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国産スポーツワゴンの筆頭格、新世代へ
新型レヴォーグ・試乗レポート
2020年11月。満を持してスバルの人気車種レヴォーグが、フルモデルチェンジを行い販売が開始されました。
大好評だった先代モデルより大幅な進化を遂げ、新世代スバルの幕開けとなった新型レヴォーグ。
今回は上位グレード”STIスポーツ”の私的試乗記をお届けします。
試乗協力店・栃木スバル 宇都宮店
https://www.tochigi-subaru.jp/
■レヴォーグとは
スバルが掲げる「グランドツーリング思想」を表現した1台です。“走りのキレ×利便性=相反する要素”を両立するフルタイム4WD&ステーションワゴンタイプを採用。
また国内専用ボディサイズである為、日本のあらゆる走行車線・駐車場でも使い勝手が良いのも人気の理由です。
先代モデルではスバルを代表するスポーツカー・WRXとプラットフォームを共用していた為、ワゴンボディでありながら、走行性能の良さも相まって人気を博しました。
新型では、運転支援システム「アイサイトX」を初搭載。GPS情報を活用した加減速制御や、360度センシングなどで安全性能の向上性が大幅進化。そして、新開発の1.8リッターエンジン(レギュラー仕様)・新規プラットフォームの採用で、走りの面も合わせて向上が図られています。
写真は先代レヴォーグ(引用:SUGDAS)
■新デザインコンセプトを纏う外観
スバルの新デザインコンセプト「BOULDER」を取り入れたその外観は、新しさを取り入れながらも、一目見て「レヴォーグだ」と分かるスタイリング。
スマートとなったヘッドライト&拡大したフロントグリルがスポーティーさを感じる顔つき。
サイドでは、多角デザインのフェンダーアーチ、前後とも張り出した形状のキャラクターラインを採用。
全体を通しスマート且つマッシブな印象を受けますね。
「これがスバルのニュースタンダードだっ!」と聞こえてきそうな外観は、見慣れるまでまだまだ時間が掛かりそうです。
■先進性を感じるコックピット
シートや内張りには質感の向上が図られていました。
デジタルメーターも切り替え可能
新搭載・アイサイトXの11.6インチディスプレイが目に飛び込んでくるインパネ周り。
このディスプレイ自体は、操作面は特に不満無くサクサク操作出来ました。最近の外国車等にも、大型ディスプレイ搭載車が増えてきましたが。個人的にはスポーティーさを欠いてしまっている印象です。
しかし、今後はこれがスタンダードになると考えると、慣れていくしかないのかなぁ(笑)
リアシートは先代より拡大が図られていて、リクライニング機能がついています。
■スムーズな乗り味はGOOD。愉しさは?
常用域では不満無く走れる。全てにおいて”スムーズさ”を感じました。
新型1.8リッター・ターボエンジンは、トルク感よりリニアな加速重視な印象でした。
60キロまで難なく加速します。
足回りも、とてもしなやか。段差上を通過する際に微小のバイブレーションを感じますが、大きい突き上げなどは無く、いなし方が見事でした。
また私の一番の驚きは、ハンドリングです。
ワゴンサイズを運転しているのを感じさせない、まるでコンパクトカーを運転している様な感覚を覚えるのは、先代でも感じていたのですが。
内部構造が変更されたので、さらに”ダイレクト感”が増したなと思いました。
後悔としては、STIスポーツ専用装備の電子制御ダンパー&4段階となった走行モードセレクトの真価を、宇都宮の街中試乗では実感出来なかった点です。
その為、CMされている安全面・機能面の向上は実感できましたが、”走りのイメージ”は先代より薄くなった気がしてしまいました。
もし機会を得ることが出来たら、是非ワインディングを走ってみたいです。
■今後のレヴォーグは何処へ向かう?
試乗を終えて、素人ながら、最初に浮かんだ感想は「この車、完成度たっけぇー!!」でした。
なぜそう思ったのか?
私は車に乗った際に「自分だったら、○○をイジりたいなー」や「この部分は、ちょっと納得いかないかなー」を考えます。(当然、個人の偏見です)
ですが、今回のレヴォーグに関しては、それを感じませんでした。
(否、興味無い・考えてないわけではないですよっ!笑)
細かな気になる点はあるものの、私の中では不満が浮かばないのです。
自分のライフスタイルの中でも、将来的に乗っても良いと思えるくらい、いい車でした。
しかし、思う事は一つ
ここまで完成度の高い1台であるレヴォーグは、「この先どの様になっていくのか」です。技術の他車種への転用は、既に始まっていますね。
スバル車には、マイナーモデルチェンジ毎に新機能の装備・グレードの追加などが発生します。(アプライド~と呼ばれます。)それを楽しみにしているユーザーもいます。
また、スバル車専門に活躍しているアフターパーツメーカーも、この新世代スバルの1台を見逃す訳にはいかないでしょう。
私個人としても、今後のスバル&アフターパーツメーカーが、この車を”どう進化させていくのか”を楽しみにしています。