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太極拳道場


太極拳道場に通い始めて、夢中になっている。

そもそものきっかけは、祖母が70歳から太極拳を15年以上やっていて以前から私も興味があり、この春に心身の不調をきたした際に体のために習い事をしようと思ったのだ。新しいことを始めるのが億劫な自分を奮い立たせ、太極拳道場の体験に行ってみたら今の自分に必要なことばかりだ!と感動して、毎週通うようになって丸2ヶ月が経った。

「心身の健康のために」と思って何も知らずに始めた太極拳。実は武術だということすら知らなかった。太極拳「教室」だと思っていたのは「道場」で、そこでの「練習」は「稽古」なんだと後から合点がいった。

私が習っているのは伝統楊式太極拳60式で、型が60ある。2ヶ月休みなく毎週通ってもまだ半分も習ってない。しかも全部覚えてやっとスタートラインに立つようなものだと師範の先生は言う。太極拳は現象であり、その現象がいつ起こるかは続けていかないと分からないと。その一筋縄ではいかないところにワクワクする。編み物が仕事の私にとって時間がかかることはあまり苦ではないし、時間をかけるからこそできることが確実にあるのを知っているから。

何より自分にとって一番衝撃だったのは、「readyな状態は全身の力が抜けている状態」という先生の一言だった。目指すものがある時、いつでも私は準備・段取りに力を入れて気持ちは戦闘モード。真逆のことをしている!唖然とした。ハードな局面でこそ自分はソフトに。先生が教わった師範のお言葉だそうだ。聞いた時、世界が丸ごとひっくり返ったような、魔法の言葉をかけられたような、そんな気分だった。頑張りすぎて力んでばかりで疲れてしまっていた私に深く響いた。何でもかんでも気合いを入れて挑む自分にとって全身の力を抜いて動くことは至難の業。だからこそ学びがいがある。

今日も道場に向かう足取りは軽い。60式習得までの長い道のりを、楽しく進んでいきたい。

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