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【シャニマス】私たちは「何」を見たのか〜LME第一・第二公演感想〜

こんにちは、キャラメルです。

1/11に行われたシャニマス初の単独XRライブ
「283 Production LIVE Performance [liminal;marginal;eternal]」、その第二公演[odd;2]で起きたあることが現在非常に話題になっています。

本noteではLME第一・第二公演の感想と第二公演で起きた事件(事故)についての個人的な解釈や感想、感覚、認識、思考について書いていきたいと思います。

現在興奮冷めやらぬ中スマホで慣れない長文を書いているので読みにくい文になってしまっているかと思いますが温かい目で見てくださると幸いです。

はじめに

まず私のシャニマスと高山Pについての感覚、及び今回の件について全体的な感想を述べます。

先に感想から言ってしまうと、今回の演出に関しての私の感想は「結果的に正直かなり良い、というかかなり好きな演出」という感じになります。ただここで1つ言っておきたいことがあるのですが、私は基本的にシャニマスの"尖った"やり方が好みではありません。

シャニマスは他のアイマスブランドと比べて非常に"尖った"演出やコンテンツが多く存在します。

個人的に5th day1などはまだ「やりたい事は分かるけど実際にやると批判くるだろ……」といった感じでまだ許せるところはあるのですが、最近の演出、例えばアイマスエキスポの展示説明文であったり、LMEの某ポエムだったり、某1時間虚無動画だったりに関しては気持ち悪いと思っています。

シャニマスのオタクがよく言ってるキッショ(笑)とかではなく本気で嫌悪の情を持って言っています。

なのに何故今回の演出を良いと思ったか、その理由の説明も兼ねて第一第二各公演の感想を書いていきたいと思います。
ちなみに私の担当はコメティックです。

第一公演について

まず第一公演 [never;1]についてです。
第一公演、まだ見てからそれほど経っていないのに随分昔のようのことのように感じてしまいますね。

第一公演は何も起こってないので(それが普通)普通のXRライブだったのですが、普通にXRライブとしてかなり楽しいライブでした。

少し不安だった3Dモデルの出来も良く、また席が2階ステージ正面スタンド前方で少しステージが遠かった分、画面の違和感が薄れて本当にステージ上にアイドルがいるように感じられてとても良かったです。

無垢や夢模様キャンパス、SHHisのEchoes曲といったまだリリイベ以外の他のライブでやられていない曲を聞けたことも嬉しかったですし、何よりXRだから声優さんじゃなくてキャラが歌っているように感じられることも良かったです。

この差は体験するまでは大したことのない差のように感じるかもしれませんが、実際に体験すると想像以上にアイドルを生で感じられて良いんですよね。

背景映像もかなりちゃんとしたものが作られていましたし、(前録なので調整できるとはいえ)歌唱パフォーマンスも良く、XRライブとしてかなり良いライブだったように思いました。難点というか嬉しい悩みとしてはSHHisもコメティックもノリの良い曲が多いので全部ノリに乗った結果右腕がめちゃくちゃ疲れたことがあったくらいで。

また公演時間が2時間弱と最近のXRライブ(はんげつ、961プロ)よりも長かったのも良かったですね。同じ金額払うなら長く曲数が多いに越したことはありません。

と、まあ第一公演に関しては普通にXRライブとして良いライブ、という感じでした。

第二公演について

次に第二公演[odd;2]についてです。

第二公演に関して、特に序盤に関しては正直なところ少しテンションが下がっていました。
というのも曲が第一公演と同じな上、ソロ曲の入れ替え以外セトリの順番も一緒で、第一公演を数時間前に見たばっかりの身としては「曲もパフォも良いけど全部同じ感じなのか……」という感覚が強かったからです。

二次元コンテンツライブではday1day2でセトリがほとんど変わらないコンテンツも多くありますが、アイマス、特にシャニマスはここ最近のライブでは基本的にday1とday2でかなりセトリを変えてきていましたし、XRライブとしてもはんげつや961プロでは曲目を変えつつ曲の順番も入れ替えることで公演ごとの印象を変えてくるといったアプローチが多かったため、シャニマスのXRライブでまさかセトリにほぼ変化がないとは思っておらず、その期待の分のマイナスもありました。

あと昼公演でめちゃくちゃノったせいで首と肩と右腕に限界が来ていたのもあって少しノリきれない感覚がありました。それでも曲とパフォは良いのでそれなりにノリつつ楽しんでいたところ、事が起きました。

一瞬スタッフ用無線の音声が聞こえたかと思うと、にちかの「美琴さん……!?」という声が聞こえ、そしてFly and Flyのイントロが流れ奈落から台がせり上がってくるもそこにはにちかも美琴もいない。
そして映像が中断し場内が明るくなり、一時中断のアナウンスが入りました。

これは正直めちゃくちゃ驚きました。
XRライブは最近のものは基本全て前録なのでにちかの「美琴さん……!?」があった時点でこれが演出だということはわかっていましたが、それでもライブ中断を演出に組み込むとは予想していませんでした。

そして再開のアナウンスが始まり、Fly and Flyのイントロが再び流れたかと思うとステージ上にはにちかしかいない、異例のにちか単独でのFly and Flyが披露されました。何があったのか、どういう意味での演出なのか分からないまま始まったFaF、困惑しながらもとりあえずペンライトは振って鑑賞しました。

FaFが終わった後、にちか単独のMCが始まりそこで美琴さんが体調不良で出演中止となったこと、ステージを成立させるためにSHHisで披露予定だった曲はにちか単独でやることが知らされました。

正直、このタイミング辺りから私の中でのこのライブに対する感覚がかなり変わってきていました。

XRライブは基本的に音声は全部前録で、全ての演出•パフォーマンスが前もって作られており、その映像が照射されたものを私たちは見ています。

言ってしまえば、XRライブでパフォーマンスをしているアイドルは「生きていない」のです。

そこに体力やコンディションという概念は存在せず、だからこそ通常のコンテンツライブではない7曲連続パフォーマンスや昼公演終演から夜公演開演までのインターバルが2時間しかない公演を2daysやることが出来ますし、それに対する観客側の心配なんてものは基本存在しません。

それにも関わらず発生した「演者の体調不良」というイベント。いや確かにこれは演出ではあるのですが、しかし私の中でこの時から「演出だと理解している心」と「演者を本気で心配する心」が存在し始めました。

具体的には、昼公演の際、2人のパフォーマンスでもギリギリだったSHHisの連続パフォーマンスをにちかが美琴さんの分も補いながら行うことに対して正直めちゃくちゃ心配な気持ちが湧いてき始めました。
実力も自信もついてきているとはいえ、にちかは無理をするところがあるとこちらは知っているので下手したらにちかもぶっ倒れるんじゃないかと思ってしまいました。

この時から私の中でこのライブにおける七草にちかが「生きている」人間となったのです。

そうなった状態で見るにちか単独でのパフォーマンス、私は正直怖くてたまりませんでした。

「この曲が終わったら倒れるんじゃないか」「怪我をしてまうんじゃないか」「失敗してしまうんじゃないか」、そんな心配が溢れ出てきました。

昼公演では散々ノって楽しんでいた曲も全然ノることが出来ませんでした。
ただただ不安で、前の座席の背に片手を置きながら右手でリズムや歌詞に合わせてペンライトを控えめに振っていました。

ペンライトを振っているのも、曲にノるためだけではありませんでした。

「美琴さんが倒れて、能力的に劣っていると自己認識しているにちかが行う単独のステージで客がノっていなかったらにちかは悲しんで、傷ついてしまうんじゃないか」という気持ちがかなり大きくありました。

XRライブは全部前録で、映像上のアイドルが客席を認識することはないと、ここで起こっていることは全て前もって作られた演出だということを頭では完全に分かっているのに。

そして単独ステージラストの「フェアリー・ガール」、私はこの曲がソロ曲の中で1,2を争うくらい好きなんですがそんな曲でも全然楽しめませんでした。心から心配で、怖くて、気が気でなくて、気を抜いたらこちらが崩れ落ちてしまいそうな心持ちの中、鑑賞していました。

結果的ににちかが倒れることはなく連続パフォーマンスは終わりましたが、その後も美琴さんが復帰することはなく、美琴さんを除く出演者全員での披露曲が終わりました。

そして始まるアンコールのコール(正しい呼び方が分からない)、これも正直私はするのが怖かったです。

昼公演でアンコールでのにちかの披露曲がないことは予め知っていましたが、それでも「もしにちかの披露する曲があったら」「そのパフォーマンスでにちかが限界を迎えてしまったら」そんな思いが頭の中でグルグルと回り始めました。下手したら、私たちがアンコールを求めることでにちかにとどめをさしてしまうんじゃないかと。

アンコールでにちかの出番はありませんでした。
しかし、昼公演と同じくコメティックのパフォーマンスはあります。

ここまでにちかについてだけ書いてきましたが、美琴さんの元相方であり、美琴さんへの想いが強いルカのことも当然心配でした。

そんな中で行われる斑鳩ルカの「神様は死んだ、って」とコメティックのパフォーマンス。

ルカの「ステージを成立させる」ことへの想いを感じるパフォーマンスでした。

美琴さんの脱落に大きなショックを受けているにも関わらず、それでもパフォーマンスを行いステージを作り上げる。私はルカにも「生きている人間」を感じました。

そしてLME第二公演[odd;2]は終了しました。

あの演出について

第二公演でもある程度述べましたが、さらにあの演出についていろいろ書いていきたいと思います。

最初にも述べましたが、私はこの演出を良い演出だと思っています。

XRライブはその性質上どうしても無機質で、有機的な「生きている」という感覚が欠落したものになってしまいます。見る側はもちろんその事を前提として分かって行っているので、これは仕方のない欠点ではあります。

今回の演出はまさにこの前提を逆手に取ったものだと言えるでしょう。

体調不良で倒れる演者というXRライブでは本来起こりえない演出を踏まえて、ステージ上のアイドルが確かにその時有機的な、「生きている」存在となったのです。


ここまで読んでくださってる方の中には気づいている方や違和感を感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、私は緋田美琴の体調不良による脱落の影響を受けた七草にちかや斑鳩ルカのことは心配していますが、肝心の、体調不良で倒れ、脱落した緋田美琴のことを心配していません。これは公演中も、そして公演後の今も同じです。

なぜかというと、私の中で「緋田美琴の脱落」は演出として、無機質なものとして処理されているからです。同じく演出の中でパフォーマンスしたにちかやルカのことは心配しているにも関わらず。

これは私の中で「緋田美琴の脱落」を経て初めてステージ上のアイドル、特に七草にちかと斑鳩ルカが「生きている」存在になったからだと思います。

反対に言うと、にちかやルカが「生きている」存在となるために「緋田美琴の脱落」は消費されています。舞台装置として使われているのです。(ちなみに私の中でははるき羽那もまだ生きている存在ではありません。)

当然、これに批判はあって然るべしだと思います。XRライブは基本的に出演者、2次元のアイドルを目的として行く人間が圧倒的に多く、そして今までのものもそういったファンが十分に満足できる内容だったとおもいます。

そういったものを期待して行ったファン、特に美琴さんのファンにとっては自分の推しが急に脱落した挙句その回の公演ではその後一切出ることなく終わっているわけです。

私は美琴さんを強く推しているわけではないので勝手な代弁は控えたいと思いますが、こういった内容に対し美琴さんのファンが怒ったとして、それを責めることは誰にも出来ないでしょう。

そもそも今回の演出は観にくる客の信頼をあてに、いわばダシにした演出と言っていいと思います。

客がXRライブで通常通りのパフォーマンスを期待しているからこそこの演出が効いているわけです。そういった期待や信頼を利用した演出は決して褒められるものではありません。

今回の公演、1回あたり配信チケットでも4500円、現地チケットなら9800円、その中の特典付きなら15000円します。

経験則上特典付きの方がチケットが当たりやすく、良い席にもなりやすいため、良い席でパフォーマンスを見ることを楽しみに高いチケットを申し込んだ人もいると思います(というか私がそう)。そうでなくても通常のチケットでも9800円、決して安い金額ではありません。

また今回の公演は計4公演あります。
もし現地全通するのであれば最低でも39200円、全特典付きなら60000円がチケット代だけでかかるわけです。お金に余裕のある方なら気にする金額ではないのかもしれませんが、人によってはその中の1公演だけ行く、といった人もいるでしょうし、それでも満足できるだろうという期待をしているわけです。そして、本公演に際し、特段4公演通しての演出が存在するなどのお知らせはありませんでした。

そんな中で今回の演出を行ったわけです。

前もって予測できたんじゃないか、という考えもあるかもしれませんが、5th day1の演出で炎上して以降、シャニマスはライブコンセプトや幕間の演出によく分からない意識の高さを見せることはあっても、ライブのパフォーマンスそれ自体は普通に楽しめるものばかりでした。

XRライブというシャニマス単独で初めての試みで、そのクオリティが担保されていない中チケットを申し込んだり配信チケットを買ったオタクのことを蔑ろにしていると言われても仕方ないと思います。

オタクの熱意、愛、信頼、期待、希望、それらを全て演出のために消費したのが今回の演出です。

初めに私はこの演出を良いと言いましたが、それはあくまで「演出の内容として」であり、「この演出を行うこと」自体に対しては批判的な思いも十分にあります。

この演出を楽しめるオタクとそうでないオタク、どちらにも良し悪しやオタクのとしての熱意に差はないと私は思っています。本当に。

終わりに

今回の第二公演での演出の是非は置いておいたとして、それを踏まえた本日の第三・第四公演の内容が楽しみではないかというとそうではありません。楽しみではあります。期待はしています。

私達はライブにおいては基本的に一方的なテイカーでしかありません。起こる演出をそのまま受け止めることしか私たちにはできません。このLME、今後どのような展開が起きて、どのように終わるのか、私たちには全く分かりませんしそれらに影響することもできません。

願わくば、彼女たちにとって良い結末となることを私は望みます。

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