実にエモい車…GRスープラ
GRスープラ・試乗レポート
その車を所有する事・運転する事に、強い優越感に浸れる。
世の中にはそんな車も存在すると思います。
今回お届けする「GRスープラ」も、その中の1台だと強く感じました。
エントリーグレード・SZの試乗レポートをお届けします
試乗協力店・GR Garage 宇都宮 つくるま工房
https://www.corolla-tochigi.co.jp/naradeha/tsukurumakobo?
■GRスープラとは
「The Sports of Toyota」のキャッチコピーにて、トヨタのフラッグシップスポーツカーとして人気を博しながらも、2002年に生産終了した「スープラ」。特に先代(A80型)は、レースシーンでの活躍、高性能且つチューニングベースとしての潜在能力の高さも相まって。今現在も日本を代表するスポーツカーの1台です。
そのスープラが2019年、「GRスープラ」として復活を果たします。その中身はドイツ製スポーツカーの雄・BMWとの共同開発。(BMW・Z4はGRスープラの兄弟車)
今では貴重な”純粋な内燃機関+FRレイアウト”のピュアスポーツカーの復活は、チューニングシーンも含め、スポーツカー業界に大きな賑わいをもたらしました。
左:現行スープラ(A90型) 右:先代スープラ(A80型)
■低く伸びやかに。そして存在感溢れるエクステリア
最初に実車を見て思うのが、「イメージよりもコンパクトな印象」です。明らかなワイド感がありながらも、そう感じてしまいます。
しかし、性能に裏付けされた抑揚のついたデザインが、只者ではない存在感を感じさせます。 低い全高・旋回性能を追い求めたショートホイールベース・視覚的迫力とタイヤ性能を納める為のワイドトレッド。「走りを楽しむ」為に必要な要素が揃っています。
また、全体的に曲線基調ながら、各部に立っているエッジがスポーティーなアクセントとなっています。
シャープなフロントノーズ
なんともグラマラスなリアフェンダー
■これが”現代のスポーツカー”のインテリア
運転席に腰を埋めての第一声は…
「ひ、低いっ!?」
ノーマルシートながら着座位置・アイポイントの低さに驚きました。まさに地を這うように...は、言い過ぎかもしれませんが(笑)
いかに低重心を意識しているかが分かります。
写真がありませんが、ボンネットエンドが視界に入ってきます。これは前走車との距離感を測りやすくて良いですね。
そして見渡すインパネ周りは、上質且つとても落ち着いた雰囲気。
直線基調で無駄がない、必要な操作系を絶妙な位置に配置。そうでありながらも、カーボンパーツの採用や、ドライバーを包む様な造形により、スポーツ感も失わない。「ラグジュアリースポーツ」と言えるでしょう。
まさに、トヨタのスポーツカーの頂点として、「上質さ&グローバルに受け入れられるデザインを取り入れた」と解釈しています。
サイドのデザインが何とも独特なメーター周り
トランクに関しては、一人用のアタッシュケースぐらいは乗るはず
■上質さとスポーツ性能の共生
ノーマルモードでの乗り味はとてもフラットでした。
軽やかなハンドリング。リニアな加速。段差のショックをスムーズにいなす足回り。
静粛性も高く、その上質且つフラットな乗り味は、むしろグランドツアラーと言えます。
しかし、スポーツモードに入れた瞬間に車が豹変しました!
ダイナミックでエキサイティングなエンジンサウンドが、耳に飛び込んできました。
この”音”に圧倒され、心奪われましたっ!!
「ああ、そうだった。この車はピュアスポーツだった」
と、その時に実感しましたね。
このスポーツモードでは、アクセルレスポンスなどの制御系も一気に切り替わるのですが。
私が実感できたのは、ハンドリングのダイレクト感が増加した事です。確実にノーマルモードよりクイックに対する反応が変わりました。その他の機能については、確実に変わっているはずですが、うまくキャッチできませんでした(汗)
その理由は、上述したエンジンサウンドに完全に陶酔してしまっていたからです。
あの高揚感高まるサウンドは、スポーツカー好きなら、一度は是非ご体験いただきたいっ!!まるでレーシングカーを運動しているようでした。
(アクセルオフ時にアフターファイアサウンドが出る演出もGOOD)
■エモーショナルな部分に刺激を与えてくれる車
試乗を終えて思ったのは、シンプルにスポーツカー好きとしての「喜び」。そして、常用域での上質さの「驚き」です。
スポーツカーとしての性能を使い切るには、サーキット環境とドライビングテクニックが必要ですが。公道を走る中でも、洗練された乗り味を楽しむ事が出来るでしょう。
また、このスープラには、ドライバーのエモーショナルな部分に訴えかけてくる”何か”があると強く思いました。私が強く感じたのは「優越感」です。トヨタのフラッグシップスポーツに乗っている・憧れのスポーツカーを運転している、喜びに満ちた優越感に浸っていました。
正直、理由は多々ありますが、「誰でも買うような車」ではありません。言葉にしなくても、実際の流通台数が物語っています。
しかし、その中でスープラを選んだ人たちも、この車に求める”何か”があったので購入していると思います。
人にトキメキを与えてくれる”エックスファクター”を有した車。そんな車が後に「名車」と呼ばれていくのでしょう。
各自動車メーカーには、今後もユーザーをワクワクさせる車を作り続けていってほしいと願います。