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[bZ4X/ソルテラ比較①グレード・内外装]ここが違う、こんなに違う!注目の2台を見比べてみた。
いよいよ5月12日に発売となる、トヨタ•bZ4X&スバル•ソルテラ。
スポーツカー開発で大きな成果を生んでいる2メーカーが、新たに作り出したEV車ということで、発表当初から大きな注目を集めていました。
さらに、突如アナウンスされた発売方法も衝撃的でした。トヨタはKINTOによるリース販売・スバルは通常販売という。ユーザーへの提供方法も異なります。
そして今回、発売前の2台に試乗する機会を筆者は得ましたー!!そこで実際に触れた事により分かった両車の違いを、全2回でお届けします。
第1回目の本記事は、グレード・内外装の違いから見えてくるメーカーの意図についてご紹介します。
•bZ4X 試乗会場:湘南T-SITE KINTO POP UPカウンター
https://about.kinto-jp.com/n/nf470826d3e36
•ソルテラ 試乗協力店:栃木スバル自動車株式会社 宇都宮本店
https://www.tochigi-subaru.jp
※画像引用:トヨタ自動車株式会社https://toyota.jp/bz4x/
※画像引用:株式会社SUBARUhttps://www.subaru.jp/solterra/solterra/
◾️グレードから読み解く、メーカーの考え
はじめに両モデルのグレード展開を説明します。トヨタ•bZ4Xは1グレード/2バリエーションです。対してスバル•ソルテラは2グレード/3バリエーションとなり、この時点でメーカーサイドの意図が分かれています。
・bZ4X:1グレード/2バリエーション
トヨタがKINTOにて展開するbZ4Xは、スタンダードな内装を備えるZグレードのみ、FWD(600万円)と4WD(650万円)が選択可能です。
このZグレードはシートベンチレーションなど快適装備、安全サポートのトヨタセーフティセンス、リモート操作可能のアドバンスパークなどの運転支援システム等、ユーザー支援の機能はフル装備となります。
その代わり、リリース画像等で見かける20インチホイールや、大型リアスポイラーなどの外観装備はオプション扱いとなっています。
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小ぶりなリアスポイラーが備わるZグレード。
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外観装備はオプション扱いとなる。
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また、初期ロットは「年内の納車」を予想している。
・ソルテラ:2グレード/3バリエーション
スバルが販売を行うソルテラは、スタンダードモデル・ET-SSがFWD(594万円)とAWD(638万円)が用意されています。そしてハイグレードとなるET-HSはAWD(682万円)のみです。
このバリエーションを見るだけで、やはりスバルが共同で参加しているのもあり。bZ4X・ソルテラの本命はAWDモデルなのは確かです。
グレードを比較してみると、外観的な相違点はホイールのみになっています(SSが18インチ・HSが20インチ)。
けれども、HSのみが搭載している装備が多数ある点も注目です。内容としては、前述のbZ4Xの項目でも述べている快適装備・先進装備に加え、オプションとしてソーラールーフの選択が可能。そしてスバルのオリジナルオプションとして、ハーマンカードンサウンドシステムが装着できるのも、ハイグレードとしての存在感がより際立ちます。
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20インチホイールのET-HS(画像下)
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ソーラルーフ。ソルテラではET-HSのみが選択可能で
「月産数に限りがある為、納期が長期化する可能性あり」
との説明が、カタログにも明記されている。
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ET-SSのAWDモデルを選択するだろう。
■アーバンなトヨタ/アクティブなスバル
躍動感のあるワイドさと、クーペルックによるアーバンイメージを合わせ持つSUVボディの両車。このボディ形状ゆえに、ボディサイズを語る際にはトヨタ・ハリアー&RAV4と比べられるパターンが多いのですが。実際の数値を比較してみる納得しますね!
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この比較表を見ると、EVとなった事でのメリット・デメリットもハッキリあらわれているのが分かります。
メリットとしては、エンジンではなくコンパクトなパワーユニットを搭載する事により、ロングホイールベース・ショートオーバーハング(タイヤより前の長さ)となった事により、室内空間を広く確保できます。
しかし、大容量のバッテリー搭載により車両重量が2トン近くになってしまうのがデメリットです。
車重は電費に大きく影響するけど、長い航続距離を得る為には重くなってでも大きなバッテリーを積まないといけない。ここが、現時点におけるEVの技術的ジレンマでもありますね。
次に、ボディカラー設定について。これは両車とも同一でした。
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では実際に、bZ4X・ソルテラの外観の違いについてセクション毎に紹介していきましょう。
・フロントセクション
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画像下:スバル ソルテラ
顔つきを見るだけで、アーバンなbZ4X/アクティブなソルテラというイメージが連想されます。
bZ4Xはライトガーニッシュを備えた切れ長のヘッドライトに、EVらしさ全開のグリスレスを表現した”面”のメイン部が斬新さを覚えます。そして下部には、横一線に流れるラジエーターロアグリルを備えます。
対してソルテラは、現在のスバルデザインをうまく取り入れています。コの字形状のラインが挿入されているヘッドライトに、メイン部にはヘキサゴンデザイン。そして、ソルテラのオリジナル装備であるフォグランプが装着されています。(ちなみにbZ4Xは、オプションでもフォグランプ設定は無し)
そして、バンパーサイドのアウトレットにも違いがあります。bZ4Xは整流効果を狙ってフィンを追加。ソルテラは現行レヴォーグから取り入れている、空力テクスチャー処理が施されています。細かいところでも、メーカーの意思が尊重されています。
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•サイドセクション
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サイドセクションの相違点は微々たる内容です。まずは、充電ポートのカバー部に付くエンブレムについて。bZ4Xは「ELECTRIC」、ソルテラは「EV」となっています。
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また18インチ・20インチの設定のホイールも、形状は共通です。しかし、カラー展開に違います。
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bZ4Xはブラック、ソルテラはシルバーと
メインカラーが異なる。
・リアセクション
フロント同様、リアコンビランプのデザインにメーカーの個性が大きく表現されています。
先に共通点を述べると、どちらも前方・下方に伸ばした形状を持つコンピランプユニットから、センタガーニッシュ部にかけて絞り込むデザインとなっている事で、よりワイドさが強調されています。
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スポイラー形状となっている。
違いを見ていくと、bZ4Xは左右のコンビランプ・センターガーニッシュ部を横一線で結んいて、最近のトヨタ車にも導入されているデザインが採用されています。そしてソルテラはヘッドライトと同様に、コの字のランプ形状となっています。
またbZ4Xの4WD車は、4WDエンブレムの追加も確認されました。
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■"NEW"を主張するコックピット
新たなギミックが多数搭載されたフロント席回り。やはり目を引くのは、かなり奥まった位置にレイアウトされた7インチのトップマウントメーター。先進性を感じられるとともに、ドライバーの目線移動を最小限に抑える役割を果たします。
そして一番の驚きは、小さいハンドル径。まるで86/BRZを彷彿させるぐらいのサイズです。
「これ、SUVだよね?」と一瞬思ってしまいましたが。トップマウントメーターの視認性と、運転時の操作性を考慮した結果なんだと思われます。
また、モードセレクトはダイヤル式となります。
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EVならではのフラットフロアの恩恵も大きいリア席は、ファミリーユースでも使用可能と思える広さでした。
実際に席に座っても、足元に多少の余裕があるのは嬉しいところ。
しかし、デザイン的に全高が抑え気味になっている+パノラマルーフ搭載による影響により。身長183cmの筆者が乗り込むと、頭上は指4本分しかクリアランスがありませんでした。
とはいえ、窮屈感・圧迫感はなく。普段使用の範囲では、なんなく乗っていられると判断しました。
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さらにラゲッジはSUVらしく、文句無しのゆとりある広さが確保されています。
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ここまでが、おおまかな共通点です。
では、両車の違いはどこにあるのかというと、シートの違いがメインとなります。
bZ4Xは合皮素材のみ、2色が用意されています。
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ソルテラでは、グレードによって素材&カラーが固定となるのが特徴です。
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また、ハンドル部にも相違点が見られます。ソルテラには回生ブレーキの強さを変更できるパドルレバーがあります。そして、ハンドル前方にドライバーモニターカメラが備わります。これはドライバー異常対応システムのために必要な装備です。
一方bZ4Xは、どちらも存在せず。とてもすっきりとしたハンドル周りを形成しております。
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さて、ここまでグレード・内外装の比較を行ってきました。
これで全てではなく、他にも相違点があるかもしれませんが。
共同開発のクルマである以上、やはり細かい部分でメーカー独自のギミックが見られるのが面白いところですねっ!
そしてそれは、肝心の"走り"においてもハッキリと表現されていました。
次回はいよいよ、2台の乗り味について比較記事をアップする予定です。
乞うご期待下さいっ!