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【元動物看護師が伝える】冬に多い尿路結石。

みなさん、こんにちは。
からなしです。

冬になると多くみられる疾患の一つ、尿路結石。

特にオス猫に多く見られます。

尿路結石とは、尿の通り道に石ができてしまう病気です。

石が詰まったことにより尿が出なくなると「尿道閉塞」「尿管閉塞」になってしまい重篤化する可能性があります。

それを防ぐために、お家でできる予防方法や尿路結石になる原因などを、今回お話しします。



◆尿路結石の症状

尿路結石や尿道閉塞になってしまった時に出る主な症状は以下です。

◉頻尿
◉血尿
◉尿が出ない
◉嘔吐
◉元気食欲の低下
◉トイレじゃないところに排尿する

「排尿姿勢を何度もとっているが尿が少ししか出ていない」
「尿の色が赤い」
「いつもはちゃんとトイレで排泄するのに、最近よく失敗している」

なんてことがあれば、動物病院へ行きましょう。

特に、「尿が一日以上出ていない」場合は尿管閉塞や尿道閉塞になっている可能性があるので、すぐに動物病院へ⚠️⚠️



◆尿路結石になる原因

尿路結石になってしまう原因は様々ありますが、今回は3つの主な原因についてお話しします。

①細菌感染
②与えるお水やご飯
③飲水量が少ない


①細菌感染
細菌が感染することにより膀胱炎になると、その影響で膀胱内のph(電解質)バランスが崩れてしまい石ができやすくなります。

②与えるお水やご飯
石の成分であるミネラルやマグネシウムが多く入っているお水やご飯を与え続けてしまうと、石ができやすくなります。
また、鰹節などのおやつの与え過ぎも石の原因になります。

たまに人間用の飲料水(ミネラルウォーター等)を犬や猫に飲ませようとする飼い主さんがいますが、それは絶対にやめましょう。

③飲水量が少ない
飲水量が少ないと、排尿回数も少なくなります。膀胱内に尿が溜まっている時間が長くなると、尿中のミネラル濃度が高くなり石ができやすくなります。



◆石が詰まるまでの過程

腎臓や尿管に石ができてしまう事もありますが、膀胱内で石が形成されることが多いです。

膀胱で形成された石が、膀胱内を傷付けてしまい血尿になります。よって、膀胱炎になり血尿が出たり、少し濁った色の尿が出るようになるのです。

その膀胱内でできた石が流れて、尿道に詰まってしまうということも少なくありません。

そのため、尿道が長いオスの犬や猫が詰まってしまう事が多いのです。



◆予防方法

結石ができるのを防ぐために、お家でできる予防方法を2つ紹介します。

①飲水量を増やす
②トイレの環境整備


①飲水量を増やす

猫の祖先はもともと乾燥地帯に生息していたそうです。そのため、少しの水分で生きていけるように猫の腎臓は発達していると言われています。

それによって「水を飲む」という習慣があまりない猫も、もしかしたらいるのかもしれませんね。

飲水量を増やすためには、お水を飲む環境を整えてあげる事が大事です。

「うちの仔、寒くなってからあんまりお水飲まないなぁ…」

と心当たりのある方はまず、お水を置く場所を増やしてみましょう。

飼っている仔によっては、ぬるま湯や流水が好きな仔もいるので、飼っている仔に合わせて用意してあげてくださいね。

1日に必要な水分量は、以下になります。
(その仔の状態や運動量などによっても変わってくるので参考程度でご覧ください)

・猫…体重1kgあたり50ml前後
・犬…体重1kgあたり60ml前後

飲水量は、少な過ぎても多過ぎても良くありません。

飲水量が多過ぎると別の疾患の可能性があるので、かかりつけの動物病院へ相談しましょう。


②トイレの環境整備

ご存知の方が多いと思いますが、動物は綺麗好きで変化に敏感な生き物です。

そのためトイレが綺麗に保たれていないと、我慢してしまったり、別の場所で粗相してしまうこともあります。

安心して排泄が出来るように、トイレは常に清潔にするように心掛けましょう。



◆最後に

最近Xで、「結石は猫にしかできない」という旨の投稿をしている方を見かけました。

今回は猫に視点を向けてお話ししましたが、上記の投稿は嘘です。犬も尿路結石になりますし、閉塞する子もいます。

メスより尿道が長いため、オスの方が尿道閉塞になりやすいのは事実です。

上記でも述べましたが、猫は犬に比べて「なかなかお水を飲まない」という仔が多い傾向があります。
(猫を飼っている飼い主さんから「どうやったらお水を飲むようになるのか」と何度か相談を受けた事があるので…)

そのため尿路結石や尿道閉塞になるのは、オス猫が多いのです。

「一日くらい出てなくても大丈夫だろう」
「昨日から尿が出てないけど、仕事があるから夕方に動物病院へ連絡しよう」

これは本当に危険です⚠️

尿道閉塞になると、状態が悪化し最悪の場合亡くなってしまうこともあります。

「排尿していないかも…」
「いつもよりトイレに行く回数が多いな…」

など、異変に気づいた場合はすぐに動物病院へ相談しましょう。「お仕事などでずっと病院にいれない」という方は、預かり検査ができる病院もあるので、電話で相談してみてください。

今日から最強寒波で、もっともっと寒くなるようですね❄️

皆さん、温かくしてお過ごしください。

それでは今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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