきたその想いに応えたい。素直にそう思えて、笑った。
その後、調子に乗った感じで「お母さん、お仕事変えたら?もっと家の近くで、疲れないようにさ。」
まだ4歳になったばかりでこんな感じなんだ。
「本の子」という絵本が大好きで、自分で読みたがる。
「世界は物語でできている。」
私も誰かが見ている物語の一部になっている。子どもが見ている物語の中でどんな役回りになれるか。日々、試されている気がする。