開館日が限られている旧石川組製糸西洋館を訪問 【埼玉県入間市】
2022年9月10日(土)
今回は埼玉県入間市にある旧石川組製糸西洋館に行ってきた。
旧石川組製糸西洋館とは
明治から昭和の初めにかけて全国有数の製糸会社であった石川組製糸により外国商人を招くための迎賓館として、約100年前に建てられた洋風木造建築となる。
戦後、GHQに接収された際に改造された箇所もあるが、全体的に当時の様子をとどめている。旧石川組製糸西洋館本館と別館の2件が2001年11月20日に国の登録有形文化財となっており、2003年からは入間市の所有となっている。
現在は、建物の公開以外にも、コンサートや講演会など西洋館の特色を生かしたイベントを行っており、映画やドラマ、ミュージックビデオなど、撮影のロケ地としても活用されている。
尚、開館日は限られているため、事前に入間市のホームページで調べてから訪問する必要がある。
訪問
旧石川組製糸西洋館は国道16号沿いにあるが、駐車場は西洋館を挟んだ裏通りにあるので注意が必要だ。
来館者用駐車場は西洋館の裏手にあり10台分停めることができる。
駐車場から西洋館の裏手を回り表側(16号側)へと向かう。
入館は本館の正面入口からとなる。
入館
館内は土足禁止のため、玄関でスリッパに履き替える。サンダルだったため素足ということに後悔。靴下を履いてくれば良かった。不特定多数の人が履くスリッパに素足は抵抗がある。
玄関ホールに受付があり、そこで入館料の200円を払うのだが、妻が小銭を消費しようとオール10円玉攻撃を繰り出し若干受付で時間がかかってしまった。
館内には一応順路があり、その順序通り見ていくこととした。
玄関ホール
当然ながら受付をした玄関ホールが一番最初に見るべき場所となる。
雰囲気のある照明だが、残念ながら当時のものではなく、後から設置したものだそうだ。
控の間
客を応接室へ通すための控の間。近年までは寝室として利用されていた。
応接室
控の間の隣にある応接室。来客を通すための部屋だけありかなり手の込んだ部屋となっている。
調度品が見事。ソファに座りたくなるが、生憎座るのは禁止となっている。
天井も凝っている。和風工法の格子天井となっており壁紙は創建当時のままを維持している。
応接室に置いてある本棚。年季が入っていると思ったらなんと大正15年に制作されたものだそうだ。
客室
玄関ホールを挟み応接室と対面にある部屋が客室となる。
階段
趣きのある階段を登り2階へ。
貴賓室
写真を見ての通り貴賓室はかなり痛みが激しく、入室が禁止されていて入口から覗くのみとなっている。
和室
和室は東和室と西和室の二部屋あり繋がっている。
戦後、GHQに接収された際は板張りの洋室として使用されていたらしいが、返還後は和室に戻され現在へと至っている。
床の間の掛け軸は上野白映の「山水画」となっている。
まるで自分の家のようにくつろぐ妻。涼しくて快適。
大広間
真っ赤な絨毯が一際目を引く大広間。
大広間の奥の扉の向こうは本来はバルコニーだが、GHQによりキッチンに改修されている。しかし現在は非公開となっており立ち入ることは出来ない。
トイレ・バスルーム
GHQにより壁や床にタイルを貼られ改造されたトイレ・バスルーム。今となっては改造前の用途は不明とのこと。
トイレ・バスルームの全景は撮り忘れてしまった。
再び1階へ
2階に上がったときに使用した玄関ホールの階段とは違い、いかにも裏階段みたいな狭い階段で1階へと降りる。
食堂
西洋館ラストの部屋は玄関ホールに隣接する食堂となる。
部屋中央の長テーブルや鏡の付いたサイドテーブルは創建当時からの調度品となる。
この食堂は実際にカフェとして使われており、アイスコーヒーやホットコーヒーを頼むことが出来るので、気になる方は頼んでみては如何だろうか。大正ロマンを感じながら飲むコーヒーは格別だろう。
所々非公開になっており入室できない部屋があったものの、以上で西洋館をひと回りした感じとなる。それほど大きな建物ではないのでゆっくり見ても一時間くらいだろうか。
事前予約が必要な「西洋館見どころガイド」による案内を受けると一部屋毎にじっくり説明を聞きながら周るのでもっと時間がかかることが推測される。
INFORMATION
入館料(団体料金):一般200円(160円)
住所:埼玉県入間市河原町13-13
電話番号:04-2934-7711
営業時間:10:00から16:00(入館は15:30まで)
公開日:不定期(年間40から50日)