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原チャリで日本海側本州最北端へ行ったから、伝えたいことがある。

カラカラです。

毎日ダラダラして、薬を飲んで正気を保って、それでも耐えられなくて酒を飲んで。そんな毎日は療養なんかじゃなくて、ただの地獄でした。

ある時僕は全てを投げ出したくなり、原チャリで旅に出ました。目標は竜飛崎。北朝鮮と同緯度で、ハングルが印字されたドラム缶なんかが流れてくる場所。

 さあ旅に出ましょう。僕は防風ジャケットに500円だけ入れて、原チャリに跨りました。

車種はジョルノクレア50。出発地はう~んどうしようかな 自宅を載せるわけにもいかないし

グーグルマップで竜飛崎と調べてみてください。海を右手に見ながらずっと走っていくんです。距離はおよそ80km。

じゃあ行くぜ



ああ、夏だあ...

おなかがすいたということで、道中ラーメンを食べました。

蓬田(よもぎた)、平舘(たいらだて)、と右手に何もねえ道を走っていきます。

EMOTION...


平舘を超えると今別(いまべつ)に至ります。

全てから逃げ出したくてここまで来た僕を受け入れてはくれないけれど、それでも「もっと行けばいい」「帰る場所なんてなくていい」「ボケ」と言ってくれた気がしました。

さあさあ、今別からが本番です。ここからは漁村が続き、山と海からの冷たい風を全身に受けながら走ることになります。


ずっとこんな海が右手に見えたまま、走り抜けました。

今まで僕がいた世界とは違う世界、そんな感じがずっとしてました。

分かりやすく言い換えればそれは恐怖そのもの。旅には帰巣本能による警告が付いてまわります。



今別では何か特別な写真が撮れました。それがこちら

この道は無限なのかと。

そしてこの世界には僕とジョルノしかいないのかと。

「さて、行こうか」と呟き、僕とジョルノは先を目指し、ドルンドルンとエンジンを鳴かせながら彼方へ消えていきました。

こんな道を眺めながらあと20kmちょいか?がんばれシャミ男!



到着。そこに感動は無かった。


ここは竜飛崎を少し降りたところ(ここで熱中症になった)。感動は無い。山、海。空に雲があり、地に土。でも僕は見た。

夏が死んでいくところを、見た。

地球を見た。命がなぜそこにあったのか、理解したような気がした。

海の向こうにはウラジオストクがあるはず。なのに見えないのは、地球が丸いからだね。

不思議な感じだ。とつぶやきながら、16時には竜飛崎を出発し、帰宅した。


旅があなたにもたらすものは計り知れない。僕も例外ではなかったみたいだ。



後日、ジョルノの頑丈で厚いタイヤがパンクした。まあ当然だよね、すまなかった。

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